酸味が欲しい
「………、トイレ行ってくるね」
「うん、いってらっしゃい」
―――バタン
「辛そうだね」
「うん」
「大丈夫かな、?」
「カメラの前に立つと普通になるから不思議なんだよね」
「つわりってあんなに酷いんだ」
「ご飯も食べれなくなる人もいるみたいだよ」
「そう、芽依なんて作るだけで吐きそうになっちゃって」
「え、それ大丈夫なの?」
「うーん、わかんない。とりあえず今は自分で作って食べるようにしてるけど」
「芽依ちゃんは?ちゃんと食べてる?」
「翔くんが今、食べれなくなるって言ったばっかだろ」
「あ、そっか」
「酢の物は食べれるみたい。もずく酢とか、大根とかきゅうり切ってあげたり」
「だから最近、酢こんぶ持ってるんだ」
「そうなの?」
「食べてない?酢こんぶ」
「食べてる食べてる」
「でもそれじゃ栄養摂れないよな」
「肉食べないと死んじゃうよ、芽依ちゃん」
「鳥ささみとか蒸して、酢の物に一緒に入れてあげなよ」
「ナイス、潤くん。参考にします」
―――ガチャ
「おかえり」
「ただいま」
「何か飲む?」
「水」
「ん、」
「ありがと」
「いい旦那さんになったな、ニノ」
「んふふ、なによ(笑)」
「和也」
「ん?どうした?」
「酢こんぶ」
「はいはい」
「ははっ、さっそく酢こんぶ(笑)」
「ほら、食ってんじゃん」
―――コンコン、ガチャ
スタッフ「嵐さん、スタンバイお願いします」
「はい」
酸味がほしい
(「いきなりシャキッとしたね」)
(「さっきまでぐったりしてたのに」)
(「無理しないでよ?」)
(「大丈夫」)