蒸し暑くて目が覚めた。
真っ暗で何も見えなかった。


たぶん、目の前にあるのは御手杵の胸板。
いつも通り腕枕されているけど、夏はやっぱり暑くて仕方が無い。



「(喉乾いた…水…)」



むくりと起き上がって、目を擦って、ベッドを降りた。
台所の水道を捻って、コップについで、水を飲めばまぁ爽快感。
ふぅ、と一息ついてベッドに戻る。

暗い室内、ぼんやりと見えるのは、タオルを引っ掛けて眠る大男のシルエット。
大きな足がベッドの淵から飛び出しているのが確認できた。

セミダブルのベッドで眠る彼を見ると、いつも笑いそうになる。


「尻尾…?」

「ごめん、起こした?」

「ん…」


ベッドにあがって、御手杵の腕の中に戻ると強く抱き締められた。
視界は真っ暗になる。


「御手杵、鼻が潰れる」

「もう潰れてんだろぉ…」

「ちょっと?」


背中に回してた手で脇腹をつねった。
「くすぐってぇ」といった彼は腕枕してない方の手で私の手を掴んで、そのまま口付ける。


「…ふ、くすぐったい」


掴まれた手を解いて、もう一度背中に腕を回した。

ぎゅうっと抱き締めると、柔軟剤の匂いでいっぱいになった。

同じ柔軟剤を使ってるのに、この人の匂いだけは別のように感じるの、なんでなのかな。


すり寄ると、また強い力で抱き締められた。



「ふ」

「何ニヤけてんの」

「別にー」

「またそれ」



暑いけど、御手杵の胸に顔を埋めたまま眠ろうと目を閉じた。

まだあと4時間は眠れるはずだ。





「酸素が足りない」

「尻尾それいつも言ってるぜ」


埋めていた顔を上げたら、待っていたかのようにキスをされた。

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