Long Story|Short Story|Anecdoteもの好きな客
「彼、でいいのかな」
男は、マジックミラーの向こうでおとなしくソファに掛けている少年を見ながら、商人風の受付の男に尋ねた。男は小狡そうな目を細めて両手を揉みながら、へこへこと首を上下させる。
「はい。この子は両性具有と言っても下半身だけのタイプでして。乳房はなく、幼い男性器と膣、小さい子宮はありますが、卵巣はありません。つまり、挿れるところは前と後ろの2箇所。でも子は成さないと、そういう商品ですな」
「ふぅん……」
男はきれいに剃りあげた顎をさすった。
ここは、珍妙な身体的特徴を持った少年を集めて売る店だ。2つの性器を持つ者や、性器を持たない者、年々身体が若返っていく性質を持った者など、巷で探そうにも出会えないような変わった品ばかりである。不思議と、彼らの容姿はどれも整っており、そうと知らずとも人目を惹く不思議な魅力を備えていた。
今、ガラスを隔てて目の前にいる少年も、天然の淡い栗色の髪と白い肌が美しい。その身を包む濃紺のチャイナ・ドレスは女性もののようだったが、深く入ったスリットから覗く骨ばった足は、少年のそれだ。
この場で味わうもよし、大金をはたいて買うもよし。人目を忍んで訪れるもの好きな金持ちの客で、この館は密やかな賑わいを見せている。
男がここを尋ねるのは初めてのことだ。友人に、ここで買ったという少年を見せられ興味が湧いた。
友人が買ったのは、手の平が性感帯になっているという子供だった。男が挨拶に手を差し出すと震え、手袋をはめた両手を背中に回し身を竦めた。
彼の飼い主が細腕を掴み無理矢理差し出させると、少年は観念したように両手をだらりと前に見せた。男が手袋の上からそっと、少年の手を握り締めると、幼い身体はビクビクと震え、その肌をピンク色に染め上げた。
自慰を強いると、性器よりもそれを握る手の平で快感を得て達するのだという。
友人の買ったペットを思い出して、男の頬に子供じみた好奇の笑みが浮かぶ。
「年は?」
「16です。昨年ここに来たばかりで、まだ仕込んで日も浅い。これまでに相手をしたのも5人ほどで」
「少ないな。何故だ?」
「はぁ、もっと幼い方が手がつきますし……ここでは『後ろ』が好きなお客人が多いんです。もしくは、完全な両性具有体。この子はまぁ、言ってみれば少々マニアックな商品ですから」
「妙だな。特殊なものを好んで皆ここに来るというのに」
男は喉の奥で笑った。
「よし、この子にしよう」
「は、かしこまりました。ではこちらの鍵を……」
豪奢な意匠を施したアンティーク風の鍵を受け取ると、男は少年の待つ部屋へと足を向けた。
ドアを明けると、そこは赤を基調とした調度品で設えられた、中華風の部屋だった。天井に吊られた黒い格子の灯りは、ぼんやりと室内を柔らかく照らす。
ソファに掛けていた少年が顔を上げた。真正面から見つめるその整った顔に、男はしばし見惚れる。
髪や肌の色素の薄さに比べると、瞳の黒さが異様に映えた。室内の光の乱反射を受けて、真っ黒な瞳には大小様々な光の粒が映り込み、まるで宝石のようだ。鼻筋や顎にはまだ男性特有のゴツゴツとした印象がなく、薄く開かれた唇から綺麗な歯列が覗いていた。
未分化な細い姿態にチャイナ・ドレスを纏っていると、まるでボーイッシュな少女のようでさえある。けれどその首筋や長い手足には少年の成長が兆していて、少女にはない鋭さが滲み出ていた。
「今日は愉しませてもらうよ」
言って男が微笑むと、少年は無表情のまま、小さく顎を引いた。この仕事に何も感じていないのか、それとも数を重ねるごとに心を殺していったのか……少年は立ち上がると、男の上着を背中から落とし、ハンガーに掛けた。再び向かい合い、男のネクタイを緩く引く。
「さて……どうして欲しい?」
「俺からの要望はありません。ご主人の好きにしてください」
容貌の割りにハスキーな声だった。それがまた、男の心をくすぐる。
