Long StoryShort StoryAnecdote

おかしなカレシ


 オレがガキなのかもしれないけど、と断りを入れながら小太郎(こたろう)が言う。
「オレ、正直セックスするのあんまり得意じゃなくて。キスしたり、抱きしめ合ったりするのは好きだけど……その、景(けい)くんのセックスってちょっと、怖いっていうか……」
 俺は景一(けいいち)の幼馴染みだから、あいつがバイなのは知っている。チンコの弄り合いなら俺もガキの頃にあいつとしたことがあるし、小太郎の前にも同性の恋人はいた。でも男も女もみんな、長続きはしなかった。
 小太郎はまだ18で、とても景一と……男と、ヤりまくってるなんて信じられないような清純そうな子だ。俺達の3つ下だけど、にしたって――少し下がり気味の眉や四六時中潤んでいるような黒目がちの瞳はまるで愛玩犬みたいだ。
「怖い?」
「際限が、ないっていうか……何時間も、何度もするからオレ、ぁ……頭おかしくなっちゃいそうで……」
 俯く耳は真っ赤だ。潤んだ瞳は今にも目玉ごと零れ落ちるんじゃないかってくらいで、あまりのいじらしさに俺は人のものながら手を伸ばしてしまいそうになる。
 2人の関係を知っているのは俺くらいだから、小太郎はわざわざ俺の家まで訪ねて来たんだろう。とはいえ、こんな話を赤裸々に語るのは彼の性分からすればよほど恥を忍んでのことだ。
 景一と俺の親しさを知らなかった彼は、俺と初対面の時にいきなり景一に関係を暴露され、終始目を丸くしたまま固まっていたのを覚えている。景一と付き合い始めたのもよくよく考えてのことなんだろうけど、なんであんなヤツにハマっちまったんだか。あるいは、その強引なところが子犬のような小太郎には合ってるのかもしれないけど。
「あいつ狂ってるからなぁ。どんなコトするの?」
「えっ」
 小太郎は初対面の時と同じように目を丸くして俺を見たが、あんなコトやこんなコトを頭の中で反芻したのかみるみるうちに茹でダコのように真っ赤になった。……まぁ、景一がこいつにハマっちゃったのはわかる気がする。
「あの、オレが……して欲しいんで、キス……してくれます。それから……か、身体中……舐めるところから始めて……」
 恥じらいながらも順序立てて説明してくれるって、どんだけ純粋培養だよ。俺は内心笑いを堪えながら、小太郎の羞恥心を刺激しないように真顔で頷く。
「景くん、耳の中とか、鎖骨?とか脇とか……ヘソとか、なんかそういう窪みになってるところ、好きみたいで」
「それから?」
「それから……あの、胸……の、」
「乳首か」
「あ……は、」
 小太郎は額に浮いてきた汗を手の甲で拭いながら、どこまで打ち明けたものかと戸惑うように曖昧な笑みを浮かべる。
 俺はだんだん悪戯心を擽られていることに気づく。
「それで?あいつ、どんな風にお前の乳首可愛がるの?」
「そ、そんなの……聞いてどうするんです?」
 さすがにガードに入ったかと思ったが、俺は悪びれもなく唇を窄め目を眇める。
「だって、それで俺に相談しに来たんだろ?景一があんまり異常なことお前に強いてるんなら、俺からあいつに言ってやるよ。そのためにはまず話を聞かなきゃ」
 小太郎はたじろぎコクンと息を飲んだ。手持ちのミネラルウォーターの残りを飲み干すと、躊躇いがちに口を開く。
「舌の先でオレの乳首、の先……突っついて焦らして、両方交互に円を描くみたいに舐めて、赤ちゃんみたいにチュウチュウ吸いついてきます。かと思ったら甘く噛んでくるし……オレ、もうそれだけで堪らなくて……っ、」
 小太郎はまるで景一の舌や歯の感触が肌に蘇ったかのように身を震わせると、ゆるゆると首を振った。
「その間にも景くん、繋いだ手でオレの手の指、こうやって擦ってくれるんです。景くんの手、おっきくてあったかくて、オレそれがすごく好きで」
 黒い瞳がうっとりと潤む。本当にこの子は手を繋いでキスするだけで十分幸せなんだな、てのがよくわかる。
 もっとも、景一の変態プレイのせいでセックスが苦手になっちまったのかもしれないし、俺は小太郎の悩みを最後まで聞き遂げる責任がある。キリッと居住まいを正すと俺はさらに畳み掛けた。
