門番の人に手紙と中身を見せると、元気が良いというか威勢の良い掛け声で門を通らせてもらう。 そして、出入り口にいた女中さんに案内をされて通してもらった部屋には数人の女の子たちが座っていた。 みんながみんな同じ年頃で、きっと各村から集められた女の子たちだろう。 女中さんから、この部屋で待つようにと言われて空いてる場所に座っている、と。 さっき案内してくれた女中さんと同じ着物の数人の女性と、風格というか恰幅の良い女性が入ってきた。 「ではこれから適所を見極めますゆえ、名を呼ばれた順に隣室へ来るように」 そう言って、女中さんたちが隣室へ行ってしまったあとで何故か急に室内が騒がしくなる。 「ちょっと、面接するなんて聞いてないよ!」 「あたしも・・・出仕しろって命令だったから、てっきり今日から働くのかなって」 前の方にいる女の子たちはどうやら面接があるなんて想定外だったらしい。 というか、私以外はみんな動揺したように落ち着きがない。 私は、というとやはり前は進学するためや仕事をするために面接を受けていたから、当然ここも似たようなことはするだろうと思っていた。 「ねぇ、面接あるって知ってたの?」 そんなことを考えていたからか、どうやら周りから見た私はかなり余裕で面接を知っていたような態度に見えたらしい。 私の斜め前に座っていた女の子が不安げな眼差しを向けてくる。 「いえ、知りませんでしたけど・・・ただ、城に仕える以上は人柄などを見るようなことはあると思ってました」 「ええ?あたし、村から追い出されるように城勤めを強要されたんよ?」 もしも面接が駄目だったら帰れない、そんなの酷い。 横から割り込むように少し怒り口調で呟いたのは絹という名前の歳は十五の女の子。 最初に不安げに話し掛けてきた女の子は今の私と同じ十六歳で梅という名前のようだ。 「まあ・・・人柄と言っても、城勤めをするからには身元などの確認が重要かと思いますし、よっぽどでなければ仕えられるかと」 「なら良いんだけどさ、あんた名前は?」 それから雑談をして、本当に身元を確認するだけの面接が終わり全員が出仕できると決まった夕刻。 絹ちゃんと梅ちゃんと私は仲良くなっていた。 「よろしく、名無し」 「名無しさん、よろしくね」 今の私の年齢から年下であるはずの絹ちゃんが、呼び捨てにしてきたのには少し驚いたけれど。