#13




(……嘘みたい)


 今日は休日。ルナは昨日あった出来事を夢のように思いながらぼーっとお菓子作りしており、生地をカップに流し込んでいた。


――……俺も好きみたい


(夢じゃないんだよね…昨日、家まで送って貰って……それでそれで赤羽くんと…両想い…なんだよね)


 昨日、カルマとの出来事をふと思い出してはルナは頬を赤くしてレンジに作ったお菓子を入れてタイマーをセットし終えたと同時に玄関からピンポーンというチャイムの音がした。


「あれ?宅配便かな??…はーい!」


 チャイムの音にはっと現実に戻ったルナは不思議に思いながら手をタオルで拭いてパタパタと玄関へ向かう。


「はーい、どちら様ですか…って、赤羽くん…!?」
「あ、いたいたー」
「ど、どうしたの?」


 ガチャと玄関のドアを開けるとそこにはルナが先ほどから考えていた相手…カルマがいてルナは驚きの声をあげると彼は飄々とした顔をしながら彼女が家にいたことに少し安堵しているようだが表情に出さないでいた。

 何故ルナの家に来ているのか分からなかった彼女は疑問の声をカルマにぶつける。


「会いに来たに決まってんじゃん」
「っ!!」
「あれ?顔真っ赤だけど?」


 彼はさらりとルナの問いかけに答えると彼女は顔を赤くさせた。

 そんな彼女を見たカルマはニヤリと笑って意地悪な問い掛けをし始める。


「…赤羽くん…不意打ち禁止…」
「それより…またお菓子でも作ってたの?」
「何で分かったの?」


 不意打ちを食らったルナは両手で顔を隠してぼやくとふっとカルマは笑いながら話題を変えて別の問いかけをする。
 
 カルマの問いかけにまだ頬を少し赤くさせてたままルナは彼の言葉に疑問を持ち、問い掛け返した。


「エプロンしてれば分かるデショ」
「え、あ、そっか…」
「何作ってんの?」


 カルマは彼女が身に付けているエプロンを指さして彼女の問いに答えるとルナは彼の言葉に納得をする。

 カルマは首を傾げながら何のお菓子を作っていたのかを珍しく聞いた。


「…へ?あ、なんだろ…色々作っちゃった」
「何作ったか覚えてないの?」
「む、無意識にいろんなの作ってました…あ!作りすぎたから食べてってよ!」


 まさかそんな問いをされると思ってなかったのかルナは素っ頓狂な声を出すと顎に人差し指を当てて考えるが答えが出なかった彼女は困った顔をして言葉を返す。

 彼女の言葉にカルマは眉間に皺を寄せて更に問いかけるとルナは彼の言葉に詰まりながらも言葉を返すと名案とばかりにカルマに急な提案をした。


「…別にいいけど」
「そうと決まれば赤羽くん、上がって上がって!」
「…お邪魔しまーす」


 いつもなら"No"を言うカルマは彼女に気づかれない程度のほんの少しの照れを見せては彼女の提案を飲むとルナはぱあっと明るい笑顔を見せてカルマを家にあげた。


「出来てるのもあるけどさっき焼いたばかりので最後だから少し待ってね」
「ふーん」
「えっと…マカロン、ショコラ、カヌレ…マシュマロ、ガトーショコラ…我ながら作りすぎたかも」


