「おい、カリム」
「うん?どうした?」
「もうすぐ期末テストだが…アズールには近づくなよ」
「へ?なんでだ?」
「嫌な噂を聞いたんだ…」

「噂?」
「テストで良い点が取りたいならモストロ・ラウンジへという踊り文句が広がっているらしくてな…」
「あ、それ私も聞いたことがあります…なんでも、ナイトレイブンカレッジ過去百年分のテスト出題傾向を徹底的に調べ上げ、自力で練り上げた対策ノートを作ってばら撒いているとか…」
「すげぇ!そんなんあったら楽勝じゃねぇか!」
「そこが問題なんだよ…」

「なんでだよ?」
「あの腹黒インチキ野郎がタダで虎の巻を明け渡すはずがないし…あいつと契約したら最後…アジーム家の名に傷がつく!」
「そこかよ?!」
「一大事だぞ?!万が一にでも条件を満たせず契約違反を犯し、アジーム家の長男が同級生に騙されたなんて知られたら、俺が叱られるだろう!」
「んー、そんなに悪いもんなのかなぁ…俺はちょっと興味あるけど…」

「興味を持つな!少しくらい警戒しろ!毒だと思え!」
「毒って…そんな大袈裟な…」
「あいつと契約するくらいなら俺が教えてやるから…!今から勉強するぞ」

「えぇっ!そんな急に言われても…」
「じゃあみんなでテスト勉強しましょう!寮生全員で教え合ったら、きっと楽しいですよ!」
「お!それいいな!早速みんなに集合かけてくるぜ!」

「はぁ…助かったよ、アディラ」
「ふふ、それほどでも…私も勉強道具持ってきますね」
「あと、香水も…」
「え?」
「…いつものやつがいい」

「き、気づいてたんですか?」
「当たり前だろう…お前らしくない香りだなと思ってた」
「実はキングスカラー様に女みたいな匂いしやがってと言われてしまって…性別を誤魔化すために、香水で消してたんです」
「確かにレオナ先輩の嗅覚は鋭いからな…他のものを用意しておくか」
「えっ…私がユニーク魔法で作っちゃいますよ?」

「お前、この間もユニーク魔法使ったんだって?監督生のために…」
「ど、どうしてそれを…」
「ラギーが世間話のネタにしてたぞ…アディラがユニーク魔法で監督生を治してくれて、俺達には月の欠片とブレンドした特効薬を用意してくれたって…」
「…」
「…そんなにユニーク魔法を使ってると、いつかオーバーブロットするぞ」

「そう、ですね…気をつけます」
「…よし。じゃあテストが終わったら買い物にでも行くか」
「えっ…」
「勿論、二人きりで」
「…!楽しみにしてます!」


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