Long Story|Short Story|Anecdoteめぐりめぐる
「山奈(やまな)先輩、昨日は本当に申し訳ありませんでした」
朝、出勤したばかりの俺を見つけるなり、結城(ゆうき)は深く90度に腰を折った。
「い、いいってそんな……頭上げろよ。今朝は大丈夫なのか?」
「はい……なんとか」
そう言う足元はどこかフラついているし、目の下にはクマができている。昨日の酒が残っているのが見え見えだ。それでも、俺より早く出社してまず頭を下げようと待っていたのだから、つくづく真面目な男だと思う。
「トイレに入った後から記憶がなくて……先輩が起こしに来てくれるまで意識なかったみたいです、本当にすみません」
結城は青白い顔でもう1度頭を下げる。あまりに実直な後輩に、俺は半ば呆れの溜め息をついた。
「俺も新入社員の頃はよくやったよ。同じように先輩達の世話になった。こういうのは巡り巡るもんだから、まぁ気にするな」
言って、結城の薄い肩をポンと叩く。
「山奈先輩……本当に、申し訳ありませんでした。あ、お金……、」
「いいって! お前が先輩になった時、下のヤツに返してやれ」
「……でも、タクシー代だけでも」
受け取らないと退かないような面差しに、俺はしぶしぶ結城の差し出した5千円札を貰い受けた。
結城は今年入ったばかりの新人だが、仕事熱心で物覚えがよく、俺にとって可愛い後輩だ。今時の若者には珍しく、年長者との付き合いを面倒臭がらないところもウケがいい。
特別着飾った風でもないのにどこか垢抜けて見えるのは、小顔で手足が長いからだろうか。まだ学生のあどけなさが残る笑顔には、女性社員も色めき立っている。
昨晩はそんな結城とサシで遅くまで飲んだ。結城が珍しく疲れた顔をしていたからだ。
しかし俺が水を向けても、仕事内容には満足している、先輩にも恵まれているし、待遇に関してはこんなに貰っていいのかと恐れ多いほど……などと、毒にも薬にもならない話ばかりだ。
気を許しているようで俺にも愚痴をこぼす気はないのか……そう諦めかけた頃、トイレから戻ってきた結城はよたよたと歩いて来ると横柄な態度で席に座り、グラスを倒す勢いで机に突っ伏した。どうやら小便を出したせいで、アルコールが回ったようだ。
「おい、しっかりしろよ結城、」
背中をさすってやると、結城は呂律の回らない口をモゴモゴと動かした。俺は酒臭い結城の顔に耳を寄せる。
「なんだって?」
「俺が……新米だからって、馬鹿にしてんれすよ、」
がばと顔を上げた結城の目は完全に据わっていた。赤くなった目元を子供のように擦りながら続ける。
「メール室に呼び出したと思ったら、あの部長、俺に何したと思います? 後ろからこう……抱きついてきて、」
結城は胸の前で腕をクロスさせた。
「そえから、俺の……胸とか腰とか、足とか撫でてきて……っ」
結城の目が潤み、クロスさせた腕の中に顔を埋める。
「俺、ここの仕事好きだし、山奈先輩も好きだし……、こんなくららないことで仕事辞めたくないんれすよ! チクショウ……馬鹿にしてうんら……、」
「……おい、少し飲み過ぎだぞ、」
俺は手元に避けておいた水の入ったグラスを差し出したが、結城はそれと気付かずに手で払ってしまった。当然、グラスは重力に従って落下し、砕け散る。
「あっ、たくもう、お前なぁ!」
さすがの俺も声を荒げたが、結城はふらりと立ち上がると、トイレ、と独り言のように呟いてフラフラと歩いて行ってしまった。俺は溜め息をつきながら店員を呼び、結城の帰りを待ったが、結城はそれきり戻って来なかった。
昨日の顛末を思い出し、さすがにあれはないぞ、とグラスの件を持ち出す。すると、結城はきょとんと目を丸くした。
「俺、トイレ行った後、席に戻ってたんですか?」
「え……? ああ、だからその時、口調が怪しいんで水を進めたらグラスを割って……」
「す、みません……俺、それ全然記憶にないや……」
結城の顔がさっと青褪める。
「俺、他に何か失礼なこと言ったり、やったりしてませんでした?」
……ということは、その時俺に打ち明けたことも覚えていないんだろう。俺は少し考え、腕組みすると首を横に振る。
