憧れから恋が生まれた瞬間
事務所に入って初めてのレッスン
女の私に話しかけてくれる人なんていなくて
そんな中、自分から話しかけることなんてできなかった
「アナタ１人？」
「え、」
顔を上げた先にいるのは、いつもテレビで見ていた憧れの人
「名前は？」
「渡辺芽依、です」
「芽依ちゃんね。俺は、」
「二宮和也くん」
「あれ、知ってんの？」
「テレビでよく見ます」
「そう？」
わざわざ見てるのだけど
「ダンス上手いね。レッスン初めてでしょ？」
「はい、」
…話が続かない
「もしかして俺と話すの嫌？１人でいたい？」
「いえっ、そんなことないです！」
「そっか、じゃあもう少し話そ？俺、相葉くん待ってないといけないの」
「ゴメンゴメン、結構時間かかっちゃた！」
「遅いですよ、ホント」
「あ、ちょっとニノ！俺が話しかけようと思ってた子なのに！」
「知らないよ、そんなの。早い者勝ちです」
「俺、相葉雅紀！」
「渡辺芽依です」
「相葉くん、電車の時間が」
「え、ウソ！？ちょっと待って！」
「慌ただしいでしょ？」
んふふ、と笑うキミが印象的だった
「行こう、ニノ！」
「はいはい。またお話しましょうね」
「じゃあね！」
「ばいばい、芽依ちゃん」
手を振って微笑む姿に胸が高鳴った
"憧れ"から"恋"が生まれた瞬間
（「んふふ」）
（「何、１人で笑って」）
（「昔のこと思い出してた」）