「よろしい。自分から欲しがるまで可愛がってあげよう」
男は少年の腰を抱くとスリットに手を滑り込ませ、引き締まった太腿を撫でながらベッドに寄った。縁に並んで腰掛け、少年の股間に手を這わせる。
少年は変わった下着を身に着けていた。薄い布の上部は筒状になっており、すっぽりと小さな男性器を覆っている。さらに探ると陰嚢はないようで、ペニスの根元に埋まるようにして女性特有の肉の芽があった。布の上から手を滑らせていくと、体温で湿った割れ目に行き当たる。間違いなく、それは女性器だった。
「……なるほど。興味深い」
少年は少し視線を逸らし、手は男の背中に回している。もう一方の手はベッドについて、抵抗をする気はなさそうだ。男はそれを諾と受け取ると、おとなしい少年のこめかみに口づけた。
「っ……ン、ぁ……」
男の指の腹が、湿った布の上から少年の肉の芽を擦る。ぐるぐると回すように刺激すると陰唇から愛液が溢れてきて、特注であろう下着はすぐに濡れた。布越しに割れ目に指を押し込むと、少年の身体がビク、と強張る。
「怖いのかい?」
少年は伺うように男を見上げて、小さく頷いた。
「そっちは、……苦手です」
「ふぅん……何故?」
「誰も何も、わかっていないから」
どういうことだろうと頭を巡らせて、男はこう思った。
自分とまったく同じ作りをした人間を、少年は知らない。子を成さないと受付の男は言っていたが、それを少年が知らされているかは怪しかった。自分の身体が人とは違う刺激に悦び、混乱のままに翻弄される……少年の不安に沈む表情は、そんな風に読めた。
「優しくするよ」
男は囁きながら、薄い布をずらした。剥き出しになった陰唇は布に粘液の糸を引いて、いやらしく誘うようにヒクヒクと息づいている。
「すごいな。もうこんなに濡れて……ごらん、」
言って、目の前の鏡を顎でしゃくる。そこには男に身を添わせながら、開いた華奢な足の間を手で犯される少年の姿がまざまざと映っていた。少年は全身を桃色に染める。
「あ、はッ……」
「感じたら声を出していい。君のその掠れた声……とても魅惑的だ」
赤い耳に唇をつけて声を吹き込むと、少年の陰唇は男の指をさらに濡らす。ちゅ、ぬちゅ、といやらしい音が溢れて、少年はもじもじと足を閉じる。
「こら、それでは手を動かせないよ」
「でも……そこ、ばかり……ッ、ぁ、あッ!」
男の中指が少し乱暴に奥へ潜り込み、第二関節までを埋没させる。少年は自然と足を開いて、ビクビクと震えた。
「はッ……ご主じ、ん……、も、少しゆっくり……、」
「すまないね。わたしも我慢がなくて」
「あッ! は、待っ……ぁ、あンッ!」
ぬち、ぬち、と中指を押し入れると、少年の腰が揺れる。初めてではないのに、それでも少年の反応は随分とうぶなものだった。芝居かもしれないが、男はその可憐な仕草に満足する。
人差し指も飲み込ませると、中の襞がぶちゅぶちゅと奥への道を開いていった。少年の体温に指の根元まで包まれた男は、ふ、と息を漏らす。早くこの中に自分のものを突き挿れたい。その衝動的な欲求をなんとか押し込めて、まずは下拵えに注力する。
もう一方の手で少年の胸に触れると、乳首を中心に揉んだ。胸は少年らしく胸郭や肋骨の角が浮かんでいて、乳房はない。
「豊満な胸は、欲しかった?」
「ぃ、らない……、」
「そうか……そうだな。乳首だけで十分感じている」
「んッ……! ふ、ぁ……、あッ、ンッ!」
乳首を刺激しながら膣に埋めた指先を曲げると、少年の体が激しく震え、やがて弛緩した。どうやら手の刺激だけで達したらしい。陰唇からトロトロと汁が漏れてきて、男の手首まで伝う。
男はゆっくりとそこから指を引き抜くと、今度は少年の幼い竿を握った。ぬるついた手で触れたそこは、まだ筒状に縫合された布を被っている。
「あ、ぁッ……、」
「自分でする時はどっちを弄るんだい?」
「……、そ、っち……」