「いや、特に何も。席に着くなり机に突っ伏して何か言ってたけど、呂律が回ってなくて聞き取れなかった」
「……そうですか」
半信半疑といった顔だったが、結城はまた深々と頭を下げてきた。もういい、と制すと、すごすごと自席へ戻っていく。いいヤツなんだが、馬鹿のつく真面目というか、不器用というか。
そんなやり取りの後、俺はなんとなく結城の様子に気を配っていたが、結城は気怠そうにしつつも一生懸命仕事に徹していた。
しかし終業時間まであと1時間という頃、くだんの部長が結城の肩に手を起きながら話しかけると、その表情が強張るのが見てとれた。部長に耳元で何事か囁かれると、結城は目に見えて顔を引き攣らせ、俯いてしまった。
同じタイミングで、別の課の先輩から俺宛に、明日の会議のために機材セッティングをしておいて欲しいという依頼メールが届いた。
「了解いたしました、……と」
結城に付きっきりというわけにはいかないらしい。俺は手早く返信メールを送信した。
残業時間になって、俺は先輩の依頼の通り、会議室の隣にある機材室で1人作業をしていた。
ウチの会社は映像事業を展開していて、時に会議室を使って映像講習も行う。すぐに編集作業ができるように、会議室の様子をモニタリングできる小部屋が併設されているのだ。廊下側からは別々のドアからそれぞれの部屋に入れるが、会議室と機材室は中で1枚のドアを隔てて繋がっている。それぞれの部屋は防音壁だから、隣室の音が直接漏れることはない。
俺が動作確認のためにスピーカーの電源を入れると、ちょうど会議室の方でバタン、と音がした。それから、結城の声。
「やめてください、もう、ベタベタと触らないでくださいって何度も言ってるじゃないですか!」
俺は慌ててテレビのスイッチを入れる。液晶テレビにはすぐに部長と結城の姿が映し出された。
会議室には3台のカメラが設置されている。天井から俯瞰する角度のカメラが、リモートサーチで動体にピントを合わせた。
顔を紅潮させた結城が部長に大きな声で言い募る。俺は少しだけスピーカーの音量を上げた。
「男相手だって、これは立派なセクハラですよ。僕はそういう趣味ないですから」
「嫌そうには見えなかったがなぁ? 飲み会で俺の隣に座った時、俺の肩に寄りかかってきただろう」
「それは……、も、もしかしたらそういうこともあったかもしれませんが、酔っ払っていただけです」
昨日の今日だ、酔っ払った時のことを突かれると結城は弱いのだろう。しどろもどろになりつつも反駁する。
「誤解させてしまったのなら、謝ります。あるいは他のことで、僕に不手際があったというならそれも謝罪します。だからもう、こんなことはやめてください」
懇願するように言う結城に、部長がゆっくりと迫る。
「お前が先に俺を誘ってきたんだろう。そのいやらしい腰を俺に擦りつけたことを忘れたって言うのか?」
「そんなことしてません!」
結城の顔がかっと赤くなるのが、精細な映像でわかる。もちろん、部長の言い分が不当なのは俺も承知だ。
昨晩の結城は酒の勢いで俺に打ち明けたのだろうが、我慢の限界だったのは事実なんだろう。俺でなくても、それこそしかるべき機関に訴え出てもおかしくない勢いだ。いつになく語気荒く、部長の言葉に食ってかかる。
しかし部長は動じた様子もなく、低く笑うと結城の方に腕を伸ばした。
「実際にお前の身体に聞いてみた方が早い」
「な、何を……、っ離してください、やめ……やめてください!」
部長は抵抗する結城の手首を掴むと、巧みに捻り上げ背中の後ろに回してしまう。そういえば、合気道か何かをやっていると言っていたか? 警察が犯人を確保する時のように、部長は結城を会議テーブルの上に押さえつけると、結城の腕を自分のベルトで拘束してしまう。
「くっ……、こんなことして、ただで済むと思ってるんですか? 若造だと思って見くびっているんでしょうけど、いざとなったら出るところに出ますよ」
胸を机に伏せたまま、苦しい体勢で結城は相手を振り仰ぎ鋭く睨む。しかし部長は不敵に笑い言った。
「出られるものなら出てみろ。今から、表を歩くのも恥ずかしい身体にしてやる」
