※当作品の夢主は、拙宅ではお馴染みの、“ノンバイナリーで方言ちゃんぽんな俺っ娘女審神者シリーズ”設定の子です。
※自己投影色強め且つ癖強めの傾向有り。
※自本丸設定山盛り+原作への独自解釈や捏造設定等多く含みます。
※所謂何でも許せる方向けです。
※この時点で少しでも苦手意識を持たれた方は、自己回避願います。自衛は大事。無理な閲覧はお控えくださいね。
※全て自己責任です。読むも否も貴方次第です。
※以上を踏まえた上で閲覧どうぞ。
夢を見ていたんだと思う。
――というのが、夜になって眠る為にと
真っ暗闇に薄ぼんやりと浮かぶ淡い光。視界に映り込んできたかと思えば、ふよふよと辺りを漂い、瞬きの内にフッと消えてしまう、弱い光。そんな淡い光の玉が、ふわりふわり、幾つも生まれては消えるを繰り返していく。儚げな光は、蛍の光る様を彷彿とさせた。
不意に、顔の間近を掠めると思った瞬間、あたたかな温度を感じてハッとする。
(ほた、なの……?)
音にする事も無く、心の内で呟くように問えば、驚いたみたいな音で以て返事が返ってきた。
「あれ、何で主さんがこんな処に居るの?」
全く予想していなかったとでも言うような、不思議そうな声に、同じく不思議な心地で居る事から内心首を傾げていれば、声の
「知らず知らずの内に混線しちゃったのかな……? まっ、そんな事もあるか。付いて来て!」
姿は見えないが、声に頷き返して、蛍火の如し光が導く先へ促されるように付いて行ってみる。
すると、微かではあるが、水の流れる音を聴覚が拾った。どうやら、この先に水辺があるようだ。蛍の灯りは其方へと向かってふよふよと飛んでいく。意識が惹かれるままに後を付いて行けば、沢のような場所に案内されたようである。
暗闇に慣れてきた視界に、人ひとりが通れる程の道が草地を分けるように出来ている。その先に、蛍の光達は集まっているみたいだった。
綺麗で穏やかな流れの沢が其処にはあった。蛍は、澄んだ水辺にしか生息出来ない生き物である。薄暗闇にぼんやり浮かび上がる幾つもの淡い光は、幻想的な雰囲気を作り出していた。
一見して、美しくも儚いその光に、遠い昔に見た本物の蛍の光へ思い馳せていた。確か、あの頃は、まだ年端もいかない、物心さえ付いていなかった歳の頃だったか。一度だけ、蛍を見に家族と綺麗な沢の流れる川の
あまりの幻想的風景に、夢の中ながら思わず、ホゥ……ッ、と感嘆の溜め息を
――此処は、彼の夢の中なのだろうか……?
そう思ったのと同時に、答える声が何処からともなく返ってきた。
「そうだよ。此処は、俺の夢の中。主さんは、無意識の内にうっかり入って来ちゃったんだね。ふふっ、俺だけが知ってる特別な場所、綺麗でしょ? 主さんにだけ見せる秘密の場所だよ。気が済むまで堪能して行っても良いけど、あんまり長居はオススメしないからね」
(ほたぁの夢の中は、いつもこんなに綺麗なの……?)
「うーん、分かんない。でも、大体こんな感じかも。不思議と落ち着く場所でしょ」
(うん……何かよく分かんないけど、凄く落ち着く)
「へへっ、有難う! 今の流れで御礼言うのって、ちょっと変かもだけど、俺の自慢の場所だから褒められるのはやっぱり嬉しいな」
そう言った彼は、相変わらず姿は見えないまま笑った。
(この光は、俺が居なくなったら消えちゃうのかな……?)
