#1




≪注意事項≫
夢主は自身の声が出せません。下記表記の仕方があります。苦手な方は水晶致しません。
「」…夢主の声、『』…夢主が声を借りた状態
“”…手話、【】…直筆、スマホ打ち




「おーし、HR始めっぞー」


 入学早々、その一言で入ってきたのは今をときめくアイドル。日向龍也だ。


「まじっ!?あの、日向龍也が担任とかついてる!!」
(あ、龍にぃだ……というかあの子小さいな。私より)


 この学園は現役アイドルが担任の先生になるという不思議がある。その龍也が教室に入ってくると1人の小さい男の子がキラキラした目で担任を見ていた。
 うるさくする姿を少女はつまんなそうに机に肘をつけながらぼうっと正面を見ていた。


「あー、これから1年このSクラスで過ごす。そのために自己紹介始める」
(うげ…マジかよ)


 名簿を見ながら龍也はクラスで自己紹介を始めるというと少女は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
 そして、順番が周りに回り…その少女の番になった。


「おーし、それじゃ、…ごほんっ、五十嵐明莉。前へ来い」
「はあ……」


 龍也に呼ばれた五十嵐明莉と呼ばれた少女はため息をつきながら気だるそうに前へと言った。そして、自己紹介を普通なら始めるのだが彼女は…手話を始めたのだった。


“初めまして、五十嵐明莉です。作曲家コースです。よろ…”
「いやいやいやいやいや!!何だよ!?喋ろよ!普通に!!」
「…………………………………………」


 ちゃっちゃか終わらせようとした月詠だが、手話を途中で甲高い声で背も小さい少年に遮られてしまった。
 明莉はそれに対して怪訝そうにその少年を無言で睨みつけていた。


「っぷ、いきなり手話で自己紹介とは…こいつはなかなか…」
「あー…こいつは訳ありなんだ。五十嵐、お前…手話じゃなくてほかの手段でやれよ」


 噴き出して笑った男を見やると男にしてはロン毛でオレンジ色の髪をしていた。
 不意打ちを食らったその男は楽しそうに明莉を見る。
 龍也はというと明莉を見ながら呆れた顔をして別手段での自己紹介をしろと命令してきた。


“じゃ、龍にぃ。声借りるよ?”
「お、おい…ちょ…」
『私の名前は五十嵐明莉。作曲家コース。よろ…』
「ちょーーーーーと、待てっ!!な、何で日向先生の声だしてんだよ!!」


 命令口調で言われたのがしゃくだったのか日向龍也ににこりと明莉は微笑み手話で話しかけた。
 龍也は明莉の暴走を止めようとしたが時は既に遅く、明莉は龍也の声を借りて再度自己紹介をした。
 しかし、またもや甲高い声の少年に突っ込まれ遮られてしまった。


『だー!何なんだよ!さっさと終わらせてくれない!?私は人の声を借りないと喋れない!だから、基本手話だ!それが気に入らないなら話しかけてくんな!!以上!』
「うぇ!?お、俺の声!?」
「あーあ…やっちまったな」


 2度も自己紹介を遮られて堪忍の緒が切れたようだ。…実に早い。
 キレた明莉は今度は甲高い声の少年の声を借りて話をした…いや、怒鳴りつつ語った。
 一気に自分の説明をすると足跡を立てながら自分の席に着いた。
 まさか突っ込みを入れた少年は自分の声で返されると思わず、その明莉の行動に衝撃を受けていた。いや、クラス全員が明莉を見て茫然としていた。
 龍也はというと頭を抱えてため息をついていた。


自己紹介…だから、嫌なんだよ




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