西洋の国
この世界の西の方に広く土地を有する国。 あまりに雄大なその土地は多くの民族が暮らし生活を営んでいる。
とう花

2022/10/24 00:21

(魔法イップ♀ 抹茶×リボン)
19歳、女性、162p
一人称:私
二人称:あんた

議員の父親を持つ華族の御令嬢。
スタグノの婚約者。
東方の国出身で、家も外装は和風であるが、洋風を愛する父の趣向で内部はモダンになっている。とう花自身も洋装を着こなし、甘味が好きだが特にケーキなど西洋の菓子を好む。
性格は自分を愛せず卑屈寄り。お嬢様ではあるが口調がキツい(父の前ではしゃなりしゃなりしている)。父の言いつけで日傘を常に持っているがスタグノの前では石突きを上に向けて武器のように持ってしまう。

小さい頃から父の意見に逆らえず、進路や習い事付き合う友人に至るまで決められた道を歩んできた。そんな自分に嫌気がさしながらも何も状況を打破できない自分が大嫌いだった。
ある日、そろそろとう花も淑女の仲間入りとして舞踏会へ赴くことを許される。
父は舞踏会の裏で自分の支援者たちと親交を深める事に忙しく、ある意味舞踏会の場はとう花には父の監視から離れる事のできる場であった。
そこで彼女は普段の自分を忘れ去る手段としてダンスにのめり込むようになった。クルクル目を回すほど激しく踊っている間は何も考えなくていい。だから好きだった。
また、見目はある程度美しいとう花は、社交会の場で男性からも声をかけられるようになっていく。ダンスを踊って気が昂ったまま行きずりの男性と一晩共にする…というような事も何度か有った。その度に自己嫌悪に陥りまた嫌いな自分を忘れる為に舞踏会へ行き…そうした自傷行為のような日々が続いた。
ーーそんな中、父が持ってきたのがスタグノとの縁談だった。
相手の隣国の貴族の青年は次期騎士団長候補だと言う。まるで何も持ってない自分とは大違いだと感じた、それが第一印象だった。これが父が導いた政略結婚だと分かりつつも今更反抗する心も無く、ただ他国に嫁ぐのなら父の監視下からは抜け出せるなという気持ちと今の舞踏会に入り浸りの状況からも離れてみたくてお見合いを受け入れた。
お見合いで会った彼は見合い写真と同じく優しく微笑んでいた。同席した父親同士はすっかり意気投合しこのまま結婚式の日取りも決めようと言ってきた。そこで父がスタグノに意思確認をすると「とう花さんがいいなら喜んで」と彼は言った。
ーまるでそこに自分の意思は関係ないような丸投げのように聞こえて少し悲しくなった。彼も父の言うままに生きてきたのだろうか。私と一緒だ。
彼は私の様子を見て自分の国に慣れるまで婚約という形にしましょう、と言った。
そんなことしたって結局結婚するのは変わらないのに。

第一印象は自分とまるで似つかないキラキラした人だと思ったが、見合いであった彼は私と同じで父の言うままに生きてる人だと思った。しかし共に生活する中でそれも少し違うと思うようになる。彼は父の言うままに生きているけれど、それを苦としていない。それを是として生きている事に、理解が出来なくてイライラして彼をやっかむ様になった。
会う度に嫌いと罵ってしまう。でも彼は好きと言う。それが嘘っぽく聞こえて疎ましくて何回も喧嘩した。
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