「で、その先は?乳首だけでイッちゃうんだ、小太郎は」
「ち、ちがっ! あ、ぅ……1度だけ……そうなっちゃったこともありますけど……け、けどその時は景くんが膝でオレの……っ!」
 言っている途中ではたと我に返ったか、湯気でも出すように赤くなって小さくなった。ホント、虐め甲斐のあるヤツ。
「いつもはそんなこと、しないですよ。ちゃんと手で優しく……あの、あったかい手で、オレの握って。キスしながらゆっくり、時間かけて丁寧にしてくれるんです。景くんの手の中で、オレ何度も……、ご、ごめんなさい」
「どうして謝る? ちゃんと聞いてるよ」
「なんか変です、俺……すみません、やっぱり帰ります」
 いきなり立ち上がりドアへ向かおうとした小太郎の腕を俺はすかさず掴む。思いがけない強い力に驚いたのか、振り向いた小太郎の目は微かに怯えの色を滲ませていた。
 その瞬間、完全に俺の中のスイッチが入った。俺は基質がサディスト寄りなのだ。こんな可愛い子犬が自分のテリトリーに入って来たら、ムクムクと湧き上がる嗜虐心を抑えられない。
 俺は小太郎の腕を引くとそのままベッドに放り投げる。先まで背もたれにしていただけのそこは使われるのを待ち侘びていたかのように、小太郎の軽い身体を跳ねさせスプリングを軋ませた。
「わっ……! な、何を、」
 起き上がってしまう前に、俺は小太郎の足の上に跨る。服の上から彼の股間を弄ると……ビンゴ。
「セックスの話してたら勃っちゃったんだ?」
 小太郎は少しゆったり目のパンツを無理矢理ベルトで引き絞って履いていたけど、その股間はしっかり膨らんでいた。
「こんなんじゃ帰れないだろ? やらしーなぁ」
「は、ぁっ……! あ、ごめ、なさい……っ」
 潤んだ瞳が忙しなく逃げ惑い俺から目を逸らす。俺は意地悪く笑うと景一がそうしたように膝を小太郎の股間に押しつけた。
「やぁっ……ン!」
「セックス、得意じゃないとか言ってなかった? そんな子がお喋りだけでこんなになるかね」
「ごめ、なさいオレ……っ、ホント悩んでて! 景くんのこと考えるだけでこんなになっちゃって……景くんのこと好きだけど、大好きだけど……何だかもう、怖くて、」
 小太郎は両腕で顔を覆った。声はやがて鼻声に、涙声に濁って、腕の隙間から目元に光るものが見えた。
「泣くなよ。俺がイジメてるみたいだろ」
「ごめんなさい……どうしたらいいか、わからなくて」
 間抜けといえば間抜けだけど、男子高校生の真摯な悩みには違いない。
「なぁ、俺がフツーのセックス教えてやろうか?」
「え……? ンっ!?」
 大きな目を見開く小太郎の唇を塞ぐ。口の中はトロトロ、苦しそうな息遣いが子供じみてて可愛い。
「んんッ……んッ!」
 俺の身体を撥ね退けようとする手が煩わしくて、その細い手首を乱暴に握り締めた。
「痛っ……!」
「おとなしくしてろよ。あいつに知られたくないだろ?」
 小太郎は恐怖に瞳を震わせると、途端におとなしくなった。よしよし、お利口さん。
「ひっ……ぃ、あ……ごめ、なさ……っ」
 震える小太郎の喉仏に食いつくように口づけ、首筋にもキスをする。耳の中、鎖骨の窪み……そんなところを舐める度に小太郎はビクビクと身体を震わせた。
「ごめ……景く……っ、」
 ああ、なるほど。親友の恋人を寝取るってこういう感じか。
 乱暴にシャツを捲り上げると可愛い乳首が顔を見せた。ははーん、こいつをいつも景一が可愛がってるわけねぇ。俺は狼みたいにシャツに噛みついてたくし上げると、乳首にむしゃぶりついた。
「ひああぁッ! やっ、やだ、やぁぁぁッ!!」
 途端に小太郎の抵抗が激しくなる。やっぱ弱いんだなーここ。なら尚更手加減なんかできない。
 舌先で敏感な実を突っついて、押し込むように強く舐る。あっという間に先っぽがツンと起って、ツヤツヤとしたピンク色に色づいた。
「やらし……景一に仕込まれてるだけあるわ」
「やだ、や……っ、お願いも、やめてください……、」
 ぐずぐずと泣き崩れた顔がまた嗜虐心を煽ってるって、どうしてわからないんだろうなぁ、この駄犬は。景一はもう少し躾した方がいいんじゃないか?
