体育祭の翌日。
普段よりは多く睡眠時間を取ったものの、休むといっても日中は暇だと思い、ジョギングをしてから夕飯の買い物でもしようと外へ出た。
筋肉痛で全身がバキバキだけど、動かした方が早く治ると聞いたこともあるしなあと思いながらいつもよりは短めのコースを走る。



ジョギングを終わりにして、スーパーで某うどんスープとうどんの麺を買った。
豪勢な料理を作るのは面倒なので、まだ台所に立つ時間が少なくても済むうどんに浮気をするのだ。


スーパーからの帰り道、前方に紅白頭が見えた。
もしや轟かと思って追いかけるとやはり轟のようだった。

「とろろちゃん!こんちわ!」

「!豹野。……びっくりした」

「お出かけしてたん?」

「お母さんに会いに行った」

とても優しい顔でお母さん、と口にするので轟にとってお母さんは会えて嬉しい人、会ってよかった人なのだろう。
会うということは家にいないのだろうか。
と思っていると、
「お母さんは入院してるんだ」
と言われた。

そこから個性婚で生まれたこととお母さんに煮え湯をかけられたこと、そして緑谷くんにきっかけをもらったことを簡単に聞いた。

「なんか重大な話聞いてしまってごめんな…。でもやっぱ緑谷くんすごいなー!まさしくヒーローって感じや!」

「そうだな」

「とろろの顔つきも全然違うもん。体育祭の時すごい怖かったけど、その時よりっていうかその前よりも優しい顔んなっとるよ」

眼光の鋭さがなくなっている。
以前にも増して安心感のある雰囲気だ。



「あ、そうや!私な、今日はうどんに浮気するねん!」

「……そうか」

至極どうでも良さそうに言われた。
目も合わせてもらえないので少し不貞腐れながら
「冷たいなー」
と言ってやった。




「じゃあ豹野、また明後日な」

「うん、明後日のお昼はちゃんとお蕎麦食べるから」




轟と挨拶を済ませて家に帰った。



夕飯のうどんを食べながら、やっぱりランチラッシュの蕎麦の方が好きだなあと考えていた。