「そうか。じゃあ、自分でする時より気持ち好くしてあげないと、甲斐がないね」
先端をやわやわと親指で擦り、前後にゆっくりと扱く。少年は腰を引こうとするが、横から腰を抱いて逃げられないようにがっちりと押さえこんだ。しばらく続けていると、幼いペニスが欲望に勃ち上がる。その状態まで高めてやると、男は手を離した。恍惚に目を蕩けさせた少年が、不審そうに見上げる。
「どうして……、」
「やめてしまうのかって? さっき言っただろう、自分から欲しがるまで可愛がってあげると」
不思議そうに首を傾げる少年を抱え上げると、ベッドの上に横たわらせた。ドレスの前をたくし上げ、下着をするりと抜き取る。少年のペニスは緩く起ち上がったまま、膝を立てさせると男の指に掻き乱された陰唇もその紅色を濃くし、次の刺激を待ち侘びていた。無防備に晒される華奢な身体は、あまりに淫靡だ。
ドレスの上半身は、襟首の辺りから脇の辺りにかけて斜めに合わせられていて、黄金色の紐を解くと腰より上が露わになる。ゆっくりと布を剥ぎ取ると、少年の薄い胸、可愛がってやった小さな赤い実が上下した。腰の辺りにだけ、上質な仕立ての布がわだかまっているが、男はそのドレスを気に入って、あえて全部脱がせることはしなかった。
「四つん這いになって」
そのまま雄を受け入れる気だったか、少年は少し寝ぼけたような目をして主を見ると、ゆっくり身を起こし後ろを向く。四つん這いになると、肩越しに男の方に振り返った。
「ご主人……こうですか?」
「そうじゃない。頭はわたしの方だ」
少年はおずおずとシーツの海を這いながら、男の前に犬のように従う。男は頷くと、自分のズボンのファスナーを下ろし前を寛げた。
「え……、あ、」
少年の眼前にボロンと飛び出たペニスは赤黒く太く、そして長い。少年の顔が少し引きつる。こんなに巨大なものを受け入れたことは今までなかった。おまけに、これでまだ勃起していないのだ。猛った時のことを想像して、少年はゴクンと息を飲む。
男は少年の反応をひとしきり眺めると、その小さな栗色の頭を撫でた。
「わたしのも、構ってくれるかな?」
強いるのではなく、ゆっくりと操る。少年はおとなしく頭を下げ、男の性器にちゅ、とキスをした。
「したことはあるか?」
「はい……でも、褒められたことはありません」
「構わないよ。ゆっくりでいいから、わたしのを悦ばせておくれ」
「はい……、ふ、ン……、む、ふッ……」
少年の可愛い口に、男の性器が含まれる。先端をしゃぶり、ゆっくりと舌の上を滑らせていくと、すぐに喉の奥までいっぱいになった。少年はうッ、と呻き眉を寄せる。男は少年の額に手を当てて、そっと顔を離した。
「無理はしなくていい」
少年は上目遣いで主人を見上げ、頷く代わりにパチパチと瞬く。
以前、同じことを強いた客は、少年の頭をしっかと掴み、前後に揺すりながら喉の奥まで突いた。少年が泣きながらえづくのにも構わずそれを続け、ヘタクソ、と罵った。
あの時傷つけられた少年の心は今、この男に慰められていた。もう1度ゆっくりと、先端から根元に向けて舌で舐め上げ、口内の粘膜で擦る。浮き上がってきた血管の形をなぞり、上顎にペニスの先端を感じると少年の背中にもゾクゾクと快感が走った。
「後ろは嫌いか?」
問われ、唇を離す。男の性器は、少年が支えなくてももう自立している。
「……好き、かは……わかりません。弱い、とは思います」
少年は言葉を選びながら答えた。
その言葉の端々からは、こんな仕事を本当は望んでいないことが伺い知れたが、この仕事が与えてくれる快楽に抗えないことも承知しているのが察せられる。同時に、自分の身体がどう反応するか確認し、1つ1つの感情、感覚に名前をつけていっているようだ。
男は少し少年を哀れに思う。その分、可愛がってやりたい、とも。
前から手を伸ばし、少年のペニスを扱く。少年は背を丸めて、男の腰に抱きついた。2人の身体はより近づき、男の指は少年の肉の芽を虐める。少年は自ら男の指の腹を擦りつけるように、緩く身を捩った。
