死に愛された少年

その少年は「死」に愛されていた。
おそらくそれは、少年が生まれるその前から。
 
少年は「死」のすぐそばに生まれ落ちた。
 
まるで未来を暗示するかのように。
まるで「死」の器であることを示すかのように。
 
捨ててもなお「死」は少年を追ってきた。
 
手放してもなお「死」は少年と繋がっていた。
 
そして、最後は「死」の中に。
 
「死」に愛された、
呪われた運命を持つ太陽のような少年。

ALICE+