結城が声をあげるより前に、部長の手が結城の首筋に回る。ぐっと首根っこを押さえると、それだけで結城は身動きができなくなった。足をバタつかせてはいるが、催眠術にでもかけられたように上半身はビクともしない。
その間にも部長のもう一方の手は結城のシャツを開き、ベルトをはずし、ズボンのファスナーに手をかけた。
「や、め……っ」
咎める声も虚しく、結城の太腿から下がすらりと露わになる。シャツから微かにチラつくのはボクサーパンツか、部長の手が結城の股間に回った。
「あ、何す……! さ、触らな、……っ、や、めてくださ……っ、」
上擦った声は必死だが、足は下げられたズボンのせいでモタつく。首筋に埋められた部長の腕の力はいかばかりか、拒む言葉も息苦しそうだ。
「威勢がいいな。普段はおとなしくしているが……それがお前の本性か? 結城」
言いながら、部長の手がねっとりと結城のペニスを下着の上からまさぐった。結城の腰がビク、と緊張する。
「……っや、め……」
「そう言いながら、ここが濡れてきているぞ。ん? 好いんだろう?」
「ぐ、ぅ……ンっ」
呻く結城の声に、微かに艶が交じる。
俺は別の液晶テレビの電源を点けた。別アングルで、結城の顔のアップが映る。何かを堪えるようにぎゅっと唇を噛んでいるが、その端からふ、ふ、と息が漏れ出した。細められた目が何度も瞬きして、俺はその表情に思わず見入ってしまう。
「ほら……だんだん大きくなってきたみたいだ……」
「そ、なことな……っあ、」
部長の手の動きが大きく、速くなり、結城の足もガクガクと震え出す。何かに抵抗しようとしていた結城の目がきゅっと閉じられ、それから深く息を吐き出した。
「っは、……は、ぁ……」
「上司の手の中で射精するなんて、今年の新人は大したもんだな」
「あ、あんたが勝手に……!」
憎々しげに結城が声を振り絞るが、部長は取り澄ました顔で結城の股間を揉み続けた。そしてさり気なく布の中にその無骨な手を突っ込むと、直接結城のものを握り込んだ。
「ひっ……! やめ……っ」
「ほら、こんなにヌルヌルにして俺を誘って……いやらしいな、結城は」
「ふっ……ぁ、あっ……、」
くちゅくちゅと水音が響き、音に呼応するように結城の肩が揺れる。もはや結城の身体は押さえつけずとも、自由が利かなくなっていた。部長が結城の首筋から手を引く。
「いい子だ。おとなしくしていたらお前もいい思いをさせてやるからな」
「は……ぁ、……あッ!」
部長の手が結城の下着もずり下ろしてしまうと、結城はますます抵抗力を失くしていく。自分の置かれた状況をひしひしと理解し、怯えているのだ。
俺ははからずもゴクリと息を飲んでしまう。俺が今出ていったら、結城は一体どんな顔をすることだろう。壁1枚隔てた緊迫感に、俺の心臓も早鐘のように打っていた。今すぐにでも出て行きたいが、まだ弱い。今の状況を録画すれば、あいつにつきつけて脅してやる材料になる。もう少しの辛抱だ。
と、そこで再びバタンとドアが開く音がした。画面の中、結城の顔が硬直する。
しかし次の瞬間、
「遅かったじゃないか、お前ら」
悠長に吐き出された部長の言葉に、結城は何とかしてドアの方を見ようと首を捩り、そして刮目した。
俺の見ている画面に、スーツの男達が3人、フレームインしてくる。全員が俺の先輩だった。
そのうちの1人が、営業仕込みのわざとらしい大声で言う。
「いやぁどーもどーも、すいませぇん。前の商談が長引いちゃいましてぇ」
「我々も先程帰社したところです」
「どうです、先にお楽しみでしたか?」
誰も上司の行為を咎める者はなく、それどころかにこやかに部長に話しかけることに、結城が愕然とした顔で口をパクパクさせている。
「な、んで……先輩、先輩達……、」
「結城、どうだよ部長のテクニックは」
「あ、なんだこいつ、もう射精してんじゃん」
笑い声が起きても、結城はわけがわからないといった顔で呆然としていた。部長は彼らを歓迎しつつ、休ませていた手の動きを再開させる。
「は、っ……ぁ!」
「見ろ、期待通りの反応だよ。しかしお前達も気が利かないな。せっかくこれからお楽しみだってのに」
「あれ、まだ挿れてなかったんですか? 部長にしては慎重ですねぇ」
