「ええっと…」
「すみません、お見苦しいところを…」
「いいえ!僕達こそすみません、間が悪くて…」
「うん、怪我はなさそうですね…」
「よかったですね、小鈴さん!」
「ありがとうございます…」
「それじゃ、僕達は戻るのでなにかあったら仙蔵に言ってください」
「わかりました…」
「おやすみなさい、小鈴さん!」
「…一人になりたいか?」
「え…」
「…そんな顔してる」
「ごめんなさい…」
「ま、そういう時もあるよな…」
「私は廊下にいるからなにかあったら声かけてくれ」
「ま、待ってください!」
「うわ」
「あ、あの…」
「うん?」
「外にいると風邪引きますし…」
「…」
「側にいてくれませんか…」
「…いいのか?」
「立花くんなら…」
「…明かり、消すか」
「消さないでください…真っ暗は怖いです」
「…そうか」
「…忍者失格ですよね」
「え?」
「…暗闇が怖いなんて」
「まぁ…向いてはないかもしれんな」
「…よく言われます」
「…姫様はどうされてますか」
「文次郎が別室で護衛しているが…」
「潮江くんにも迷惑かけてしまいましたね…」
「あいつは忍術学園一ギンギンに忍者している男だ…気にしなくていい」
「ふふ、そうですか…」
「…あの、立花くん」
「ん?」
「…ずっと気になってたんですけど借りってなんですか?私、何か貸しましたっけ」
「…覚えていないか?」
「え?」
「一年前…私がカキツバタ城に忍び込んだ時のこと」
「一年前…?」
「カキツバタ城の秘宝を奪えという実習をしてたんだが、伊作の不運に巻き込まれて失敗してな…」
「あ…あの時の…!!」
「なぜ、我々を見逃した?拘束する機会ならいくらでもあったはずだ」
「神鏡は無事でしたし、まだ素人のようでしたから…捕まえるのは可哀想かなと思いまして…」
「…ふっ、言ってくれる」
「す、すみません…」
「不思議なものだな…」
「はい?」
「あの時、対峙したお前とこうして向き合ってるなんて」
「…よく私だと気づきましたね」
「ああ、声でな」
「声?」
「カキツバタ城の暗闇で聞いた声と同じだったから…まさかと思ってたんだ」
「…声、ですか」
「どうした?」
「…確かに、そうですね」
「立花くんの声は落ち着きます…」
「え…」
「…すう」
「本当に…お前といると調子が狂う」
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