嵐フェス@ソロ

真っ暗なステージの上、一点にライトが照らされた

そこにリフトで上がってくるのは、クリスタルピアノに向かう渡辺

白いワンピースが神秘的な雰囲気を漂わせている

深呼吸をして鍵盤に触れる

―――♪

「「きゃぁぁぁあ!!」」

奏でられたのは彼女の曲ではなく

二宮和也のソロ曲『虹』

―――いつもそうよ。

―――「拗ねるときみは。

―――「私の大事な物を隠すでしょ。

「「きゃーっ!」」

スクリーンには二宮と渡辺の写真が流れはじめる


―――ビックリした顔で私を見つめては

―――「急に口尖らせてプイっと外見るの。

目を伏せ、微笑みを浮かべる

揺れる睫毛すらも艶っぽい

―――私もやって見せてあげるの。

―――「同じ様に口を尖らす…。

無駄な伴奏はなく

渡辺の声の後ろは、その白い指が滑るピアノの音だけ

―――これからはちょっとくらいの我が儘。

―――「言ってもいいよ。

―――「でも私にだけよ。

二宮とはまた違った響きが広がる

その歌声に涙する人の姿も

―――面倒くさいからって

―――「素直じゃないんだから

―――「何で言えないのかな?

―――「好きだよ。

―――「一言よ?

首をかしげる仕草

その表情はどこか幸せそうで

誰かを想っているよう

「「la...la...la...」」

―――虹がキレイだよ。

―――「いや、お前の方が…

―――「テレはじめるきみに。

鍵盤から手が離され、そのままマイクを持つ

「「きゃぁぁあ!!」」

コツコツ、とヒールを鳴らし

ステージの中央に立つ

(しーっ)

「「………」」

(にこっ)

―――ありがとう。ありがとう。

会場の拍手と共に渡辺を照らすライトも消えていく

残されたのはスクリーンの明かり

「「きゃぁぁぁああ!!!」」

映し出されたのは

手を繋ぐ二宮と渡辺の後ろ姿