「おとなしそうに見えて、結構手こずらせるんだよ。ま、その方が燃えるがね」
言いながら結城の胸に手を滑らせ、乳首を指先で刺激する。結城の顔が再び苦痛とも快楽ともつかないものに歪んだ。
「ふっ……、や、め……せんぱ、助け……っ」
「お前馬鹿か? この状況で俺達に助け求めてどーすんだよ」
机をぐるりと回ると、結城が伏せている顔の正面に男が立つ。混乱のまま見上げる結城の顔を見下ろし、
「お、いい顔。そそるねぇ」
言いながら、おもむろにズボンのファスナーを下ろした。ボロン、と目の前にこぼれた巨大なペニスに、結城の目が寄り、それと気付くや小さく悲鳴をあげる。
「その可愛いお口、暇そうだから俺のチンポしゃぶってよ、結城ちゃん」
結城の頭を掴むと、その唇にペニスの先端を押しつける。当然、結城はぎゅっと口を噤んだ。必死の形相はもはや涙も滲んでいる。後ろでは部長がまた結城のペニスを弄りながら、結城自身の精液で濡らした指を尻の穴に捩じ込もうとしているんだから、結城としては何をどうしていいやらパニック状態だろう。
残りの2人も次々に手を伸ばし、足にかかっていたズボンを引き抜いたり、部長が手を引いた乳首を弄るは脇腹や耳朶を舐めるはと、やりたい放題だ。
結城の朱に染まっていく顔に、俺の胸もドキンと跳ねる。
「あ、ホント……結構強情ですねぇこいつ」
男がニヤつきながら結城の鼻を摘むと、呼吸のできなくなった結城はぶは、と口を大きく開けてしまった。間髪入れず、男のペニスがその中に突き込まれる。
「ふぐっ……うふ、ン……!」
「おっと、歯ぁ立てようなんて考えるんじゃねぇぞ。お前の可愛いチンポが人質だ」
「うぅ、ふっ……む、ンぅ……ッ」
男は結城の頭を掴んだまま腰をゆっくりと前後に動かし始めた。結城の唇から男の肉棒がにゅるりと出てはまた中に突っ込まれるという凄まじい横顔が、画面いっぱいに映る。
結城は現実逃避するようにぎゅっと目を閉じて、男達のなすがままだ。背中に回された手は拳を握りぶるぶると震え、憤りと悔しさと屈辱、羞恥に耐えているかのようだ。
「んっ……! ふ、ンふぅ、う……!」
ペニスを口に咥えたまま目を開けてしまったのは、部長が結城のアナルに指を潜り込ませたからだろう。驚きに見開かれた目から、ホロリと雫が伝う。
「ふっ……ふ、ぅ……っ」
「あーあ、泣いちゃったよ。結城ちゃん、もう社会人でしょ?」
「こっちもすぐ大人にしてやるからな、結城」
部長の中指がぐっと中に押し込まれ、結城の背中がビクビクと引き攣った。
「ん? まだ指だけなのに、チンポが反応し始めてるな。結城、お前素質あるぞ」
「ふぐ、……ぅう、ンふぅッ……!」
首を横に振ろうとする頭を押さえて、結城にペニスを咥えさせた男が腰の動きを速くしていく、合間にグ、グゥッと呻きが交じるのは、結城の喉の奥まで男のペニスが入っているからだろう。ボロボロと流れる結城の涙は、嘔吐感によるものに変わっていた。
「っし、出す、出す、出すから、……ちゃんと全部飲めよッ!」
吐きそうになっている結城の頭をぐっと抱き込むようにして、男がテーブルの上に乗り上げる。正座したその股ぐらに首を突っ込むような体勢で、結城は男の精液を口内に受け留めた。男の太腿で結城の顔は見えなくなったが、ごっ、ごっ、と喉が鳴る音をマイクが拾う。
「っあー……、気持ち好かったぁ……すげぇじゃん結城ちゃん。初めてなのにおしゃぶりは上手いし、濃ゆいザーメン全部飲んでくれちゃうとか、サービス良過ぎるでしょ」
男は自分の股の間に埋まったままの髪をくしゃくしゃと撫で、その首筋に口付ける。結城の脇に手を差し入れ、子供を高い高いするように上半身を起こすと、項垂れた結城の横顔がやっと画面に映った。
男の精液でドロドロの唇から白い粘液をポタポタと垂らし、細く短い息を吐いている。
「わ、すげぇエロい顔……ほら結城ちゃん、アーン、」
男が結城の顎を掬い、親指を口の中に突っ込んで舌を押すと、結城は玩具のように素直に舌を出して口の中を晒した。男が結城の顔を横向けさせ、犬にでもするように頬をちゅうちゅうと吸うと、結城の表情はカメラに大写しになった。