「あ、はッ……、あ、ぅ……ッ」
男の手は陰唇から手を離すと、後ろから少年のアナルに触れる。濡れた指がその小さな窄まりを刺激した。
「んッ、……ふ、ん、ん、ンッ……」
「そっちじゃないぞ」
少年がゆらゆらと腰を振ると、陰唇から溢れた汁が内股を伝った。アナルの刺激に、女性器の方が反応していた。
「あ、ッ……すみ、ません……自分でも、身体が……わからなくて、」
戸惑いながらも快楽に歪む少年の顔が愛らしい。男の指は時間をかけて少年の後孔を開き、中を探る。2本の指を飲み込むまでにはさして時間はかからなかったが、その間に少年の陰唇から溢れた愛液はその細い両足を濡らし、膝はガクガクと震えていた。
「さて、どうしてあげようか……」
「ン、くふ、ッ……!」
指を腹の方にクン、と折り曲げる。男であればここに前立腺があるはずだが――探っていると、少年の身体がビクビクと跳ねた。ペニスもさっきより硬くなっている。どうやらこの部分の作りは普通の男の身体と同じらしい。
「気持ち好いか?」
「ふ、ぅ……ッ、い、い……です……あンッ!」
前から陰唇の入口をぐちぐちと弄ると、少年は悶え、今度ははっきりと自ら腰を前後に振った。男の指を飲み込む勢いでぬちゅぬちゅと音を立て、少年は快感に喘ぐ。
「君ばかり狡いな。わたしのことを忘れていないか?」
「あ、あッ……、ふ、んぐッ……む、」
少年は男のペニスを再び口に含んだ。今度は、喉の奥に当たるのも構わなかった。この肉棒で中を突いて欲しい。その想像だけで達してしまいそうだった。
男の指を食んだ後孔も、おあずけを食らう陰唇も、肉欲に蕩けていた。少年のペニスは張り詰めていたが、まだ射精には至っていない。
「これだけ感じ易いのに、ペニスでイくのは遅いんだな。辛いだろう」
「ひ、はッ……あ、……自分で……触るだけじゃ……イけなく、て……ッ」
少年は突然、ポロリと涙を零した。男は戸惑い、その頬を包む。
「おお、どうした。泣くんじゃない」
「ふ、うッ……、自分で、しても……ダメで……ッ、女みた、に……するの、やだッ……」
ペニスだけを扱いても、少年は達することができない。肉の芽がある身体の作りのせいなのか、どこかで堰き止められて射精に至らないのだ。自分で陰唇を責めるのは耐え難かった。少年の信じてきた性自認は男だ。女のように自慰をするのは、どんなに熱が燻っても嫌だった。
自分の身体がわからず、快感を与えられても上手く受け止めることができず、ただひたすら相手の快楽を収めるためだけの器だった。だから、行為が好きではなかった。
けれどこの男だけは――自分の惨めさと、男の与えてくれる優しい愛撫に、少年はわけもわからず溢れる涙を止めることができなかった。
「よし、よし。大丈夫だ。わたしが気持ち好くしてやるから。君の望むようにしよう。それが、わたしの望みだ」
男は泣きじゃくる少年の身体を抱き起こすと、自分の太腿に座らせた。そそり勃つペニスが少年の2つの性器を擦り、少年は男の胸に抱きつく。
「お、願……ッします、早く……挿れ、て……ッ」
「どっちだ? ここか……それとも、ここか?」
少年の腰を浮かせると、男のペニスが少年の陰唇を、次に後孔を擦った。少年はビクビクと身体を震わせ、自ら腰を落とそうとする。
「ひッ……ひぃ、い、ッ……! あ、ど、ちも……ッ」
「同時に両方は無理だ。自分が欲しい方に挿れてごらん」
「う、は……ッ、あ、ンッ……!」
少年は男の男根を陰唇に捕らえると、ゆっくりと腰を落としていった。ずっと求めていたものが、ずぶずぶと中を満たしていく。男のペニスは狭い肉筒をみっちりと押し広げ、深く飲み込まれていった。
「っく……! 狭いな……ッ、痛くは、ないか?」
労る声に、少年はブンブンと首を振る。息を詰め、そして吐く。男は少年の細い腰に手を当てると、グン、と自分の方に引き寄せた。
「か、はッ……!」
