「三奈ちゃん!負けんよ!」
「私も負けるつもりないよ!」
『スタート!!』
三奈ちゃんの溶解液を撒き散らされては満足にフィールド内を動き回れないので早く決めなければ。
大きく跳躍して三奈ちゃん自身に攻撃すると見せかけて三奈ちゃんの後ろに着地した。
その瞬間に三奈ちゃんの肩を後ろ手に掴んで思いっ切り走って背負い投げした。
緑谷くんの背負い投げからインスピレーションを得たのだが、なかなかに上手く決まって、場外へ投げ出せた。
「豹野さん、二回戦進出!!」
三奈ちゃんも私も特に怪我などはなかったので一緒にA組の席に戻ると、もう常闇くんとやおももの試合の決着は着いていた。
そして切島くんと鉄哲くんの試合。
両者ダウンで引き分け。
切島くんらしい熱い試合だったが、鉄哲くんと切島くんはどうやら個性が被っているだけでなく実力もほぼ互角らしい。
一回戦の最後は爆豪くんとお茶子ちゃんだ。
お茶子ちゃんは負けてしまったけれど、それでも爆豪くんに警戒されながらあそこまでやり切ったお茶子ちゃんは強い。
お茶子ちゃんは倒れる寸前まで闘志に燃えていて、カッコ良かった。
切島くんと鉄哲くんの再試合は腕相撲対決だった。
鉄哲くんの金属疲労が来る方が早くて切島くんが勝った。
そして、轟対緑谷くん。
開始した瞬間に氷結を緑谷くんが打ち消した。
その後も緑谷くんが打ち消し続けたが、緑谷くんがどこ見てるんだと叫んでから変わった。
轟の動きが鈍くなって緑谷くんが一発入れた。
そして緑谷くんが次々に叫んだ言葉が響いたのか、轟が左側を使った。
「三奈ちゃん……泣いとる……」
「ほんとだ轟泣いてる!良く見えたね」
「緑谷くんって、すごいなあ」
緑谷くんが轟を変えた。救ったのだろう。
最後は緑谷くんが場外で負けを取られた。
しばらくのステージの補修の後、飯田くんと塩崎さんの試合が開始する前に私は控え室に向かった。
常闇くんはやおももを一瞬で下した実力の持ち主なので些か不安ではあるが、お茶子ちゃんだって戦闘センスの塊で強個性の爆豪くんに勝つために立ち向かっていったのだ。
私だって負けていられないし、全力で勝つつもりで常闇くんと戦わなければならない。
結局、常闇くんの勝利に終わった。
これといった策は思いつかなかったので、攻撃が単調にならないようには気を付けつつ猛攻を仕掛けたがじわじわと黒影に追いやられていたようで、着地場所で場外を取られた。
もっと自分の足元に気を付けていればと悔しく思ったが、こんなミスをしなくても常闇くんには負けていただろう。
また怪我はなかったのでリカバリーガールのお世話にはならずに席へ戻った。
もうすでに切島くんと爆豪くんの試合は始まっていたが、まだ続いていた。
切島くんに爆豪くんの攻撃は効いていないように思えたが、爆豪くんの絶え間ない爆撃により切島くんの硬化の限界が来て爆豪くんの勝ちとなった。
飯田くんと轟の試合は、轟が飯田くんのマフラーを凍らせて詰まらせ、轟が勝利した。
爆豪くんと常闇くんの試合では、常闇くんの降参で爆豪くんが勝ち上がった。
そして決勝、轟と爆豪くん。
轟は左側を使うことなく場外で気絶、爆豪くんは気絶した轟を責め立てようとしたところをミッドナイト先生に眠らされたまま優勝を告げられた。
表彰式。爆豪くんが拘束されている。
起きてからずっと暴れているそうだ。
常闇くんの
「もはや悪鬼羅刹」
という呟きが聞こえてきたが、否定の仕様もない。
オールマイト先生によるメダル授与では、爆豪くんの恐ろしい顔と恐ろしいほどの"1番"への執着を見た。
爆豪くんのストイックさは尊敬に値すると思った。顔が怖いけれど。
教室に戻ると、相澤先生から明日明後日は休校だと言われた。
プロからの指名もまとめておいてくださるそうだ。
私への指名は果たして来ているのだろうか。
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