結城は虚ろな目を伏せ、涙を流れるままにさせていた。赤い舌は男の指との間に銀糸を引いて、ひくひくと痙攣している。涙と汗と精液が、細い顎からポタポタと垂れた。
「か、はっ……、」
と、切なげに眉間に皺が寄ったのは、指で解された穴に部長の一物が捩じ込まれたからだった。
「くっ……ぅ、さすがに初物は狭いな……、」
部長の手が結城の腰をぐいと引き上げ、ペニスを奥へ進めていく。勃起したそれは長く、横からだと結城の尻の中に収まっていくのが手品のようにさえ見えた。
部長に握られた結城のペニスも、すっかり起ち上がっている。手で刺激されたのもあるだろうが、男の性器が奥に入っていく度にトロトロと先走りが溢れ、テーブルの上を汚していった。
「なぁ結城、どうだ俺のチンポは?」
「こいつちゃんと感じてるんじゃないですか? すごいですよ、ザーメンどんどん溢れてきて……」
「ふふ、ほらな。俺が思った通り、お前は口より身体の方が正直なんだ」
言うと、部長は腰を引いた。結城の尻、というより腹の奥深くまで突っ込まれていた野太い男根がぬぅっと姿を現す。血管を浮き立たせた赤黒いそれが引き締まった男の尻を犯しているのは、グロテスクであると同時にひどく淫靡だ。
「は、はぁッ……あ、やぁ……ッン、めて……くださ、」
「やめないよ。結城にはたくさんボーナスをあげなきゃな」
後孔の入口をカリ首で虐めるように腰を前後させると、結城が唇を震わせ細い嬌声をあげた。机に突っ伏し、すっかり顔を隠してしまう。まるで昨晩、俺の前で酔い潰れた時のように。
「は、あ、あっ、ぁン、……ぁ、あぐ、あぅ……ッ」
「結城の好きなところを見つけてやろうな……」
部長はじょじょにペニスを中へ埋没させながら、探るように細かに腰を前後させる。その度に結城はピクピクと震えたが、あるところで結城は驚いたように上体を上げた。
「ひっ……! あ、ぁ……っ、な、に……、やだ……ッ、」
引き攣った顔で部長の方を振り仰ぐ。怯えた顔に、部長が悪魔のような笑顔を返した。
「ここか……?」
「い、ひぃ――ッ!」
部長の腰が突然ガクガクと速く動く。
「あああ、ああっ! あ、あ、あン、あぁッ! あ! あーッ! いや、いぁ、ンぁ、ひっ――!」
結城は甘い悲鳴をあげながら、中をしこたま犯されて勢いよく射精していた。
結城が達しているのにも構わず、部長はしつこくそこでピストンし続ける。結城の凄まじいイき方に、乳首や身体を舐めていた連中も身を引いてその悶え方を凝視した。それからそろっていやらしい笑みを浮かべる。
「すげ、初めてでトコロテンてどんだけ?」
「結城ちゃん、こっちのお仕事のが向いてるんじゃないの」
「あ、はっ、も……、無理、無理、むぃ……っ、あぁ……ッ」
「男のGスポット、前立腺だよ。初めてでここが気持ち好いなんて、結城はやっぱり才能があるなぁ」
部長は楽しげに言ったが、喘いでいた結城はそのうち荒い息遣いで痙攣するだけになった。
「う、すごい……ッ、く、締めつけが……! は、もしかしてっ、メスイキしてるんじゃないか、お前……!」
「ひ…、ぅ、ひ……、」
部長は痙攣する結城の腹の奥を乱暴に突き上げると、そこでぴたりと結城の背中に顔を寄せ、ビクビクと震えた。
「ぁ……、う、そや、……な、か……ッ」
「そうだ……お前の腹に、俺の精子をたっぷり飲ませてやったぞ……ッ」
「あ、は……っ、や、だやだ、や……っ」
「く、ふぅ……、いっぱい出ちゃったな……」
部長がゆっくりと腰を引くと、グロテスクな肉棒が白濁に塗れて出てきた。カリが出口に引っかかったが、ちゅぽ、と音を立てて抜けると中からドロリとした体液が溢れ、結城の太腿を伝った。部長は結城の尻を掴むと穴をぐぱ、と広げる。中から次から次へと精液が溢れ、結城の足元にパタパタと落ちていった。
「あ、ぁ……っ、も、やめ……助け……て、やま、なせんぱ……ぃ、」
画面の中の結城に名前を呼ばれ、俺ははたと我に返った。
陵辱の一部始終を画面越しに見ていた俺は、気付くと傍観者のように夢中になり、あろうことかAVを初めてみた中学生かのように緩く勃起していた。
なんてこった――こんなことをしている場合じゃない!
