『夢』

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 都合の良い夢だ。
 大好きな彼が私の隣にいて、私に微笑みかけてくれて、

 私の名前を、呼んでくれて。

 この時間がずっと続けばいいと、そう思ってしまうほどの素敵な悪夢。

「ねぇ、私のこと、好きになってくれる?」

 それでも貴方は、夢の中でも嘘はつかなかった。