 リビングにカルマを通したルナはカルマに声を掛けながらキッチンへと入っていくとカルマは生返事をして椅子に座った。

 とりあえず出来上がってるお菓子を皿に盛り合わせてカルマの前に持っていき、何を作ったのかを言葉にすると苦笑いして反省の意を表した。


「作りすぎ」
「うう、自負してます……あ、そういえば赤羽くん好きなお菓子って何?」
「何で?」


 目の前に出された量はカルマの想像を越えていたようで冷や汗をかいてルナに突っ込みを入れるとしゅんとした顔をした。

 彼女は思い出したようにカルマに問い掛けるとカルマは不思議そうな顔をして答えることもせず問い掛け返す。


「何でって教えてもらえなかったし…当ててみてって言われて結局分からなかったし」
「ルナの得意なカヌレでいーんじゃない」
「ふぇ!?」
「……何」


 ルナは少し拗ねた顔をして彼の言葉に返答するとカルマは適当な言葉を口にするとカヌレをひょいとつまんで口にした。

 彼女は彼の言った答えよりも違う言葉に衝撃を受けて不思議な声を上げるとカルマは今度は何だとばかりに彼女をじっと見る。


「だ、だって、な、名前…」
「苗字より名前の方が言いやすいから」
「あ、そ、そうなんだ…」


 ルナは少し頬を赤くさせて戸惑いながら言葉にする。

 彼女の言いたい意は今まで苗字で呼んでいたのにも関わらず名前で呼んできたからということだろう。

 カルマは彼女が言いたいことは分かっているような顔をしてはしれっと理由を言うとルナは少し残念そうな顔をして納得したような声を出した。


(驚くから急にやめて〜…!!)
「……というか、そろそろ下の名前で呼んでくれない?」
「う…」


 理由は分かったけど気持ちはついていかないのだろう。

 彼女は彼に対して心の中で文句を言っているとカルマは少し拗ねた顔をしてルナに名前で呼ぶよう問いかける。

 ルナはカルマの言葉に言葉が埋まり、戸惑った顔をする。


「苗字で呼んでんの、ルナだけなんだけど」
「あ、う………か、カルマ…くん……」
「よく出来ました」


 カルマはじっとルナを見つめながら催促するように言葉をかけるとルナは観念したのか顔をどんどん赤くさせてカルマのことを名前でたどたどしく呼んだ。

 それが嬉しかったのかカルマは嬉しそうに微笑んで彼女を褒めながら頭をぽんぽんと撫でる。


「〜〜〜〜!!」
「ふはっ、顔赤すぎ」
「誰のせいだと思ってるの…」
「はいはい」


 不意打ちで頭を撫でられたことにルナは更に頬を赤くさせて驚いているとカルマは笑顔でからかうようにルナに顔が赤いことを指摘する。

 ルナはカルマの指摘に困った顔をして自身の両手で頬を隠すようにして言葉をこぼすとカルマはくすくす笑っていた。


「むー…あ!これ知ってる!?好きって10回言って?」
「はあ?」
「いいから!」


 余裕そうにしているカルマにルナは拗ねた顔をして何か思いついたとばかりに声を上げてカルマに10回ゲームを提案すると急に何を言い出すのかとカルマは眉間に皺を寄せて問いかける。

彼女はそんなカルマに強引に急かした。


「?…好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き……」
「カルマくんったらもー、照れるじゃん!」
「っ、……そういうこと」


 カルマはルナが急かすことに疑問に思いながら渋々彼女の言うとおり指を折って数えながら"好き"という言葉を10回言うと彼女は少し照れた顔をしながらわざとらしくカルマの背中を叩いて言葉を彼にかけるとカルマは彼女がやりたかった意図を理解したようで少し眉を寄せて言葉を返す。


「えへへ、やられっぱなしの私じゃないよっ」
「………。」
「あ、わっ……っ!?」


 ルナは彼の反応に少し満足したのか笑いながら言葉を返すとカルマは黙ってじっとルナを見ると腕を引っ張るとカルマのそばで立っていたルナは引き寄せられて驚いた声を出すがそれは途中で言葉が掻き消されてしまった。

 何故ならばカルマがルナの唇を彼の唇で塞いでしまったからだ。


「…ルナが好きだよ」
「…私も大好きっ!」


 そっと唇を離したカルマは少し頬を赤くかせてルナを優しく見つめると彼女への愛情を言葉で示す。

 カルマの行動での愛情、言葉での愛情にルナは嬉しそうに微笑んで彼の首に腕を回して抱き締めて彼の言葉に返答するようにルナも愛情を言葉で表した。



信じてるよ 愛してるよ

―信じてるよ―



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