階段が目の前に現れた。
ここは地下100階。つまり100階分の階段を登らねばならないのだろう。





「レオリオ大丈夫か!?」

「おう!!見てのとーりだぜ、なりふりかまわなきゃまだまだいけることがわかったからな!!」

レオリオは上半身の服を全て脱いでいる。

クラピカもそれに倣って上着を脱いだので、私もそろそろ暑いしと上着を脱いで腰に巻いた。



「レオリオ、1つ聞いていいか?」

「へっ体力消耗するぜ、ムダ口はよ」

「ハンターになりたいのは本当に金目当てか?」

なんと、レオリオは金目当てなのか。
まあ私も似たようなところはあるのだけれど。

「違うな。ほんの数日のつきあいだがその位はわかる。確かにお前は態度は軽薄で頭も悪い。だが決して底が浅いとは思わない。金もうけだけが生きがいの人間は何人も見てきたがお前はそいつらとは違うよ」

「ケッ理屈っぽいヤローだぜ」

「緋の目」

「「?」」

「クルタ族が狙われた理由だ」

クラピカはクルタ族なのか。
クルタ族の緋の目は世界7大美色。図書館で目を通した文献の中にあったはずだ。

クラピカは仲間達を襲った幻影旅団を捕らえる気だそうだ。
彼自身の誇りは仲間の苦しみに比べれば意味のないものだと言う。


「悪いな。オレにはお前の志望動機に応えられるような立派な理由はねーよ」

しかし2人の会話を聞いていると、どうやらレオリオは医者になるために金が欲しいらしいことがわかった。
充分立派だと思う。



「ついでに聞くが、ココロの志望動機は何だ?」

「私はついでなのー?まあいいや。ハンターって仕事は自分の知的好奇心や冒険への憧れを満たせるし、やりたいことやれるのに他人の役に立つでしょ?それかっこいーなーって思って。あと本当は来年受けるはずだったけど火事で親族全員死んじゃって1文無しになったから今年受けてるんだよ」

「ココロも身寄りがないのか…」

「いや、そんな暗い顔しないでよ!私が寂しがってたらみんな成仏できないし、ちゃんとハンターにならないと怒られるよ!」












地上への出口がようやく見えてきた。