1
あたりは瓦礫の山だった。その中心に1人、ぽつんと座り込む影。
『あー…痛ってぇ…』
影の周りには、動けなくなった敵。
敵との戦いで作った口元の傷を撫でると、ピリッと痛みが走る。それに顔をしかめ、報酬をもらうために影は立ち上がった。
すると、コートのポケットからハラリと何かが落ちる。
『…あ』
落ちたのは、写真。ギルドのみんなの集合写真。
なつかしいなぁ、なんて思って。
そういえばしばらく帰ってないな、とも思った。
『……………!』
その時、悪戯な風が彼女のフードを下ろしていく。そこから見えたのは、深紅。
『チッ』
頭をかき、周りを見渡してフードを目深に被る。
ため息をついて、もう一度、写真を見た。
『帰るかぁ』
口元は、緩やかにカーブを描いていた。
- 3 -
<< >>
しおりを挟む