「始めようか有精卵共!!!戦闘訓練のお時間だ!!!」
戦闘訓練。ヒーロー科だからこその授業であり、実はかなり楽しみにしていた。
「うおお…!!」
緑谷くんが叫んでいる方を見れば、∞の子がいた。パツパツスーツだ。
…すごく可愛いと思う。
ここは入試の時の市街地を模した演習場だが、真に賢しい敵は屋内にひそむとのことで、屋内での対人戦闘訓練をするそうだ。
「状況設定は『敵』がアジトに『核兵器』を隠していて、『ヒーロー』はそれを処理しようとしている!」
アメリカンな設定だ。熱血なアメコミ映画が大好きなのでわくわくする。
「『ヒーロー』は制限時間内に『敵』を捕まえるか『核兵器』を回収する事。『敵』は制限時間まで『核兵器』を守るか『ヒーロー』を捕まえる事。コンビ及び対戦相手はくじだ!」
私はIチーム、3人のチームになった。
最初の対戦はAコンビとDコンビ。
「さあ君たちも考えて見るんだぞ!」
怖い人ーー爆豪くんは、昨日も見たけど爆破の個性だ。これは戦闘においてかなり有利な個性だと思う。
そのペアの飯田くんも足がとても速いようなので、勢いを利用した攻撃や核兵器の守護がしやすいだろう。
一方緑谷くんはあんなふうに体が壊れるなら、使用回数も限られるし正確に個性をコントロールしなければならない。
∞の子、麗日さんの個性は浮かすのだったと思う。あまり戦闘向きではないと考えられる。
この勝負、敵チームが勝つ可能性の方が高そうだ。
結局、爆豪くんと緑谷くんがギスギスしてたけど、1人で突っ走った爆豪くんに対して緑谷くんはある程度頭を回して麗日さんとの連携プレーによって勝利した。
緑谷くんは保健室に運ばれ、麗日さんと爆豪くんと飯田くんがモニタールームへ戻ってきた。
八百万さんのわかりやすいけど心を抉るような解説を聞いて爆豪くんはとても静かに、麗日さんは申し訳なさそうに、飯田くんは感動していた。
所変わって、次はBコンビと私たちIチームだ。私たちは敵。
チームのメンバーは透明人間の葉隠さんと尻尾のある尾白くんだ。
「尾白くん豹野さん、私ちょっと本気出すわ。手袋もブーツも脱ぐわ」
「……えっちだ」
「こら豹野さん!言わないの!」
小声で言ったのに尾白くんに怒られてしまった。葉隠さんには聞こえていないようだった。
私も裸足になると足音を消せるので、靴を脱ぐ。
スタートの声が聞こえると同時に建物が全て凍った。床も凍った。
足が床とくっついたまま凍って剥がすことが出来ない。
「動いてもいいけど、足の皮剥がれちゃ満足に戦えねえぞ」
部屋に入ってきた轟が言う。
「足の皮剥がれたくらいで戦いを放棄する方が馬鹿やん!」
「!?」
長く伸ばした爪で足の周りの氷を少し削り、思いっきり踏ん張って跳ぶ。足の皮は確かに剥がれたしとても痛いが、意識が飛ぶほどじゃない。
天井のパイプに捕まり、身体を揺らした反動で轟に向かって飛び降りた。
肩をつかめる!
「っらぁ!!」
その瞬間。避けられて私は床にダイブした。
つるつる滑る氷の上でもたついているうちに轟は核兵器を回収していた。
「ぐっ……とろろくそ強い……」
「ヒーローチームWIN!!」
「悪かったな。レベルが違いすぎた」
足の皮が剥がれていて歩けない私を見かねて、葉隠さんが背負ってくれた。
その後保健室に向かい、寝ている緑谷くんの横でリカバリーガールに治癒をしてもらった。
避けられた場合にどう動くかなんて、全然考えていなかった。すごく悔しい。
轟の個性はすごく強いが、いつかあれに負けないくらい私も強くなろうと決心した。
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