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天秤が傾いた
その女は「バランスの執行者」と呼ばれていた。
世界を視る目はとうの昔に失っていたが、その代わりに星と語る術を持っていた。
星は世界。
世界は星。
世界を視る術を持たぬ女は星と語らい世界を見た。
世界の豊かさを。
世界の貧しさを。
世界の陰と陽を。
そして、世界の「バランス」を。
「ああ、あれは天魁星」
先駆けの星。
赤く、強く輝く導者の星。
動乱の象徴。
傾いたバランスを元に戻す者。
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