「主さんが、この世に存在し続けてくれる限りは消えないと思うよ」
(そっかぁ……じゃあ、頑張って生きなきゃだね)
「そうだね。人間って、ただでさえ寿命短いんだから、もっと気楽に生きようよ。国行もよく言ってるでしょ?」
(そうだったね。今は、面影さんも来たから、より一層生きる事を考えなきゃだね)
「うん。だから、俺と一緒に生きて、少しでも楽しい人生にしてよ」
其処で、ふと目が覚めた。
つい今しがたまで夢見心地で居たのに、不思議とはっきりと頭が覚醒していた。其れくらいには、凄く明瞭な程に頭が冴えていた。いつもなら、まだ半寝惚け頭で居る筈なのに。
目が覚めた勢いで、そのまま着の身着のまま布団から抜け出て、襖を開け放って、隣の執務室を通り過ぎて、離れの間と母屋とを結ぶ渡り廊下を目指して障子戸を開け放つ。すると、渡り廊下の中程で座り込んで外の景色を眺めていた小さな頭が此方を振り返った。
「あっ、起きたんだ。おはよう。今日は俺が一番乗りだったみたいだね。えへへっ」
夢の中で聞いた声と同じ軽やかな笑い声が、笑顔を浮かべて朝日に照らされている。
「偶には、早起きも良いモンでしょ。驚いちゃった?」
小さな体付きで幼子のような見た目ながら大きな太刀を振るう、大太刀に分類される刀が無邪気な笑みを浮かべて笑う。阿蘇神社に奉納される、蛍丸。今や、現存しない刀の一振りに数えられるが、人々の強い想いから復活して、再び阿蘇神社へと奉納された小振りな大太刀。極修行を経て、以前にも増して強くなった、頼もしい来派の一振り、蛍丸。己の、命よりも大事な刀の一振りだ。
「ねぇ、俺が望めば、またあの景色って見られる?」
「たぶん、出来るんじゃない? 主さん相手なら、俺も大歓迎だし」
「じゃあ、また何処かの機会に、夢が繋がったらお邪魔するね」
「うん。
そう言った小さな大太刀は、立ち上がるなり、とててっ、と小走りで駆け寄って、胴回りに腕を巻き付けるようにして抱き着いてきた。その甘えたな姿勢を微笑ましく受け止めながら、遅ればせながら朝の挨拶を返す。
「おはよう、ほた。今日は良い天気に恵まれそうだね」
「うん。今日は雲一つ無い快晴日になりそうだよ。もしかしたら、近々梅雨も明けるかもね」
「えぇ……こないだ梅雨入りしたばっかなのに? 早くも四拾度超えを記録した程、猛暑日を更新し続けてるのに、これから夏の本番を迎えると思うと気が遠くなりそぉ〜……っ」
「年々日差しの強さも気温の暑さも増してるもんね。主さんは、また脱水症状で倒れて運ばれたりしないよう気を付けなくちゃ」
「もし、また俺が倒れそうになった時は介護宜しく……」
「もぉ〜、国行みたいな事言わないでよぉ。まぁ、主さんを運ぶくらい、なんて事ないけどさ。出来れば、倒れる前にしっかり水分塩分糖分摂取して。あと、御飯もしっかり食べて。睡眠も大事だよ。眠れなかったら、俺が寝かし付けてあげるから」
「保護者以上に保護者してる子が此処に居る……」
「ふふん。ちっちゃい見た目だからって、舐めてもらっちゃ困るから。俺、こう見えてすっごい力持ちだし、滅茶苦茶強いから。国行なんてすぐに伸せちゃうくらいには強いよ」
「流石は、ほたやん。強んい」
そんなこんな、寝起きの着の身着のまま駄弁っていれば、母屋の方から保護者の御迎えが来た模様だ。
「蛍丸何処に居るんか思たら、こないな処に居ったんかいな。探したで。おもに国俊が」
「もぉ〜っ、朝っぱらから部屋居ないと思ったら主さんの処に居たのかよ! せめて一言言ってから行けよな〜?」
「へへっ。御免ね、国俊。心配させちゃったかな?」
「そら、何も言わんで居らんくなったら心配するに決まっとるやろ。……つーか、主はんも主はんやで。何でまだ身支度も済んどらん内から部屋出て来とるんです? 少しは