 チュウ、と乳首全体を唇で覆って吸い上げると、小太郎は背中を浮かせて震えた。押し当てていた膝が温んだのを感じて離すと、小太郎の股間にはじんわりと淡くしみができていた。
「あは、俺足動かしてねーのに。しっかり乳首だけでイッてんじゃん」
「違う……、違います……、」
「違くないだろ。ちゃんと現実見ろよ、メス犬」
 俺の言葉に傷ついたのか、小太郎は顔を強張らせると唇を噛み締めてまた新しい涙を流した。
「なんで……、景くんの親友なのに、どうして……」
「お前が誘ったんだろ? わざわざ人の家まで訪ねて来て、恋人とのセックスの話して勃起して。どう考えたってお前が悪いだろ」
 小太郎は目を瞑る。握り締めていた手首から力が抜けた。自分の愚行を省みたか、どうも諦めたらしい。抵抗してくれた方が燃えるんだけどな。
「景くん……ごめん、景くんオレ……ただ、……オレじゃ、景くんには物足りないんじゃないかって……」
 小太郎は涙声で訥々と言った。
「いつもオレばっかり気持ち好くて、景くんがイく頃にはオレ、意識飛んでるし……だから、もっと景くんに好くなって欲しくて、だから……っ」
「ホントお前って可愛い子犬だねぇ。そんなだから……。じゃあ俺が、景一が喜ぶように協力してやるよ」
「え……? え、あっ!」
 俺は再び小太郎の胸に顔を伏せると、胸郭の溝に舌を這わせた。白くて薄い皮膚の下、なぞればこいつの骨格が浮き出てくる。舌の刺激を受けて胸を反らせれば、肋骨が浮き出して俺の舌を誘った。その骨1本1本を愛撫するように舐めると、小太郎は間欠的な悲鳴を上げながらビクビクと痙攣する。そうしているとまるで、小太郎の身体の中、骨までも侵略してる気になってくる。景一がこいつの「窪み」を気に入っていたのが何だかわかる気がした。
「どうだ、気持ち好いか?」
「……っぅ、よ、くな……っ、け、くんじゃない……っあッ!」
 両手で乳首を摘まんでやりながら臍を舌で責める。こいつの臍の穴は深くて、グリグリと押せば腹の中まで届きそうだ。チュウチュウ吸い上げながらそのまま唇を降下させ、ズボンに行き当たると乱暴に引きずり下ろした。屹立し濡れた下着は引っかかったが、グイと引っ張ると先っぽから糸を引いて、漲ったチンコが露出した。
「やだっ、やめてくださいもう!」
「ここまで来てやめられるかよ。1人で気持ち好くなりやがって、景一が物足りないって思ってるならそういうところなんじゃねーのか?」
「……! ち、がう……っ、オレ、景くんとする時は我慢、して、」
 こいつが真っ赤になって身体捩りながら、イかないよう堪えてる姿は容易に想像できる。景一もそれを愉しんでる。今の俺みたいに。
「それじゃそのまま我慢してろ」
 小太郎のチンコの根元をぎゅっと握り締めると、俺は再び小太郎の胸に舌を這わせる。
「ああッ! いや、やぁあッ!!」
 元よりゲイじゃない俺はこいつに突っ込む気なんてなかった。俺は友情に厚い男なのだ。景一は狂っているが、あいつとの関係は壊したくない。
「いやっ……離してくださ……っ、あ、ああっ」
 俺が乳首をしゃぶる度に手の中のチンコがビクビクと痙攣する。出したい、出したい! そう訴えているみたいに。
 俺は構わずに乳首を可愛がって、悲鳴があんまりうるさいからまた唇で塞いだ。手で胸を揉んでやりながら、フゥフゥと荒い息でもがく小太郎が可愛い。
 ――なんて余裕こいて愉しんでたら。
「いッ――!」
 俺は口内に走った痛みに唇を離し身体を起こした。痛みの走った口元に手をやると、指先に赤いものが滲む。なんと、愛玩犬に噛みつかれたのだ、
 小太郎は荒い息を吐きながらも必死の形相で俺を睨んでいた。
「ふはっ……お前ってホント、人を煽る天才?」
「お願いだから、もうやめてください……!」
 俺は溜め息をつくと、近くにあったスマホを手に取った。
「いやー、お前のこと、俺別にそういう風に好きじゃないけどさ。景一の親友として使命感を感じちゃったよね。悪く思わないでくれよ」
