『どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!?敵の襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!ヒーロー科!!1年!!!A組だろぉぉ!!?』
「や、やおももどうしよ!!めっちゃ持ち上げられてるで!?私、全然鋼の精神なんて持ち合わせてへんのにぃ…!」
「まだらさん、落ち着いてください。放送をそこまで注意深く聞く人はそんなに多くないですから」
「し、辛辣や…。でもありがと、やおもも」
生徒たちが並び終わると、台に上がっているミッドナイト先生がピシャンと鞭を打ち鳴らし、言った。
「選手宣誓!!」
「18禁なのに高校にいてもいいものか」
「いい」
「静かにしなさい!!」
常闇くんと峰田くんの会話がどうやら聞こえていたようだ。
18禁だけどミッドナイト先生はカッコイイから私は大好きだ。
「選手代表!!1-A爆豪勝己!!」
「え〜〜かっちゃんなの!?」
「あいつ一応入試一位通過だったからな」
じゃあ爆豪くんは頭も良くて戦闘も出来るすごい人だということか。
「せんせー 俺が一位になる」
「絶対やると思った!!」
さすが切島くん、いつも爆豪くんと一緒にいるだけあってやると思ってたんだ。
学年中からのブーイングに対して爆豪くんは
「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」
と言い、首の前で親指を下に向けてクイッと動かした。
柄が悪い。
「さーてそれじゃあ早速第一種目行きましょう!いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者がティアドリンク!!」
「…ティアドリンク」
「まだらさん」
「ごめんなさい」
「さて運命の第一種目!!今年は…コレ!!!」
ミッドナイト先生が指した先のモニターには障害物競走と書かれている。
「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周約4km!」
大変だ!私は瞬発力や瞬間的なパワーは個性のおかげで問題ないが、持久力はからっきしだ。
ほぼ毎朝ジョギングはしたけれど、そんな劇的な効果は見込めないだろう…。
「我が校は自由さが売り文句!ウフフフ…コースさえ守れば何をしたって構わないわ!」
ということは絶対に開始した直後に轟が氷漬けにするだろう。
「さあさあ位置につきまくりなさい…」
「スタ────ト!!」
私は跳ね上がって人々の肩や頭を踏み台にしてゲートの天井付近を通過した。
「甘いわ轟さん!」
「そう上手くいかせねえよ半分野郎!!」
やおももと爆豪くんだ。
他の人たちも乗り越えている。
と、峰田くんを入試の時の仮想敵が吹っ飛ばした。
『さぁいきなり障害物だ!!まずは手始め…第一関門 ロボ・インフェルノ!!』
辺りがザワついているが、轟がいの一番にロボットを凍らせた。
不安定な体勢のロボットはすぐに倒れ壊れた。
暫くどうしようか考えた後、爆豪くんがロボットの頭上を通ったことにインスピレーションを得て、こちらに迫ってくるロボットの腕を駆け上って背中を伝って降りた。
ここでわざわざロボットを倒すと後々持たないかもしれないと考えてのことだ。
『オイオイ第一関門チョロイってよ!!んじゃ第二関門はどうさ!?落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな!! ザ・フォール!!!』
このくらい綱を渡らずとも、道を選べば跳んで渡れる。
私にとっては得意分野だ。
ピョンピョンと楽に渡って3分の2程に到達した時、
『先頭が一足抜けて下はダンゴ状態!上位何名が通過するかは公表してねえから安心せずにつき進め!!そして早くも最終関門!!かくしてその実態は────…一面地雷原!!!怒りのアフガンだ!!地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!!目と脚酷使しろ!!』
というアナウンスが聞こえてきた。
急いで第二関門を通過し、第三関門。
跳んだ先に地雷があっては嫌なので、普通に走ることにした。
確かに地雷の位置はわかる。
耳を塞いでただ走った。
先頭からそう遠くはない、と必死に走っているその時、耳を塞いでいても聞こえる大爆発が後ろの方で起こった。
と思うと緑谷くんが私の頭上どころか、先頭2人の頭上を追い越して行った。
暫くして私もなんとか上位キープのままゴールインした。
順位は14位。なかなか良いと思う。
「予選通過は上位42名!!!残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい!まだ見せ場は用意されてるわ!!」
「そして次からいよいよ本選よ!!ここからは取材陣も白熱してくるよ!キバリなさい!!!さーて第二種目よ!!私はもう知ってるけど〜〜〜…何かしら!!?言ってるそばからコレよ!!!!」
モニターには騎馬戦と書いてある。
2〜4人のチームを組んで騎馬を作る。ポイント稼ぎ方式らしい。
私は誰と組もう……と考えているうちに轟も爆豪くんも、強そうな人頭の回りそうな人はみんな他と組み始めている。
緑谷くんといたら狙われるので怖くて声がけ出来ない。
そうだ!あの人なら!
「おーいそこの紫の人!」
「…俺?」
「良かったら組まん?宣戦布告しに来た時にすごく自信ありげやったから、組めそうかなって思って」
「A組の他のやつは?」
「強そうな人とか頭良さそうな人みんなもう組んでたし、って尾白くんもおったの?あれ?尾白くーん?」
目の前で手を振っても反応がない。
もしやこの人の個性って……
「俺の個性は"洗脳"。お前は?」
「豹。身体能力とかが抜群になるねん。爪も伸びる。足音消せる」
「ふーん。じゃあお前は洗脳しないけど言う通りに動いてよね」
「うん」
尾白くんには申し訳ないが、ここからはクラスメイトさえ敵なのだ。
今は利己的に動かないと!
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