「はーい紹介します。悠二の先輩に当たる名前でーす」
そう言って五条に紹介されたなんの変哲もない女生徒が人の良さそうな笑みを浮かべている。
「虎杖君だよね、二年の苗字名前です。よろしくね」
「あ、うす。よろしくオネガイシマス」
差し出された手を反射的に握り返した虎杖が形だけの挨拶を返した。
困惑しているのか虎杖に助けを求める様に視線を向けられた五条がぽんと女生徒の肩に手を置いた。
「この子悠二の先輩。なんか良いアドバイスでもあげられるかと思ってさ」
ね?と声をかけられた苗字の笑みに困惑の色が混じる。
「いや何度も言いましたけど側が似てるだけで中身は全然違うので大したこと言えないと思うんですけどね…」
「でも僕よりは身のあるアドバイスできるかも知んないじゃん?とりあえずだよ、とりあえず。」
五条の言葉を聞いてため息を吐いた先輩らしい女生徒がちらと虎杖に目を向ける。
「あ、ええとその。…君は宿儺の器でしょう?ちょっと事情は違うけど私も呪霊の器でね。だから先生に連れてこられたんだけど…あんまりアドバイス諸々期待はしないでね」
その言葉に合点がいった虎杖からようやく体の力が抜ける。無意識に力の入っていた自分に少し驚いて今度はこちらが人の良い笑みをする。
「そう言うことね。じゃ、改めてよろしく先輩」


と言う器主による原作沿(?)シリーズ。
夢主一族はとある呪霊といくつかの縛りを交わしていて利害関係の一致により長い間その呪霊を使役することで呪術師をやっていた一族。だけど何代かに1人の器に生まれたのが主だったので今回は使役ではなく器として呪術師をやっている状態。
準一級か一級かな。純粋に呪霊の術式が強い。主本人は準二級か三級程度。
呪霊の生存と引き換えに力を貸してもらっているので器が死にかけであれば本家に祀られた代替の器の呪物に逃げる寸法。その場合強制的に器との契約が切れるので器は結構やばい。呪霊はその後別の術師と使役関係を結ぶことで協力は続行していくと言う縛り。
だが器の資格があると言うだけで一族の術式は使える。単純に式神を扱う呪術なので強く無い。十種影法術には全然及ばない。
呪霊の術式はすでに刻まれているので単独任務もある。
真希と仲良し。