一年前くらいのことをふっと思い出して、頬が緩む。


あー懐かし。あの時は幸村先輩にあんなこと言ったけど…今考えると私だいぶ恐ろしいこと言ったな。生きててよかった。うん。





ゴン。






『だっ……何?』

「うわっ悪い相模!!大丈夫か!?」

『?…あ、ボールか』

「……」

『あ、すみません大丈夫です』




いかんいかん、ボーッとしてた。

先輩はならいいけどよぃ、と言ってボールを持ってった。相変わらず目に優しくない髪色だなぁ。目立つけど。




『てか…やっぱ痛いわ』




ジンジンする。丸井先輩も結構強く打つんだな…感心してるわけじゃないけど。

あの人ボレーテニスじゃん。
手首のスナップだけあればいいと思ってた。

ってこれ失礼じゃね。



「どうした相模、丸井の打ったボールが飛んできて頭にあたりでもしたか?」

『…………………』






何でわかるんです。





『まぁ、そんな感じです』

「処置はしたのか?」

『いえ、なにも…』

「それはいけないな。冷やすぐらいはしておかなければあとで腫れるかもしれんぞ」

『あぁ、大丈夫ですよ。放っとけば治ります』

「駄目だ。冷やせ」

『痛っ冷た!?ちょ、柳先輩なにすんです!?』

「応急処置だ。冷やせと言っただろう」

『…随分荒療治ですね。てかどこから出したんですか氷』

「持ってたぞ」

『…そうですか』




ありがとうございます、

構わん。

…練習行かないんですか?

休憩中だ。少しぐらいこちらにいても何も言われないだろう

そうですか。…あ、ドリンクどうぞ

あぁ、ありがとう





柳先輩は、人としてどうかと思うけど「心外だな」





………………いい先輩だと思います。





(あとから聞いた話)
(私の頭にボールが当たったのを見て、わざわざ氷を取りに行ったらしい)
(そこまでしてくれる理由がわからないけど)