01

「暗遁、特異点」

ふと目を覚ますと闇の中にいた。

「終わったな…」

どうしてこんなことにっているんだっけと記憶を遡っているとどこか呆れたような同期ー…ネジの声が聞こえる。

「ナツメー!しっかりしろー!」

そんな言葉をかき消すように、彼の声が響きたわってきた。

「まだ終わっちゃいねぇぞー!」

まだ終わってないの?もう終わらせてよ。と内心では悪態ついているが、主人公の声がそうさせてくれない。

「うぅ…」

暗遁術の闇に囚われたナツメは、一人過去の記憶と戦っていた。





「ナツメ」
「ネジ…」
「シオリ先生が探し回っていたぞ…」

ちちちという小さな囀りと共に自由な青空を飛んでいく小鳥を見つめていると、どこか聞き慣れた声が聞こえてきた。ふと体を起こすと、そこには同期がー…日向ネジがいたのだ。

「どうでもいいよ、テストの点数なんて…」
「三代目に認めらたいんじゃないのか?」
「もう十分認めてもらってる…私が見返したいのはお爺様じゃなくて…」

今日も今日とてテストの点数にうるさい担任から抜け出してきたばかりだという方のに、よりにもよってネジに見つかってしまうとは。流石白眼使い。ついてない。

「お前がやっているのはただのかまってちゃんだ」
「じゃあどうすれば…!」
「自分で考えろ…」

もっと明遁術の制度を上げないとなぁとため息を落としていると、そう言い捨てていった白眼使いー…否、ネジ。自分で考えても分からないから困ってるのにと悪態ついたナツメはもう一度、大木に背を預けた。





「ナツメー…」

そのまま瞳を閉じて眠りにつきたかったのに、どこからともなく響き渡ってくるのはー…。

「ナツメー!しっかりするってばよー!」

この物語の主人公ー…うずまきナルトの声だ。

「う…」
「確かにお前ってばオレよりバカだし落ちこぼれだけど、こんなところで終わるようなたまじゃなかっただろー!」
「るさいわね、ばかナルト…」

確かにナルトより勉強嫌いだし、シカマルより面倒臭がりだけどそんなこと言われなくたってわかってる。

「意識が…!」
「戻った…」
「明遁、光明神」

こんなところで終わるつもりはないと意識を引き戻されたナツメは指先にチャクラを込める。そして、苦無を取り出し、切先に光を集め、思い切り闇を切り裂いた。

「なっ…」
「使えるものは何でも使う。これって忍者の基本だよね」
「くそっ…!」
「きゃー!ナツメさんかっこいいー!」
「そのままいけいけー!」

苦無の切先に光を集め、剣として扱ったのだ。ナツメの明遁に対し、闇隠れの里の忍である蜂須賀黒曜が術を放ってくる。

「暗遁、暗黒物質!」
「土遁、土竜壁!」
「なっ…」

相手の攻撃を土遁で弾き飛ばして大きく跳ね除ける。一瞬で距離をとったナツメは指先に力を込めて、光の矢を放った。

「明遁、光琳波!」

光の矢に貫かれた蜂須賀は白目をむいていた。戦闘不能となった相手を確認した審判は即判決を下す。

「コホ…勝者、猿飛ナツメ」
「やったー!」
「お前はちゃーんとやればできるやつだって知ってたってばよー!」
「なに偉そうなこと言ってんのよ、バカナルト!」
「はは、は…」

これで次の試験にいけるー…と誰もがそう思ったその時。ナツメはふらりと傾いた。

「ナツメ!?」
「大丈夫か!?」
「もう、むり」
「コホ…勝者、戦闘不能によりこれ以上の出場は棄権と判断する」
「なんでだってばよー!?おいコラナツメー!目ぇ覚せってばよー!」

確かにナルトの言う通り、ナツメは''やればできる子''ではあるが持久力が少なすぎる。スタミナが少ないのが唯一の弱点だった。