「おい、仙蔵」
「…なんだ」
「なぜあの女を気にかける」
「あの女、とは?」
「医務室で匿ってるあの女だよ。カキツバタ城のくノ一なんだって?」
「知ってるのか」
「知ってるも何も学園中の噂だぞ。保健委員会がくノ一を拾って来たってな…」
「そうか…」
「まさか、お前まであの女に関与してるとは思わなかったがな…」
「別に関与してるわけではない…ただ」
「ただ、なんだ」
「…あの娘には借りがあるだけだ」
「借りだと?お前が?」
「いつの話だよ」
「…さぁ?いつだと思う?」
「少なくとも、カキツバタ城が戦になる前だろうが…って、」
「あれは…」
「あ、おい」
「山田先生!」
「お前達…!伝子さんとお呼び!」
「も、申し訳ございません伝子さん…」
「あの…なぜ女装を?」
「見て分からんか?偵察中だよ。クロツルバミ城とドクタケ城が手を組んだという情報が入って来たのでな…」
「ドクタケ城が…?!」
「まだ詳しくは分からんが、カキツバタ城の姫君も連れ去ったというし、何を企んでいるのか…突き止めなければ」
「カキツバタ城といえば…」
「何か知っているのか?」
「今し方、忍術学園でカキツバタ城のくノ一を保護しています…」
「なんだと?」
「保健委員会が拾って来た娘で…名は確か…」
「音無小鈴と…仰っていました」
「な…小鈴だと?!」
「うわ!」
「びっくりした…」
「顔がでかいです、伝子さん…!」
「そこは声がでかいの間違いだろう、文次郎…」
「そんなことはどうだっていいんだよ!それより、今なんと言った?!小鈴と言ったのか?!」
「そうですが…お知り合いなんですか?」
「知り合いも何もうちで預かってた娘だよ…!そうか、生きてたのか…よかった…!」
「生きていた、とは…」
「三年前、急に姿を晦ましたんだよ。まだ十二になったばかりだというのに…」
「三年前…」
「こうしちゃおれん!さっさと仕事を終わらせて、学園に戻らねば!お前達も励めよ!」
「…かっこいいこと言ってるんだけどなぁ。あの女装、なんとかならんのか」
「もう手遅れだろう…それより、我々も手筈通りにやるぞ」
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