「はははっ、コイツァすまなんだや。今回ばかりは、ほたの可愛さに免じて見逃してちょ」
「はぁ〜……初期刀さん方の気苦労が窺えますわ」
「おや、皆さんお揃いですか」
「ありゃ。面影さんも来ちまったのかい? そんなに心配させる程この可愛い子を独占しちまったかね?」
「いえ。来派の皆さんが何やらお揃いの気配がしたので、気になって来てみただけです。主は何やら起き抜けのご様子ですし、身支度もあるでしょうから、蛍丸の事は私達に預けて、どうぞ気兼ね無く部屋へお戻りください」
「じゃ、またね主さん。先に行って待ってるね」
「うん。気にせず先に食べてて。俺も身支度済んだら食べに行くきやぁ」
保護者組が合流した事で一安心し、にこやかに手を振って別れる。
洗面所の鏡を覗き込んで気付いたが、こんな寝起きMAXの状態で顔を会わせていたのかと思い返すなり、気恥ずかしさと申し訳なさが同時に湧き起こって。羞恥に駆られ、とてもじゃないが、まともな顔で顔を会わせるのは無理そうだと早くも後悔するのだった。OMG……。
執筆日:2025.06.20
加筆修正日:2025.06.29
公開日:2025.06.29
加筆修正日:2025.06.29
公開日:2025.06.29
【後書き】
支部企画『蛍エフェクト』へ参加及び投稿した作品になります。
支部での掲載頁では、エフェクトが反映されるよう、シーズナルエフェクトタグ『pixivGlowEffect』付きです。
春の桜の花弁が舞う『桜エフェクト』企画に続く今季新たに用意されたエフェクト企画に、「コレは是非とも参加せねば……っ!」の勢いで書いた次第です。
蛍と言ったら蛍丸しか居らんやろ、な実に安直思考回路に至りました、審神者七年目へ突入した俺氏です。
どうも、ご機嫌麗しゅう。
フワッとした、特に深い意味も無い、内容も薄い雰囲気物なお話ですが、お気に召す方がいらっしゃいましたら何よりです。
ちなみに、此処だけのお話ですが、蛍丸は単体お相手では初書きとなります。
来派組は皆纏めて一緒に居るイメージが強く、いつも何かとわちゃわちゃしつつも和気藹々としている感じがするのは、ウチの本丸だけじゃない筈……?
後書きを締め括るにあたりまして、素敵な企画を用意してくださったpixiv様には大変感謝致します。
この場をお借りして、改めて御礼申し上げたいと思います。
この度は、素晴らしき企画にて私の稚作な作品を並べてくださり、誠に有難うございました。
支部企画『蛍エフェクト』へ参加及び投稿した作品になります。
支部での掲載頁では、エフェクトが反映されるよう、シーズナルエフェクトタグ『pixivGlowEffect』付きです。
春の桜の花弁が舞う『桜エフェクト』企画に続く今季新たに用意されたエフェクト企画に、「コレは是非とも参加せねば……っ!」の勢いで書いた次第です。
蛍と言ったら蛍丸しか居らんやろ、な実に安直思考回路に至りました、審神者七年目へ突入した俺氏です。
どうも、ご機嫌麗しゅう。
フワッとした、特に深い意味も無い、内容も薄い雰囲気物なお話ですが、お気に召す方がいらっしゃいましたら何よりです。
ちなみに、此処だけのお話ですが、蛍丸は単体お相手では初書きとなります。
来派組は皆纏めて一緒に居るイメージが強く、いつも何かとわちゃわちゃしつつも和気藹々としている感じがするのは、ウチの本丸だけじゃない筈……?
後書きを締め括るにあたりまして、素敵な企画を用意してくださったpixiv様には大変感謝致します。
この場をお借りして、改めて御礼申し上げたいと思います。
この度は、素晴らしき企画にて私の稚作な作品を並べてくださり、誠に有難うございました。
