そんなの、わかってる
*
ここは、柊一族の別荘がある森の奥
アンシエントである遥斗は、ブロードウェイでのミュージカル休演期間である3週間、日本に帰国していた
遥斗「…んー。さすがに、ここまで山奥までくると、気持ちいいな」
遥斗は朝の散歩に別荘近くの森の中を散歩していた
「はるっ!」
ぎゅっ…!
遥斗「えっ、名前!」
橋の上で伸びていた遥斗の背後から、あたしは遥斗に抱きつく
「えへへ、びっくりした?」
遥斗「それは、びっくりもするよ。どうして来たんだ、これはアンシエントとしての合宿だから、名前は連れていけないって、説明しただろ?」
「だって、はる…また3週間後にはアメリカ行っちゃうんでしょ?日本にいるのに、会えないなんて、寂しくて…」
遥斗「…名前」
遥斗はあたしを優しく抱き寄せる。この、大事なものみたいに、そっと優しくぎゅっとしてもらうのが、あたしは好き。
遥斗「名前、ごめん。そうだよな、名前とこうしていられるのだって、今だけだな」
「わかってる。はるはアンシエントなんだから、この合宿、大事だよね。だから、隣の別荘をおじい様に借りたの☆こうして、朝だけでもいいから、あたしを構って?」
遥斗「ふふ、まさか、名前からそんな風に煽ってくるとはな」
「あ、煽る?////あたしはただ!はるともっと一緒にいたくてっ!」
遥斗「ほら、それが、煽ってるっていうんだ」
ちゅっ……//////
「ん…は、はる////」
軽いキスから、はるのキスはどんどん深くなっていく
「んあっ…は…る…////」
あたしの限界を感じたのか、はるはゆっくりとキスを止める
遥斗「朝から、こんな声を聞けるとはね」
「はっ…はる、いじわる/////」
遥斗「それは、名前が一番知っているだろう?」
ははっと笑って、はるはあたしの頭をポンポンとしてくれた
遥斗「それより、よく俺がここにいるってわかったね」
「ふふ、そんなことはお見通しです」
遥斗「いつになっても、名前にはかなわないな」
*
名前(ねえ、やっぱり朝だけなんて無理。稽古以外は、はるのそばに、いてもいい?)
遥斗(君がこんなに側にいると知って、離れられる程、俺だって我慢強くないさ)
名前(は、はる…/////)
遥斗(そんなの、わかってるんだろう?夜は迎えにいくさ)