許褚

「おいら、名前のためにいーっぱい作っただよ。だから、好きなだけ食べてくれよなぁ」

眼前には堆く積まれた料理の数々。作りたてらしく、どれも湯気を立たせて香りもよい。飢えた者でなくても食欲掻き立てられる。量が普通であれば。

「……許褚。お前のもてなしは嬉しいが、これは流石に多すぎやしないか?」

「おめぇ遠慮してんのかぁ?良い奴だなぁ。けんど、遠慮はいらねえぞ。たっくさん食べてくれよな。おいらの畑を守ってくれたお礼だぞぉ」

あまりに心の内を素直に有り体に晒すものだから、一宿一飯あればいいんだが、という本音は飲み込むことにした。向こう三日分ほどの量をとりあえず食べてみるしかない。覚悟して手をつけた料理は、重たくなる胃に反して美味しかった。





普通の尺度

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指先