「え……? あ、の……お、オレの方こそ、すみません……。家まで来てこんな……相談して」
 小太郎は身体を起こすと打ち捨てられていたズボンを手繰り寄せ勃起したままの自分のチンコを隠した。
 そこで謝っちゃうのがこいつの性根の現れで、いけないところなんだよなぁ。
「景一が喜ぶこと俺わかるから……それだけ教えてやる」
「え……本当ですか?」
 小太郎は涙を拭いながらも今までのことをチャラにしたかのように俺に尻尾を振ってみせる。
 俺はにっこりと笑うとスマホの画面を見せた。
「うん。お前の声、景一に聞かせてあげよ?」
「え……? う、わっ!?」
 画面には景一の名前。コールがかかっている間に小太郎の身体をもう1度押し倒し、チンコを握る。
「な、何で……やめ、」
「お前がそうやって嫌がってる声聞いたら景一、めちゃくちゃ興奮すると思うな」
「そんな……あッ!」
 小太郎の身体が跳ねるのも構わず、俺は先走りのエロい汁を手に馴染ませると小太郎の尻へと手を滑らせた。
「や、やめっ……!」
 俺の目的に気づいたらしい小太郎はさっと顔を青くする
「こっちまではしないつもりだったけど、興味湧いてきちゃってさ。お尻の穴犯されてる小太郎の声、景一に聞かせてやろうぜ」
「やだっ! やめてください!!」
 激しく抵抗する小太郎の身体を捩じ伏せて、チンコを扱きながら乳首を舐めてやる。みるみるうちに小太郎の身体からは力が抜けて、後ろの穴も俺の指をズプンと飲み込んだ。
「あッ――!」
 と同時に、景一への通話がオンになる。俺はすぐにスピーカーに切り替える。
『どしたー?』
 景一の声が聞こえた途端、小太郎の身体がビクンと震えた。俺の指を食んだ小太郎の尻がキュンと締まるのが可愛い。
「ほら、お前の大好きな景一だぞ。声聞かせてやれよ」
『お? なんだ。お前ら一緒にいるのか?』
 呑気な景一の声がスマホから聞こえる。
 一方で小太郎はパニック状態だ。俺の指にチンコとアナルを責められながら、必死に声を押し殺している。その姿がまた健気で可愛くて、俺は自分のチンコも元気になってきているのを感じていた。
「景一、今こいつ俺の部屋でチンコおっ勃ててさぁ。お前とのセックスが怖いとか相談に来たんだけど、俺のこと誘ってきてすげー淫乱なんだけど」
『……おいコタ、そこいるのか?』
 小太郎は苦悶の表情で俺に向かってブルブルと顔を横に振る。俺はニタリと笑うとチンコを扱く手の動きを速めた。
「ひぅッ……! あ、ぐッ……!」
 小太郎は仰け反りながらも慌てて自身の手を噛む。声を漏らさないよう、必死に耐えているようだ。でも俺の手の中のチンコはますます硬くなり、食い締めたアナルはいっそうキツくなる。身体は正直だ。
「ほら、声我慢するなって」
「ひ、はっ……あ、だめ、だめぇッ――!」
 手を引き剥がすと小太郎はビクビクと痙攣し、俺の手によって射精した。
「け、くんごめ、なさ……、おれ、こんな……っ、」
 ボロボロと泣きながら呟く小太郎に対して、スマホからの反応はない。俺は小太郎の中に入れていた指を増やすと前後に動かした。
「なぁ、こいつのケツ掘っていい? もうお前がさんざん仕込んでんだろ? 今指入れてんだけど、欲しがるみたいに吸いついてきててすげーやらしい」
「あうッ! ひ、ひぁ……ッ!」
 俺は喋りながらも自分の前を寛げた。もうすっかり勃ち上がったものを掴むと少しだけ扱く。準備は万端。
「い、や……たすけ、て……! けぇく、助けてぇ……ッ」
 ギリギリで届かないスマホに手を伸ばしながら、小太郎が泣き叫ぶ。ああ、最高! こういうのずっと憧れてたんだよね、俺も。
『コタ、』
 景一が何か言いかけた瞬間、俺は小太郎から指を引き抜くと昂ったものを一気に押し込んだ。
「い"あ"ああぁぁぁ――ッ!!」
 空気をつんざくような絶叫。小太郎の中は熱くてうねってて、オレのチンコをぎっちりと締めつけていた。
「ひっ……! ひ、ぅ……! い、だ……ぁ、け、くん……っ、」
