そんなの、わかってる








ここは、柊一族の別荘がある森の奥


アンシエントである遥斗は、ブロードウェイでのミュージカル休演期間である3週間、日本に帰国していた


遥斗「…んー。さすがに、ここまで山奥までくると、気持ちいいな」


遥斗は朝の散歩に別荘近くの森の中を散歩していた





「はるっ!」


ぎゅっ…!


遥斗「えっ、名前!」


橋の上で伸びていた遥斗の背後から、あたしは遥斗に抱きつく


「えへへ、びっくりした?」

遥斗「それは、びっくりもするよ。どうして来たんだ、これはアンシエントとしての合宿だから、名前は連れていけないって、説明しただろ?」


「だって、はる…また3週間後にはアメリカ行っちゃうんでしょ?日本にいるのに、会えないなんて、寂しくて…」

遥斗「…名前」


遥斗はあたしを優しく抱き寄せる。この、大事なものみたいに、そっと優しくぎゅっとしてもらうのが、あたしは好き。


遥斗「名前、ごめん。そうだよな、名前とこうしていられるのだって、今だけだな」


「わかってる。はるはアンシエントなんだから、この合宿、大事だよね。だから、隣の別荘をおじい様に借りたの☆こうして、朝だけでもいいから、あたしを構って?」

遥斗「ふふ、まさか、名前からそんな風に煽ってくるとはな」


「あ、煽る?////あたしはただ!はるともっと一緒にいたくてっ!」


遥斗「ほら、それが、煽ってるっていうんだ」


ちゅっ……//////



「ん…は、はる////」

軽いキスから、はるのキスはどんどん深くなっていく


「んあっ…は…る…////」


あたしの限界を感じたのか、はるはゆっくりとキスを止める


遥斗「朝から、こんな声を聞けるとはね」

「はっ…はる、いじわる/////」

遥斗「それは、名前が一番知っているだろう?」


ははっと笑って、はるはあたしの頭をポンポンとしてくれた


遥斗「それより、よく俺がここにいるってわかったね」


「ふふ、そんなことはお見通しです」


遥斗「いつになっても、名前にはかなわないな」







名前(ねえ、やっぱり朝だけなんて無理。稽古以外は、はるのそばに、いてもいい?)
遥斗(君がこんなに側にいると知って、離れられる程、俺だって我慢強くないさ)
名前(は、はる…/////)
遥斗(そんなの、わかってるんだろう?夜は迎えにいくさ)