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「はぁ〜」




私は溜め息をつきながら海を眺めた。今日は雲1つない快晴なのに私の心はずん、と曇っている。




『どうしたんだ、***?具合でも悪いのか?おれが診てやろうか?』




いつの間に近くにいたのだろう、船の手すりに立ったチョッパーが、その愛らしい瞳を心配そうにしかめて私の顔を覗いた。おでことおでこをくっつけたり、目の下を引っ張ったりして心配してくれる姿があまりにも可愛かったものだから、そのままチョッパーをぎゅーっと抱き上げた。もふもふの毛並みとお日様の匂いがとても気持ちいい。





「あー、大丈夫よチョッパー!私は至って健康!心配してくれてありがとぉおおー」

『おおお〜!そっかー、良かったぞ〜!***くるじい…』




私はハッとして力を緩めてやると、チョッパーはよろよろと地面に座り込んだ。慌てて私はごめん!と謝る。
チョッパーは平気だ!と言ってにっこりと笑った。





「チョッパーはいいなー」

『なんでだ?』

「だって可愛いし、ちっちゃくなってる時は軽いから皆にくっついても気にされないでしょ?」

『?』

「私もなー、自由に体形変えられればなー…」

『***…太ったのか?』

「ぎくっ、」





私はチョッパーの直球ど真ん中な一言に、矢を刺された気分だった。私はしゃがんでチョッパーと目線を合わせた。





「ちょっ、チョッパー…聞いて、サンジ君の作ってくれるデザートが美味しすぎるのっ」

『うん!おれも好きだ!』

「でもナミとロビンはなんで太らないの?!絶対脂肪はおっぱいについてるよぉ〜」

『うーん、体質かなぁ…』

「この間海軍から逃げる時に私足遅いからゾロが担いでくれたんだけど、***重くなったんじゃねーか?って言われてさぁ…」

『お、おう…』

「船に戻って体重計乗ったらピーkg増えてて…」




がっくりと膝を落とす***の肩をチョッパーはポンポンと叩いてくれる。




『なんで太ってちゃだめなんだ?』

「え?だって女の子は太ってると可愛くないでしょ」

『おれ、今のままでも***が大好きだぞ?』

「チョッパーっ!私も好きーっ!」





私は涙目になりながら再びチョッパーに抱きついた。チョッパーは少しほっぺを紅くしてえへへ、と言う。






『なるほどな、***が最近元気無かったのはそういう訳だったのか〜』

「る、ルフィ!聞いてたの?!」

『よーし!***、しっかり捕まっておけー!』

「わぁっ!ええええええええっ?!」




グイーンとルフィの手が伸びてきて私は空高々と持ち上げられた。



「ルルルフィ!降ろしてー!こわっ!怖いよー!」



怖いっていうかそれ以上に恥ずかしい…!こんなに高く持ち上げられたら、私のスカートの中はルフィに丸見えじゃない!暫くしてルフィは私を降ろすと、ニシシッと笑いながら楽しかっただろ?と言った。





「いきなりあんな事しないでよっ!」

『だって***、チョッパーが羨ましかったんだろ?チョッパーはああするとすごい喜ぶ』

「もう!なに聞いてんの!」

『それに***、全然重くねーぞ』

「!」

『今日はピンク色だったな!』





なっ!私は何の事を言ってるのかが分かると、段々と顔が熱くなっていった。怒ろうとしたのだが、その前にルフィはほらっ、と言って背中を向けてしゃがむ。



「えっ、なに?」

『何って、おんぶだ!』

「は、はぁ…」

『チョッパーみたいに肩車の方が良いか?でもパンツ見えるぞ?』

「おおおんぶでっ」



私は再び紅くなった顔を隠すように、ルフィの背中に乗っかった。以外に広い背中にドキッとしてしまう。チョッパーはおれもおれも!と言って私の背中にくっついた。





「よし!じゃあ、おやつ貰いにレッツらゴーだ!」

『えっ!?待ってルフィ!』





私の言葉も虚しく、とんでもないスピードでルフィはキッチンに向かった。





『サンジー!おやつまだかぁ?おやつおやつ〜』

『あー、うっせぇなー…ホラ、もう出来てるよ』




やったー!と言ってルフィとチョッパーは目を輝かせる。私はその美味しそうなチョコレートケーキを目前にしてゴクリと唾を飲んだ。だめだめ、ここで手を出したらまた太っちゃう…




『どうしたんだ?***ちゃん、食べないのかい?』

「う、うん…食欲なくって…」

『あのな!サンジ!***は今ダイエッふがふがが…!』





私はチョッパーの口を塞いでなんでもない!と言ったのだが既にサンジ君には聞こえていたようだ。







『ぬぁにぃいー!***ちゅわんっ!***ちゃんはずぇーんぜんっ!太ってなんかない!むしろそのままでいい!』

『それ、おれさっき言ったぞー』

『しかし、おれの甘いデザートが***ちゃんをこんなにも苦しめていたなんて…これからはもう少し低カロリーを意識したもの用意するからねっ』

「あ、ありがと…」






なんだか皆に知られてとっても恥ずかしい。サンジ君は作り直しだー!と言って奮闘してるし、ルフィはじゃあこれ食べていいのかー?!と言いながら既に私のケーキを食べている。





「部屋戻ろ…」




私はなんだかどっと疲れて部屋へ戻ろうとした。その時偶然ゾロとすれ違う。




「あ。ゾロ…」

『何だ、この騒ぎは…』




呆れたようにキッチンの方に目を向ける。中からおれも食べたいー!もうおれのもんだー!とガタガタ机やイスがぶつかる音が聞こえる。私は呆れたように言った。






「きっとルフィとチョッパーが私のケーキの取り合いしてるの」

『お前の?食わなかったのか』

「あ、はは…食欲なくて…」

『珍しいな。いつもは目光らせて食ってんのに』





私は(元はと言えば誰の所為ですか)と少し口を尖らせた。するとゾロは私の方をちらりとみて眉を動かすと少し付き合え、と私を担いだ。




「わっ、やだ!ダメ!」

『ああ?』

「私、重いから…っ」




はっ!口が滑った!ゾロにまで知られてしまったらもう秘密なんてものじゃない。きっと鼻で笑われてしまう。私は直ぐに口を紡いだ。




『はァ…、そんなこったろーと思ったぜ』

「え?」

『お前、こないだおれが言った事気にしてんだろ?』

「…だ、だって」

『少し体重増えた所で別にこのくらいの重さへでもねーよ』






私のお腹の部分を片手でひょいっと持ち上げると、さも軽々とダンベルのように上下させる。その扱いにむっ、と私は口を膨らませた。







「じゃ、じゃあ最初っからレディに向かってそんな事言うなぁーっ!!!」

『うわっ、コラっ、暴れんな***!』





バタバタと私は手足を動かして、ゾロの顔やなんかをぶってやった。





『ああ、わりぃ、悪かったよ!』





とゾロは私を降ろす。そしてそのまま私の上に乗っかった。






『そんなに痩せたいんならな、とっておきの方法があるぜ』

「え、なに…?」





『そいつぁ、お楽しみだ』






私の上でにやりとゾロは笑うと、私の太ももをするりと持ち上げて口付けた。


ま、まさかね…








悩める乙女










(2012.12/13)

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