「すっげ……あー、めえちゃキツ……!」
 俺はペロリと唇を舐めると仰け反ったまま痙攣している小太郎の腰をがっちりと抱いた。
『コタ? 小太郎? おい、どうした? 大丈夫か?』
 景一の声を聞きながら、小太郎は絶頂している。股おっぴろげて、恋人以外の男のチンコをぎゅうぎゅう締めつけて。
「け、く……たすけて、お、れ……お、あ、あ、あ、」
 俺はゆっくりと律動を開始した。小太郎の中は熱くて狭くて、絡みつくように肉ひだがうねっている。景一だけが味わってきたそこを、俺が。小太郎が拒んでも俺を1度受け入れてしまったそこは、恋人と勘違いしたままいやらしく蠢いてみせる。
「う、ああコレ……ッ! ちょ、すげぇな小太郎……っ」
 俺は笑いながらズコズコと中を擦り、どんどん奥へと入り込んでいく。
「い、ひっ、ひぃっ! い、あ、や、あっ!」
 無抵抗に揺さぶられながらも小太郎は感じて、チンコからは時折白濁が零れた。俺が突き上げる度にイッてるみたいだ。
『小太郎、小太郎? なぁ、大丈夫か? 声聞かせてくれよ』
 従順な子犬の体内が景一の声に反応するのが可愛い。俺に犯されてるのに、悦ぶみたいにキュウ、キュウ、キュウ〜〜ッて。
「い、あ……ごめ、なさ……っ、け、く……けぇく、」
『コタ、……気持ち好いのか?』
 景一の言葉に、小太郎は大粒の涙を零す。声もなくかぶりを振るけど、大嘘つきなのは俺が中を突き上げる度に実感した。
「声出して言わなきゃ景一わかんないだろ」
「よ、くな……ッ、きもち、くなッ……あ、あぁッ、あん、あぁンッ、あぁッ――!」
 口を開けば淫猥な喘ぎが。小太郎は涎を垂らしながらガクガクと足を揺らし、俺に股間を擦りつけたきた。
「小太郎、お前マジで淫乱だな。自分から欲しがって……ほら、奥の方まで俺の、チンコに吸いついて!」
「ああッ! あ、あぅッ! いや、だやだ、やめてッ!」
「はは、すごいぜ景一、お前じゃなくても止まんねーよ!」
「ひっ、ひぐ、ひっ! け、くん、けぇくん、けぇ、……ッ!!」
「あ、中でイッた……、」
 俺は射精しないまま極める小太郎の強欲な締めつけを味わう。こいつのチンコはビンビンにおっ勃ってるのに出せないなんて可哀想だけど、悲痛に歪む表情がまたいやらしくて堪らない。
「ひっ……ぅ、ごかな、れ……っ! いま、うご、いちゃ……やぁぁぁ――ッ!!」
 やるなと言われるとやりたくなるタイプ。俺は絶頂してる小太郎の中をズコズコと突きまくる。さっきまででも十分やらしく絡んでた中が、また別ものみたいにうねって締めつけてきて……男なのに、名器ってのを初めて味わった気分だ。
「あーッ、景一こいつヤバ、いわ……! お前がハマるのわかる……ッ!」
『当たり前だろ。コタは俺がじっくり躾て可愛がってんだからさ。なぁ、コタ? いつも5時間は離してくんないもんな』
「ひ、が……けぇく、が……やめ、てって……ゆっても、やめ、……くれな、」
『嘘言うな。お前のマンコが俺のチンコギューギューして離してくれないんだろうが。今だって俺以外の男に許しやがって……淫乱のメス犬め』
 景一の言葉に、小太郎の中が狂ったように蠢く。うーっ、俺もそろそろヤバい!
「なぁ景一、こいつん中、出していいか?」
『えー、どうしよっかなぁ。コタは? どうして欲しい?」
 小太郎の目が困惑に彩られる。自分の恋人の言葉が信じられないとでもいうように。
「な、んで……? やだ、出さないで……っ」
「おっけー、じゃ中出しな」
「いやッ! やめて、やめてください!いやぁッ!!」
 小太郎はなけなしの力で必死に俺の胸を押した。でももう深く繋がった下半身はそうそう離れない。何より、小太郎が離してくれそうにない。
「イく、イく、小太郎、お前の中、景一以外のザーメンで汚してやるッ」
「やら、やめてっ! 景くん、景くんッ! 何で……助けて、助けてぇッ!!」
「く、しっかり飲めっ、この淫乱のメス犬ッ……!」
「けぇく、いやらぁぁぁッ――!!」
 ビュグビュグ、ビュルルルッ――!!