「悪いね。まだ全部収まっていないんだ……、」
「ふ、か……ッ、ぁ、あッ……」
ゆっくり、確実に開かれていく中は、誰にも犯されたことがないくらい奥にまで及ぶ。少年は硬く身を反らせ、はくはくと息を漏らす。男はその胸にちゅ、ちゅ、と口づけを散らした。
「すまないね。辛いかもしれないが……奥まで可愛がってあげるからね」
言いながら、後孔にも指を差し入れ、前立腺を刺激した。
「ひッ――!!」
少年の頭の中で白い光が明滅する。同時に、ペニスから勢いよく精液を迸らせた。
「ふっ……ああ、イけたようだね……」
「あ、は……い、ぃ……きもち、ぃ……ごしゅじ、」
「それは嬉しい。では、もっと好いことをしよう」
男は少年を押し倒すと、ずろろ、と男根を引き抜いた。少年が切ない悲鳴をあげる。入口で止まり、そこからまた奥まで一気に突き込む。少年は深く受け入れながら、身体を丸くして声もなく震えた。女性器が極めているのか、男を飲み込む膣内がぎゅっと収縮する。男は低く呻くが、なんとか射精を耐えた。
「あ、はッ……! ン、……ふあッ……あ!」
「ああ、好い……君の中……ッ、熱く蕩けて……わたしを、こんなに締めつけて……!」
「ひぁ、ああッ、あンッ! そ、こだめ、だめ、だぇ、ッ……!」
ぐずぐずと刺激を繰り返すと、ある箇所で内壁の締まりが殊更きつくなる。男はそこを探り当てると、悪戯っぽく少年の真っ赤な顔を覗き込んで言った。
「ここ……?」
「ひッ……、そこ、や……こわ、ぃやめ……ッンひ――!」
快感が強過ぎて――自分が自分ではなくなりそうで、少年はそこを突かれる度に高く鳴いた。しかし男はやめない。本当は少年の身体が喜びに震え上がっていることがわかっているからだ。
証拠に、少年は男の太い首に腕を回してその衝撃を全身で受け入れた。
「ああっ! あんっ! は、はぁ、あーっ! あっ! ああっ!」
「そうか、ここ……、ここが、君のッ」
「い、やぁッ! だめ、やめて……!お、かしく、な、ぁ、ア"ッ――!!」
少年の中には尿道海綿体、所謂Gスポットも存在しているらしかった。しつこくそこを突き上げると、少年の身体は何度も達した。潮を噴いてイき続ける身体を、男は執拗に奥まで貫く。
「あ"、あ"ッ! ……め、今、らめ、イってぅ、も、イってぅ、から……ッ!」
「く、うッ! 少し、乱暴だったかな……すまない、でも、わたしももう……ッ!」
きつく閉じられた少年の眦から、愉悦の涙が流れる。
じゅぼ、じゅぼ、と愛液が掻き乱される淫猥な音。ばちゅばちゅと打つ肌の音。子宮口を叩かれる快感の衝撃に少年は時折白目を剥く。
「ひ、あ"ひ! ひぁ、あ、あ! ……あッ、ひうッ――!!」
「く、うッ――!!」
男のペニスが中で質量を増した気がした。少年の膣も激しく収縮し、男の熱い精液が中で搾り取られる。少年の特殊な身体は、その飛沫を微細に感じ取ったかのようにビクビクと痙攣した。
「はッ……! はぁ、あ……、ぁ、で、出て……っ、ごしゅ、じ……っ」
「う、ぅ……! すごい締めつけだな……ッ、食いちぎられそうだ」
「あ……あ、……あつ、……んっ」
ぐったりと凭れかかる少年を男が抱き締める。少年の中の締めつけと痙攣が緩むのを待ってから抱え上げると、ぬっぽりと性器を抜き取った。
「ぁ、も……、すこ、し……」
今までさんざん肉を食んでいた場所が空虚に感じられて、少年は身震いする。中が切なくなって、無意識に自分の指をそこに滑らせていた。
「自分でそこを弄るのは嫌じゃなかったのか?」
男に笑われても、手は止まらない。中の快感がいつまでも収まらなかった。
「ごしゅじ……ん、抜か、ないで……ッ」
「それじゃあ、君が自分の中のオスを忘れてしまわないように、今度は後ろだ」
「え……、あ!」
少年の両足を掴むと、ごろんとひっくり返す。少年の手首を掴み、言い含めるように囁いた。
「自分で自分の足を持ち上げて。わたしが君の中に入りやすいように」
