#2




「お、おい…あいつ、俺の声出してたよな!?」
「確かに…リューヤさんの声の次にはおチビちゃんの声出してたよね」
「しかも…クオリティがかなり高いですね」


 クラスの自己紹介が終わり、今は休憩時間。
 Sクラスでも最も目立つとされる3人…来栖翔、神宮寺レン、そして…珍しいことに一ノ瀬トキヤまでもが明莉を見ながら話していた。
 噂されている張本人はというと、ぐっすり机にうつ伏せ状態でお休み中だった。


「って、おい!どさくさに紛れてチビ言うなっ!!」
「レディに声かけたいところだけど…相手が手話だからね。どうしたものか…」
「無視すんなっ!!」


 翔ははうんうんと頷いていたが自分が“チビ”と言われたことに気が付いた瞬間、すごい形相でレンを睨みつけ突っ込みを入れていた。
 レンはというとそんな翔を華麗にスルーして明莉とどうやって話すかを考えてていたがまたもや翔に突っ込みを入れられていた。


「…、五十嵐さん、さっき日向先生が呼んでいたよ?」
『……ちっ』
「んなっ!?性格悪っ!!」


 クラスメイトの女子が戸惑いながら覚悟を決め、明莉に話しかけた。その時、クラス中の的になり、息を呑む者さえもいた。
 折角眠っていたところを起こされたのが癪だったのか顔を上げ、眉を潜めて舌打ちをしたのだった。
 話しかけた勇気ある少女とその周りにいたクラスメイトは目を見張って顔を青ざめていた。
 翔はというと善意で話しかけた女子に対しての最悪な態度の明莉に怒りを覚えていた。


(……なんだよ、龍にぃめ。私の時間奪うなんて…。仕方ない、この子は悪くないし)
【ありがとう】


 明莉はため息を吐きながら自分の席を立ったが教室を去ろうとしたがぴたりと足を止め、
 先ほどわざわざ連絡してくれた勇気ある女子に振り返るとスマホを取り出した。
 ぶっきらぼうでありながら、スマホにただ一言打ち込むと相手にそれを見せ、さっさと去って行った。


「え…、ど、どういたしまして」


 勇気ある少女はまさか礼を言われると思っていなかったのか去る後姿を見ながらぽそりと呟いたのだった。



休憩時間に分かったことは

意外と悪い奴じゃないかも




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