 俺はメスになってる小太郎の腹の奥に精液をぶちまけた。見開いた瞳を涙でいっぱいにした小太郎の顔をしっかりと覗き込む。開いた口から真っ赤な舌が飛び出して、助けを乞うようにヒク、ヒク、と痙攣した。
「あ……ぁ――……」
 小さく呻く小太郎の身体に突っ伏して、俺はその首筋や鎖骨にもう1度舌を這わせた。
 ああ、最高だ……景一がハマるわけだ。小太郎の中に埋めたままのチンコは萎えるどころか、精液を出した後そのまま中でまた硬度を取り戻しつつある。茫然自失の小太郎をさておいて、中は俺の精液をぐびぐび飲み干すみたいにうねって、まだ続きを強請ってるみたいだ。
 ここはもう1発……ペロリ唇を舐めたところでトントン、と肩を叩かれた。
「……景一、」
 振り返るとそこにはスマホを片手に持った景一がにっこり笑顔で佇んでいた。
「なぁ頼むよ、もう1発だけ」
「だーめ。こっから先は俺とコタの時間なの」
 景一はスマホの通話を切るとベッドに放り投げ、俺の肩を押して退けた。途端、ゴポリと小太郎の中から溢れる白濁。うわ、俺こんなに出したのか……。
「どんだけ溜めてんだよ。お前も恋人作れよな」
「う、うるせーな!」
 まだギンギンのチンコを抑えながら、俺はおずおずとベッドを譲る。
 ぼんやりとしていた小太郎だったが、突然視界に現れた恋人の姿にポカンと口を開けた。
「景くん……?」
「コタ、大丈夫か?」
「景く……けぇくんッ……!!」
 小太郎は景一にひしと抱きついた。首に抱きつかれながら、景一は俺にウィンク。多分、小太郎は状況をよく理解していないだろう。
 「寝取られてる小太郎が見たい」と言い出したのは景一だ。何度でも言うが、景一は狂っている。俺はそっち方面は興味ないと言ったけど、景一は譲らなかった。
「いや、実際目ウルウルさせたコタを前にしてみ? 絶対チンコ勃つから!」
 何言ってんだ、なんて思ってたけど、確かに……そんでまた、景一のことを求めて俺のこと拒否るのとかが股間にキたっていうか。景一が求めてたのもそこなんだろう。
「ごめんなー小太郎、怖かったよなー? ひどいヤツだよなー」
 お前がヤらせたんだろうが、と思うけど気持ち好かったので俺は何も言わない。熱を持ったチンコを虚しく慰めてやる。
「う、ぅっ……ごめ、なさいおれ……、景くん以外の人、にされて、もこんな、……なって、」
 ぐずぐずと泣き縋る小太郎の頭に、景一は優しくキスを浴びせる。
「いいんだよ。他のヤツにヨがるのは感心しないけど、でも嫌がってるお前にもめちゃくちゃ興奮したし、俺に助けを求めてるお前にもめちゃくちゃ興奮した。可愛かった!」
「は……? けぇく、ンッ……」
 蕩けた思考を塗り潰すみたいに、景一は疑問符を浮かべたままの小太郎の唇を塞いでしまう。舌を絡ませねっとりと嬲りながら、手はしっかりと下半身に伸びていて。
「んッ……! ん、ふぅッ……!」
 俺ので拡げられた穴に指を突っ込んだと思ったら容赦なくズボズボ。チンコも扱いて小太郎は泣きながらあっという間に達した。続いて自分のファスナーを下ろすと勃起したナニを取り出す圭一に、俺は自分のサディズムなどまだまだだなと再認識する。
「俺のチンコでおまえのメスマンコきれいにしてやるからな、コタ……」
「けぇく……? ン、んはぁッ……ア"ッ――!」
 ゴリゴリと貫かれて絶叫する小太郎と、快感に顔を緩める景一。
 ダシにされただけの俺は溜め息をつきながら部屋を後にする。背中に小太郎の可愛い喘ぎ声を聞きながら。
「……やっぱりあいつ、狂ってやがる」

2018/07/22

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