GUTS! ジャケ写

「え…これ本気ですか？」

今日は新曲のジャケット写真の撮影。先ほどスタジオ入りして、今は衣装に着替えているところです。

「大真面目です」

本気と言われれば着るしかない。…コスプレにしか見えないだろうけど。

「終わりましたー」

「どう？お腹とか苦しくない？」

「大丈夫…です」

「男は喜ぶわよー(笑)。芽依ちゃんのセーラー服なんて」

そう。今日の衣装はセーラー服なのです。

「こんなので喜ばれても嬉しくないもん(むすっ)」

「いいじゃない。櫻井くんが喜んでくれるわよ？(笑)」

「こんなので喜ぶなんて変態親父ぐらいだよ」

「渡辺さんそろそろ楽屋戻っといてくださーい！」

スタッフさんに言われてしまった。こうなると、戻りたくなくても戻らなければならない。

「なんか羽織るものないの？恥ずかしい」

「ない」

即答ですか。そうですか。

「そっか。じゃあ行ってくる。」

はぁ。なんで30前の女がセーラー服着てるんだろ(笑)。

「どうもただいまです」

楽屋に戻り、急いで家から着てきたコートを羽織る。今日コート羽織ってきてよかった。

「え…え！？」

「…なに」

「なにってその衣装…」

「セーラーです」

「珍しいねセーラーて」

「え、そこ？」

「その服ドラマの制服とすごい似てる」

「にのみさんのドラマの制服こんなんなんだ」

「ちょ、芽依立って」

「えー、やだよ」

いいからいいから、と言われ渋々立つ。コートも脱がされ、私はセーラー服だけになってしまった。

「可愛いな…写真写真」

「やだし！智くん助けて！」

智くんの後ろに回り、盾にする。

「うおっ！俺かよー」

「翔ちゃん変態」

「翔くんスケベ」

「翔ちゃんムッツリ」

「翔ちゃんニヤニヤしてる」

「翔くんなんかやだ」

一斉にみんなで翔ちゃんに罵声を浴びせる。ふふっ。なんかかわいそうになってきた(笑)。

「あとでだったらいいよ」

「嵐さんお願いします」

あー、呼ばれちゃった。行かなきゃね。

「芽依これ着てて」

そう言って渡されたのは翔ちゃんの着ていたジャケット。

「なんで？」

「その格好で歩くと襲われる」

「んなアホな(笑)」

「いいから着てて！で、手繋ぐ！」

「わかったわかった(笑)」

「どっちが年下かわかんないね」

「ふふっ。そうね(笑)」

翔ちゃんの心配性はまだまだ治らないみたいです。