俺はガタンと席を立つと、会議室直結のドアを勢いよく開けた。ばっ、と一同の視線が俺の方に向く。
画面で見たままの光景がそこにあった。スーツの男達に囲まれ、半裸の上体で尻を犯されている結城の姿が。
「やま、なせ、んぱ……?」
ぼんやりとした結城が再び俺の名前を呼ぶ。その瞳に涙が溢れ、わずかに生気を取り戻す。
「せんぱ、……先輩、せんぱ、……山奈せんぱ……っふ、ぅ……ッ助け、て……、」
泣き暮れる結城を痛ましく見やり、それから俺はだらしなく性器を垂らしたままの部長に向き直った。
「部長、ここで行われた一部始終は、証拠として顔までしっかり撮りましたよ」
「……山奈、」
部長が俺をじっと見据える。その隣にいた先輩が俺の方に歩いて来ると、乱暴に俺の肩を掴んだ。
「山奈ちゃん……、お勤めご苦労様ぁ」
「もう、いつも俺がセッティングなんだもんなぁ。ほら、もうパンパンですよ」
俺が自分の膨らんだ股間を誇示すると、部長と先輩達がどっと笑った。結城の息がひゅ、と止まる。
「山奈、せんぱ……?」
「悪いな、結城。この映像を流されたくなかったら、部長、そして俺達先輩の言うことをちゃんと聞くんだぞ」
何を言っているかわからないという顔で、結城がポカンと口を開けて俺を見ている。ああ、その口の中に、オアズケを食らっている俺のムスコを早くブチ込んでやりたい。その欲望を押さえ、俺は笑う。
「酔っ払って、よりによって俺に相談しちまうとはな」
「今朝、山奈から話を聞くまではもう少し泳がせておいてやろうと思っていたんだが」
部長が結城のシャツを掴み、ずるりとその身体を引き起こすと、乱暴に床に転がした。結城は無様に横向きに倒れた。
絶望的な色を浮かべる瞳が俺を真っ直ぐに見つめる。もう本当に縋れないのかと、一縷の望みに賭けるかのように。
「なんで……嘘、でしょ……? 山奈せんぱ……」
呆然とする結城を跨いで仁王立ちになると、俺はそのまま腰を落とした。肌蹴た胸に馬乗りになり、もがく結城の顔を挟むように床に両手をつく。結城の視界を支配すると、言った。
「毎年新人が入って来たら俺が世話役なんだ。みんなすぐ辞めちまうけど、お前はよく頑張った方だ」
俺も入った年は標的にされかけて危なかった。同期のヤツを陥れて部長に取り入り、今の立ち位置を確立した。今でも1番下っ端だから、先輩達にコキ使われるのはちょっと癪だが……忠犬のように俺に懐いた後輩達が次々と堕ちていく様を見るのは、単調な社会人生活のいいスパイスだ。
「巡り巡る、だよ。お前が先輩になった時、下のヤツに返してやれよ」
……ま、それまで耐えられたらの話だけどな。
俺はズボンのファスナーを下ろすと、そそり勃つペニスを握り、震えている細い顎に手をかけた。
2016/10/05
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