『額と額』

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「熱はねぇな」

 体調不良で寝込む私、の、額に、彼の額がくっついた。
 至近距離で覗き込んだ彼の瞳が綺麗だったので、

「……かっこいいね」

 つい、そんなことを口にする

 彼は小さく笑ってから、「寝てろ」と言って私の目元を手で覆った。
 最後に呟いた「すきだよ」は、彼に届いたかどうか、定かでは、ない、