「体育祭…!」

「クソ学校っぽいの来たぁぁ!!」

「待って待って!敵に侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?」


「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示す…って考えらしい。警備は例年の五倍に強化するそうだ。何よりウチの体育祭は……最大のチャンス。敵ごときで中止していい催しじゃねぇ」

「いや そこは中止しよう?体育の祭りだよ…」

「峰田くん…雄英体育祭見たことないの!?」

私は話には聞くけど見たことがない。
両親がバカバカしいと言って見せてくれなかった。

「あるに決まってんだろそういうことじゃなくてよー…」

なんだ結局峰田くんも見てるんじゃないか。


「ウチの体育祭は日本のビッグイベントの一つ!!かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂した。今は知っての通り規模も人口も縮小し形骸化した…。そして日本において今かつてのオリンピックに代わるのが、雄英体育祭だ!!」


「当然 全国のトップヒーローも観ますのよ。スカウト目的でね!」
とやおもも。
「知ってるってば…」
と峰田くん。

「緊張する」
と轟に言えば
「そうか?」
と言われた。強い。


「当然、名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。時間は有限、プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ」

これはとても重要な機会というわけか。

「年に一回…計三回だけのチャンス。ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ!」
















* * *

そして昼休み。

「あんなことはあったけど…なんだかんだテンション上がるなオイ!!」
「活躍して目立ちゃプロへのどでけぇ1歩を踏み出せる!!」

みんなものすごくノリノリだ。


「顔がアレだよ麗日さん!!?」

緑谷くんの声が聞こえた方を見ると、お茶子ちゃんがものすごく麗らかじゃない顔をしている。

「皆!!私!!頑張る!」
「おおーーーけどどうした キャラがフワフワしてんぞ!!」

キャラはフワフワしてるけどこのお茶子ちゃんはゴリゴリしてるなあと失礼なことを思った。



「………とろろお昼行こ」
「あぁ」








今日も今日とて私たち蕎麦の列に並んでいる。
すると、後ろからお茶子ちゃんと飯田くんの声が聞こえてきた。

「蛙吹くんが言ってたように超絶パワーも似ているし、オールマイトに気に入られてるのかもな。さすがだ」


「ほーん、なるほどー。やっぱ似てる個性の生徒は先生も気にかけてるんかなあ………ってとろろ顔怖いよ!?」

轟の目付きが少し鋭かった。

「あー、わかった!さてはとろろ、そうか?なんて言っておきながら体育祭に緊張してるんやな?」

違うとは思うけどこれでなんとか落ち着いて欲しいという気持ちでふざけてみた。

「それは違う」
と素っ気ない言い方をされたものの、雰囲気が柔らかくなった。
良かった。












* * *

そして放課後。

「うおおお…」

「何ごとだあ!!!?」


やけに廊下がザワザワしていると思ったら、爆豪くん曰くモブ(失礼だ)の敵情視察らしい。

「敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな。体育祭の前に見ときてえんだろ」

「意味ねェからどけ モブ共」

爆豪くんはやっぱり怖いな。
緑谷くんはアワアワしているし、飯田くんはモブ発言を注意している。


「どんなもんかと見に来たがずいぶん偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」

他の人より頭一つ分大きい紫色の髪の人の発言に、緑谷くんと飯田くんが慌てて首を振っている。

「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ。」

爆豪くんのせいでクラス全員が悪い印象を抱かれてしまったようだ。

「普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴けっこういるんだ。知ってた?体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ………」

そうだったのか。
落ちたらどうしよう。
私は入試の時だって出遅れだし、USJでも1人何も出来なかったから自信がない。


「敵情視察?少なくとも俺は、調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」

この人も爆豪くんに劣らぬ大胆不敵っぷりだ。


「隣のB組のモンだけどよぅ!!敵と戦ったっつぅから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!エラく調子づいちゃってんなオイ!!!本番で恥ずかしい事んなっぞ!!」

どうしてくれるんだ爆豪くん。

当の爆豪くんはグイと人々を押しのけて帰ろうとしている。

「待てコラどうしてくれんだ、おめーのせいでヘイト集まりまくっちまってんじゃねぇか!!」

そうだそうだ!

「関係ねえよ………」
「はあーーー!?」

「上に上がりゃ関係ねえ」


「く……!シンプルで男らしいじゃねえか」
「上か…一理ある」

「騙されんな!無駄に敵増やしただけだぞ!」

「うおお、かーーーっくいーーー!」
「豹野まで!んでまた何でそんなテンション上げてんだ!?」

「っああでも……」
「なんだ急にテンション下がったな!?」

「上鳴くんいちいちツッコミしぃなや」

落ち込んだ上鳴くんは放っておく。

「私、活躍する自信ない…。普通科に編入されることになったらどうしよう〜なあとろろ〜」

「?豹野は強ぇと思うぞ?ガッツもある」

「うそだァ」