2022/12/29 12:37

（H大剣鬼♂）

一人称：俺
二人称：あんた

寂れた漁村の出身。
漁師として生計を立てていたが、漁に出ても魚が漁れない年が続き、生きていく為に海賊に成り下がった。
海を行く船を襲い金目の物だけ奪っては乗員を海に落としてその間に去った。
襲うのは殆ど商船だったが、ある時失敗が続き何日も何週間も稼げず手段を選ぶ余地がなかった。
次に来た船を何が何でも襲おうと決め、やってきたのは女子供の乗った移動船だった。
海に落とした時の脅えた子供の目がずっと脳裏に焼き付いている。
同じ感情を抱いていたのか海賊仲間もあの日以降沈んでいる。
ある日さざれなみは仲間たちに呼び出され、何事かと思えば、暇を乞われた。仲間たち自身のではなく、さざれなみの、であった。
まだ若く未来があるさざれなみにずっとこんな悪行を強いていたら来世も地獄行きだと。それならばさざれなみには真っ当に生きて欲しいと。
どこにそんな真っ当に生きられる道があるのか。それはあまりにも純粋でともすれば残酷な仕打ちだった。
さざれなみは一人漁師道具を担ぎ、村から出た。自分が、仲間が真っ当に生きる道を探す為に。

漁師をやって幸せだった頃は良く笑う男だったが、今はその面影もない。
「生きる為には仕方のない事だった。それが言い訳にならない事も知っている。覚悟を決めてやった事だ。」
過去の過ちを悔やんでいるからか、子供に（比較的）優しい。