「ったく…なんでまたクロツルバミ城に向かわなきゃならんのだ」
「仕方ないだろう、小平太を連れ戻すためだ」
「本当はきり丸のアルバイトを手伝ってやる約束してたんだがなぁ…」

「あの…!本当に申し訳ありません!今回のお礼は必ず致しますので…!」
「礼などいらん!どうしてもというなら仙蔵に返してやれ!」
「私もいらん。寧ろ私が借りを作ったのだ」
「借り…?」
「どうやってこいつを丸めくるめたのかは知らんが、俺は認めてねーからな!ろ組は救出してやるがお前に手を貸すつもりは一切ない!」

「構いません…!私だってくノ一です!自分の身は自分で守ります!」
「ふん!」
「…やれやれ」

「小鈴…礼がしたいのなら、きり丸にしてやれ」
「きり丸くん…ですか?」
「ああ、きり丸は戦災孤児でな…アルバイトで生計を立てているんだ。あいつの予定を崩してしまったのは確かだから手伝ってやってくれ」

「わかりまし…たあっ」
「小鈴…?!」
「いたた…」
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です…」

「ほら…」
「なにやってんだよ…」
「ん?」
「どうした?」
「今ポツってこなかったか?」

「わ…雨?!」
「あの店で雨宿りさせてもらうぞ!」
「急に降ってきましたね…」
「通り雨だといいんだが…」
「雷まで鳴ってるぞ…」

「石に躓いて転んで…」
「急に天気が悪くなって雷雨になるなんて…」
「伊作がいるわけじゃねーのに…」
「何故こんな不運が…」
「はっ、まさか…!」

「いらっしゃいませー!って、あれ?立花先輩と潮江先輩…それに小鈴さんまで?!」
「きり丸…?!どうしてここに…」
「今日のアルバイト先なんすよ!先輩達こそ、今日任務なんじゃないんですか?」
「任務だよ、任務!仕事先に向かってたらこの有様だ!」
「急に降ってきましたもんね!あ、手拭いります?」

「はあい!手拭でえす!」
「お待たせしましたあ!」
「ああ、ありがとう…って、福富しんべヱ?!山村喜三太?!?!」
「あれえ?立花先輩じゃないですか!」
「どうしてここに?」

「我々は任務だが…お前達はどうして…」
「ぼくたちはきり丸のお手伝いでえす!」
「本当は潮江先輩達と約束してたらしいんですけど、断られちゃったみたいでえ…」
「ぼくたちが変わりに頼まれたんです!」
「「ねーっ」」

「お前達が変わりになるとは思えんが…」
「って、あー!潮江先輩じゃないですか!」
「きり丸すごく落ち込んでたんですからね!」
「先輩達に裏切られたーって!」
「悪かったって!この埋め合わせは絶対にするから!今は手拭をくれ!」

「あ、そうでした…」
「お姉さんもどうぞ!」
「ありがとうございます」

「そうだ!ご注文なんにします?」
「みたらし団子にごま団子に三色団子!たくさんありますよお!」
「いや、我々はお茶をしに来たわけでは…」
「せっかく手拭い貸してあげたのに…」
「ゆっくりしてってくださらないんですかあ?」

「ぐ…」
「お茶していきたいのは山々なんですが…実は追われているんです…」
「…!」
「えー!追われてるう?!むぐ!」
「バカタレ!忍びたるもの大声を出すな!」

「すみましぇん…」
「というわけで、持ち帰りにていいですか?今はゆっくりしている時間がないので…」
「わかりましたあ!」
「きり丸ー!ていくあうとだってー!」
「はいよ!」

「おい、気づいてたのか?」
「ええ…外に三人。こちらを監視しています」
「流石だな…」
「これからどうする?」
「立花くん達はクロツルバミ城に向かってください」

「お前はどうするつもりだ」
「私が奴らを引きつけます」
「一人では無茶だ、私が護衛につこう」
「私は大丈夫ですから…お二人は先を急いでください」
「そうは言っても、お前がいなければ音無蓮之介の要求が通らないだろう」

「彼らの狙いは恐らく私…生かすも殺すも組頭の指示が出るでしょう…」
「そうか、奴らは音無蓮之介の…」
「そういうことです」
「立花せんぷぁい!」
「お待たせしました!」

「それは私からの差し入れです。きり丸くんと三人で召し上がってください」
「えー!いいんですか!」
「お代はここに置いていきますね。おつりはいりませんから」

「では、先に行きます…」
「ああ…」
「気をつけろよ…」

「俺達もいくぞ」
「…ああ」


戻る 次へ
トップページに戻る