「伊作」
「あ、仙蔵…」
「今戻った」
「お疲れ様です…あの、姫様は」
「勿論調べてきました…姫様は無事です、生きています」
「よかった…!」
「厳重な警備のもと近づくことはできませんでしたが…」
「そうですか…」
「しかし、有力情報ならあります」
「な、なんですか」
「これです」
「これは…」
「学園長先生からのご指示なのでお伝えしますが、今回の忍務はクロツルバミ城城主、黒橡雪之丞の秘宝を狙えというものでした」
「秘宝?」
「その秘宝とはクロツルバミ城の神鏡と巻物と銘刀五振り…そして、私が奪ってきたものが…」
「それは…!」
「なにか知ってるの?」
「…姫様がお守りしていた鏡です。裏に五芒星の紋様があれば、姫様の私物で間違いありません」
「やはりそうでしたか…
「ああ…次の実習は六年ろ組だからな。小平太達にも姫君のことを伝えておこう」
「うん、頼んだよ」
「あ、あの!立花くん!」
「その…どうして急にそんなよそよそしくなってしまったのでしょうか…」
「…失礼ながら山田先生と話した際、貴女のご年齢を知ってしまいまして。いくら同い年といえど、こちらは学生の身。現役のくノ一に対して無礼を働いたことお許しください」
「そ、そうなんですか?」
「うん、僕達六年生は十五歳なんだよ」
「で、でも私はそんな大層な人間じゃありませんし今回お世話になっているのは私の方です。ここにいる以上、立場的には私の方が下ですのでどうかお気になさらないでください…!」
「…では、貴女も敬語を外されては?それなら考えます」
「これはその…クセみたいなものなんです」
「クセ?」
「実は幼い頃、伝蔵さん…山田先生の家でお世話になっていたことがありまして。その時に伝蔵さんが躾けてくださったんです。どこに行っても恥ずかしくないようにって…」
「…それ以前に根本的な部分が抜けているような気がするが」
「よく言われます」
「…お前といると調子が狂う」
「ご迷惑でしたら控えますが…」
「…いや、気晴らしになってちょうどいい」
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