『TIME UP!』
すごい。心操くん(後で教えてくれた)はとてつもない策士だ。
『早速上位4チーム見てみよか!!』
終盤まで0ポイントのままでいて、
『3位鉄て…アレェ!?オイ!!!心操チーム!!?』
一気に奪って3位だなんて!!
「心操くんすごいな!策士や!声掛けて良かったよ」
「じゃあ決勝で」
「あれっ待って豹野さん、君は…」
「ごめん尾白くん。私洗脳かかってへんねん、普通に心操くんに声掛けた」
* * *
「やおももー、響香ちゃーん、お昼一緒にいい?」
「もちろんですとも!」
「あれ?いつもまだら、轟にくっついてんのに今日どしたの」
くっついてるって言い方……。
「今日とろろピリピリしてるやん、なんか怖くて話しかけれんよ」
やけに緑谷くんに突っかかってるし、いつもは一緒にいて安心感があるけど今日は違う。
やおももと響香ちゃんと話していると、峰田くんと上鳴くんがやって来た。
「午後は女子全員ああやって応援合戦しなきゃいけねえんだって!」
「聞いてないけど…」
「信じねぇのも勝手だけどよ……相澤先生からの言伝だからな」
ご飯を食べた後、やおももの出したチアガールの衣装とウインドブレーカーをトイレで着る。
でもどうやら嘘だったようだ。
やおももが落ち込んでいる。
峰田くんと上鳴くん許すまじ。
『さァさァ皆楽しく競えよレクリエーション!それが終われば最終種目』
『進出4チーム総勢16名からなるトーナメント形式!!一対一のガチバトルだ!!』
「それじゃあ組み合わせ決めのくじ引きしちゃうわよ。組が決まったらレクリエーションを挟んで開始になります!レクに関して進出者16人は参加するもしないも個人の判断に任せるわ。息抜きしたい人も温存したい人もいるしね」
私は参加しないでおこう。
体力の回復などをしなければならない。
「んじゃ1位チームから順に…」
「あの…!すみません」
ミッドナイト先生の言葉を遮って手を挙げたのは尾白くんだ。
「俺、辞退します」
なるほど、心操くんの洗脳にかかっていたからか。
「騎馬戦の記憶…終盤ギリギリまでほぼボンヤリとしかないんだ。多分奴の"個性"で…」
やっぱりだ。
「チャンスの場だってのはわかってる。それをフイにするなんて愚かなことだってのも…!でもさ!皆が力を出し合い争ってきた座なんだ。こんな…こんなわけわかんないままそこに並ぶなんて…俺は出来ない」
「気にしすぎだよ!本戦でちゃんと成果を出せばいいんだよ!」
「そんなん言ったら私だって全然だよ!?」
透ちゃんと三奈ちゃんが声を掛ける。
「違うんだ…!俺のプライドの話さ…。俺が嫌なんだ。あと何で君らチアの格好してるんだ…!」
「僕も同様の理由から棄権したい!」
B組の人だ。
「実力如何以前に…何もしてない者が上がるのは、この体育祭の趣旨と相反するのではないだろうか!」
切島くんが
「なんだこいつら…!!男らしいな!」
と感動している。
「そういう青臭い話はさァ… 好み!!!庄田 尾白の棄権を認めます!」
鉄哲という人と塩崎という人が繰り上がった。
私の初戦は三奈ちゃんだ。
* * *
『ヘイガイズアァユゥレディ!?色々やってきましたが!!結局これだぜガチンコ勝負!!頼れるのは己のみ!ヒーローでなくともそんな場面ばっかりだ!わかるよな!!心・技・体に知恵知識!!総動員して駆け上がれ!!一回戦!!成績の割に何だその顔!ヒーロー科緑谷出久!!バーサス、ごめんまだ目立った活躍なし!普通科心操人使!!』
きっと尾白くんが忠告してくれたであろうのに、緑谷くんは洗脳された。
これはもう心操くんの勝ちだと思う。
現に心操くんの命令に従って緑谷くんは場外へと歩いている。
しかし場外へ出るかと思われたその瞬間、緑谷くんの個性が暴発した。いや、暴発させたのだろうか。
振り返った緑谷くんは、心操くんの言葉に返事はせずに、心操くんを背負い投げた。
「心操くん場外!!緑谷くん二回戦進出!!」
緑谷くんもなかなかにカッコ良かったけど、心操くんもあれはヒーロー科に在籍すべき人だと思った緒戦だった。
次の瀬呂くん対轟は、すぐに決着が着いた。
ビルを凍らせるくらいだからかなりすごいとは思っていたが、建物の高さを超える程の大氷壁をだすなんて。
凍らせた瀬呂くんを溶かしている轟はやっぱり悲しそうで辛そうで、見ていられなかった。
上鳴くんと塩崎さんは、塩崎さんが放電を防いで瞬殺だった。
ここで私は控え室に行く。
飯田くんと発目さんの試合も終わったようだ。
そして次は私の試合。
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