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ユーリに掴みかかろうとするソディアを、ウィチルが制する。唇を噛みながらユーリを睨み続ける彼女からは、憎しみが感じられた。その感情を隠す気もないらしいが、ユーリが気にしている様子もない。そんなユーリを、カロルは白い目で見上げた。
「ユーリ、どっちの味方なのさ」
「敵味方の問題じゃねぇ。自信があんなら乗り込めよ」
いや、とフレンが首を横に振る。とても悔しそうに、フレンは続けた。
「これは罠だ。ラゴウは騎士団の失態を演出して評議会の権力強化を狙っている。今、下手に踏み込んでも証拠は隠蔽され、しらを切られるだろう」
「ラゴウ執政官も、評議会の人間なんです?」
「えぇ、騎士団も評議会も帝国を支える重要な組織です。なのに、ラゴウはそれを忘れている」
「とにかく、ただの執政官様って訳じゃないって事か。で、次の手考えてあんのか?」
黙りこくったフレンにユーリが肩を落とす。どうやら打つ手がないらしい。そこでぽつりと、アイナが案を落とした。
「騎士団は有事に際してのみ、有事特権によりあらゆる状況への介入を許される……つまり中で騒ぎでも起これば、騎士団の有事特権が優先され、突入出来る。その時に偶然、たまたま奇妙な魔導器(ブラスティア)が見付かれば、魔導器に高い関心を持ってるアレクセイ騎士団長は、その魔導器についてもっと詳しい調査を命じる可能性が高い。そうでしょ?フレン」
「……そう、だけど」
「なるほど、なるほど。屋敷に泥棒でも入って、ボヤ騒ぎでも起こればいいんだな」
「ユーリ、アイナ。しつこいようだけど……」
「無茶はするな、だろ?」
「ちゃんとわかってるよ、フレン」
ニヤリと不敵に笑うユーリと、楽しそうに笑うアイナを見詰めて……深いため息と肩を落とす。気持ちを切り替えたフレンは、ソディアとウィチルに対して凛と声を張った。
「市中の見回りに出る。手配書で見た窃盗犯が、執行官邸を狙うとの情報を得た」
to be continued...
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ほたるび