小ネタ帳

此処は、お話に昇華出来なかった小ネタや、これからお話に昇華するかもしれないネタ達を書き留めた、所謂ネタ置き場です。主に、管理人の覚え書き処。名前変換物は*で表記。鍵付きについてはインフォページ参照。


▽お頭でテーマ『夏』ネタ(没→お蔵入りしたver.)。

他所様企画で提出した山鳥毛夢『真夏の青に映える白』を書く前に書いた代物なり。ちょろっと書き出してみたは良いものの何か気に入らなくて没にした物。そのままお蔵入りするのも勿体無いかと思い、ネタ枠として掲載。最終的、完成品とは全く雰囲気もテイストも異なる気がするけども、逆に楽しめる部分になるかなぁと。
▼以下、追記より途中頓挫した没ネタ版。


【追記】

 風鈴の音が風流且つ涼しげで似合う季節と相成った。生きとし生けるもの達の命の輝きが美しく弾け、輝きを放つ季節……夏の季節が到来したのだ。外では真夏の太陽が燦燦と降り注ぎ、とてつもない程に熱く眩しい日差しを大地に浴びせ、世界を照らしていた。そんな日差しを受けた植物達は、暑さに負けじとその身を活き活きと伸ばし、青々と葉を茂らせていた。
 昨今の夏の盛りの時季の気温は、酷過ぎる程に暑く、紫外線も強く、無用の外出は控えた方が良い程である。今年も例年以上の気温の上昇を見せ付けており、毎日が記録更新の嵐だ。日々テレビの気象情報を伝えるコーナーを見る度に辟易とした溜め息が零れた。
 こうも暑ければ、何をしていなくとも自然と汗が流れてきて仕方ない。ただでさえ、夏の暑さには弱い人種である。装いを季節に見合った物に変える必要があった。故に、彼女は箪笥の奥っこに仕舞い込んでいた服を引っ張り出してみる事にした。
 其れは、夏の装いにはぴったりの、真白い生地のワンピースである。作りはオフショルダータイプになっていて、ウエストの辺りがキュッと絞られた作りになっている。裾はふんわりと広がる物で、女性らしさを際立たせる可愛らしい見た目だった。普段はもっとマニッシュでラフな服装を身に纏っていた審神者だが、偶の機会くらいお洒落したって良いだろう。例え、一年中巣ごもりしているような、引き籠りがテンプレの出不精人間であろうと……。
 装いを変えるついでに、彼女は髪も全体的に纏めた感じのアップにしてしまおうと弄った。女は髪形や装いを変えただけでだいぶ印象が異なったりするものだ。此れは、そう……季節に合わせた形でのイメチェンじみた事であった。普段来ている装いを変えてみるだけでも、気分は変わってくるというもの。洗面所の鏡の前で自身の格好を整えた彼女は満足した様子で、自室から在る離れの間から出た。そして、皆が集まる母屋の方へと足を向ける。向かうは、厨の方であった。時刻は、朝の午前、朝食時の時間だった。
 涼しげな装いになった事で気持ちも少し軽くなったのか、審神者はいつもより足取り軽い様子で刀剣達の自室が並ぶ部屋前を通り過ぎて行く。その途中で、同じく朝餉を摂りに向かおうと起きてきたのだろう、部屋から出て来たばかりの山鳥毛とばったり顔を会わせる事となった。審神者は気持ち明るめに挨拶を告げた。
「おはよう、ちょもさん。ちょもさんも、今から御飯?」
「おはよう。丁度、今から食事を摂りに行こうと思っていたところだったのだ。良かったら、共に行かないか?」
「元よりそのつもりで声かけたし。どうせ向かう先は同(おんな)じなんだ、せっかくだから一緒に行こう!」
「では、共に厨まで行こうか」
 にこやかに穏やかな笑みで以て返事を返してきた彼を連れて、再び目的地を目指して歩き出す。何気無く隣へと並ぶように歩み出せば、さり気無く歩を合わせてくれる彼が真横に並ぶ。そうして、改めて此方へ視線を向けてきた彼が興味深げに言葉を漏らした。
「今日の小鳥は、随分涼しげというか、何とも季節に見合った風な装いだな?」
「んふふっ、良いでしょう? 流石にこんなに毎日暑いと、露出云々気にしてらんないっていうかな〜……まぁ、兎に角そんな感じでして。箪笥の奥に仕舞い込んだままだった服を引っ張り出してきたのですよ。夏にぴったりの真っ白なお洋服でしょう……っ! 生地も薄手で、通気性も抜群で涼しいし、おまけにワンピースだから可愛さも残せる! 画期的な衣装なのです…っ!」
「うん、君によく似合っているぞ。しかし、些か露出加減が、だな……っ。いや、まぁ、私が古臭い刀故、そう思うだけなのかもしれないのだが……少しばかり気になってしまう、かな……? その、肩が出てしまっているし、脚も露出してしまっているとなると……少々目の遣り場に困ってしまうな……っ」
「夏だから、多少の露出感はしょうがないし当たり前の事だと理解してくださいな。毎日30℃越えを記録するような暑さなんですから、きっちりかっちり着込んでたりなんてしてたら熱中症で倒れてしまいますよぅ……っ。ちょもさんみたいに古い生まれの方々にとっては慣れない事かもしれないですけど、此ればっかりは大目に見てくださいね?」

2022/09/05(12:51)

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