少年はおずおずと自分の膝の裏に手を回し、ぱっくりと足を広げる。先までひどく愛撫されていた陰唇の襞は淫らに精液を溢れさせて捲れ上がり、侵略した男の眼前に晒された。少年は真っ赤になりながらも、黒い瞳を涙で煌めかせて男を見つめる。この時間、自分の主人となった男にすべてを委ねていた。
「いい眺めだ」
言って、男は自分の硬いペニスを少年のものに擦り合わせる、そのまま手で握り込むと、一緒に扱いた。
「あッ、あ! あ、あッ……!」
さっき1度達した2つのペニスは、男の手の中で再び欲望に頭を擡げていく。すっかり硬くなると、男はその先端を少年の後ろの窄まりに押しつけた。突き込もうとして、前の孔がひくついていることに気づく。肉棒を求めて、新しい愛液が溢れ出していた。少年は甘い悲鳴の漏れ続ける口元を押さえ、震えていた。
「ひ、ふ……っ、」
「感じたら声を出してと言ったよね?」
少年の手を引き剥がす。
「自分の手で、さっきみたいにしてごらん」
「あああッ! あひ、あぁンッ!」
少年の手を陰唇に持っていくと少年の唇からは甘い喘ぎ声が溢れた。その声を合図に、男は小さな窄まりに男根を挿入した。膣よりも狭いそこは、男の侵入を拒むかのように硬い。
「う、く……ッ、」
ゆっくり、少しずつ、確実に腰を進めると、さっき指で責めたよりも深いところまで、ペニスを熱い肉の中に収めた。
「あ、……っ!あ……ひ、」
「大丈夫かい?」
「はっ……ぃ、きも……ち、です……、」
少年の指先が前の孔の中でぐち、ぬち、とゆっくり動く。クリトリスとを弄ると堪らないのか、その指の動きは止まらなくなった。男はくすりと笑い、律動を始めた。
「はぁッ――! あ、あッ! あんッ、あんッ、ン"ッ! ン"ンッ!」
「はぁ、……可愛いよ、……っ」
2人の情交は、獣の交尾よりも激しかった。少年は自ら陰唇を指で犯し、好いところを刺激して達しながら、一方で後孔は深くまで太い肉棒に突かれ、前立腺の刺激でも極めていた。
「ひぃ、ひぐッ――! イく、イく、イッ――ひあ"ァァァッ――!!」
前も後ろも、中も外も――身体の境界がなくなるほどドロドロになって、少年は全身で快感を得ていた。絶頂を極め続ける淫乱な身体の奥深く、男は自身の性器で抉ると、最後の1滴まで精液を絞り出した。
すべて出し尽くし疲れ果てた2人は繋がったまま眠り、そして目覚めた。お互いの身体を清めると用意のあった新しい服に袖を通す。男は少年の広げた上着に腕を通すと、きっちりと前のボタンを留めた。
「今日はとても楽しかった。どうもありがとう」
男はそう言って、少年の栗色の髪に口づける。少年はくすぐったそうに目を瞬かせて、それから子犬のような目で男を見上げた。
部屋に入った時に見た宝石のような瞳が、今は微かに潤んでいる。表情のなかったその白い頬には、何か言いたげな色が浮かんでいたが、少年は長い睫毛を伏せるとこくりと頭を下げた。
「あなたは……」
元々ハスキーだった少年の声はいっそう掠れていた。
「ん?」
「あなたは、どうしてここへ?」
少年はじっと、さっきまで主人だった男を見つめた。
身なりのいい男は、中年に差し掛かっても精悍な顔立ちで、女にも苦労をしなさそうな風貌をしている。もっとも、性嗜好はその人間の外見によるものではないが……少年の知る限り、この店にやって来る人間の中に、この男のようなタイプはいなかった。
また、ここに来てくれるだろうか。
少年の縋るような瞳に、男は優しく微笑みかける。その淡く染まった耳元に唇を寄せると、低い声で囁いた。
「……ただの、好奇心さ」
言って、帽子をかぶると少年に背を向ける。
おそらく、男は2度とこの店を訪れることはないだろう。少年はその残酷な広い背中を見送りながら、恐ろしいほどの快楽を植えつけられてしまった身体をぞくりと震わせた。
2016/09/18
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