「ヌメーレ湿原。通称"詐欺師の塒"。二次試験会場へはここを通って行かねばなりません。この湿原にしかいない珍奇な動物達。その多くが人間をもあざむいて食糧にしようとする狡猾で貪欲な生き物です」
なんと恐ろしい湿原。
「十分注意してついて来て下さい。だまされると死にますよ」
「おかしなこと言うぜ。だまされるのがわかっててだまされるわけねーだろ」
とレオリオは言うが、私は用心していてもだまされることはあると思う。
そしてこの時、大声が響いた。
「ウソだ!!そいつはウソをついている!!」
私達が出てきた出口の横から傷だらけの男が現れた。
「そいつはニセ者だ!!試験官じゃない、オレが本当の試験官だ!!」
どうにも嘘臭い。
試験官もハンターなのに、受験の地に選ばれるような場所でここまでの傷を負うわけがない。
しかし受験生には動揺している者が多いようだ。
「ニセ者!?どういうことだ!?」
「じゃ、こいつは一体…!?」
「これを見ろ!!」
男は猿の手を掴んで私達に見せた。
「ヌメーレ湿原に生息する人面猿!!人面猿は新鮮な人肉を好む。しかし手足が細長く非常に力が弱い。そこで自ら人に扮し、言葉巧みに人間を湿原に連れ込み、他の生き物と連携して獲物を生け捕りにするんだ!!そいつはハンター試験に集まった受験生を一網打尽にする気だぞ!!」
その瞬間、ヒュッと飛んだトランプが男の顔面に刺さった。
サトツさんの方を見ると、サトツさんはすべてのトランプを受け止めている。
男は倒れた。
「なるほどなるほど{emj_ip_0835}」
どうやらトランプを投げたのはヒソカらしい。
男に捕まっていた猿は死んだフリをしていたらしく、逃げ始めたところをまたヒソカのトランプによって倒された。
「これで決定{emj_ip_0836}そっちが本物だね{emj_ip_0834}」
サトツさんがトランプを指で弾いて捨てた。
「試験官というのは審査委員会から依頼されたハンターが無償で任務につくもの{emj_ip_0833}我々が目指すハンターの端くれともあろう者があの程度の攻撃を防げないわけがないからね{emj_ip_0835}」
「ほめ言葉と受けとっておきましょう。しかし、次からはいかなる理由でも私への攻撃は試験官への反逆行為とみなして即失格とします。よろしいですね」
「はいはい{emj_ip_0836}」
あれが敗者の姿ですとサトツさんが言ったのは、先程ヒソカに殺された男。
鳥に集られて食べられている。
「私をニセ者扱いして受験者を混乱させ、何人か連れ去ろうとしたんでしょうな。こうした命がけのだまし合いが日夜おこなわれているわけです。何人かはだまされかけて私を疑ったんじゃありませんか?」
レオリオとスキンヘッドの忍者が気まずそうな笑みを浮かべて頭を掻いている。
「それではまいりましょうか。二次試験会場へ」
「ねぇレオリオ!さっきだまされてたねー!!あっはっは」
「う、うるせぇ笑うんじゃねー!!」
怒鳴られた。
「にしてもヒソカすごいね!!トランプで猿倒しちゃったよ…。かーっこいーなー」
クラピカとレオリオの二人共にシカトされた。
しかもドン引きした目で見られた。
「レオリオー!!クラピカー!!ココロー!!キルアが前に来た方がいいってさー!!」
と、突然ゴンが前方から叫んだ。
「どアホー!!いけるならとっくにいっとるわい!!」
「そこを何とかがんばってきなよー」
「ムリだっちゅーの!!」
叫びあって会話をしているものだから、隣にいて少し恥ずかしくなってきた。
霧が一段と濃くなって来た頃、前方とはぐれたことに気づいた。
「知らねーうちにパニックにまきこまれちまったぜ」
「どうやら後方集団が途中から別の方向へ誘導されてしまったらしいな」
少し嫌な予感がしたので、背中のリュックに引っ掛けてある斧を引き抜いた。
その時、トランプが突然飛んできた。
私は斧をバトンのように回転させてトランプをすべて弾き返せたが、レオリオは肩に刺さったようで悲鳴をあげる。
「てめェ!!何をしやがる!!」
「くくく{emj_ip_0836}試験官ごっこ{emj_ip_0834}」
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