…さて、どうしようか。
せっかくの休日だ、外になんか出たくもない。それもテニス部と一緒に遊ぶなんて、もってのほかだ。疲れるじゃないか!
『(…でも、行かなかったときの無言の圧力怖い。それにゲーセンって言ってたよなぁ…。ゲーセンか…ゲーセン…mai×2したいな…踊れるやつもやりたい…)』
音ゲーしたい。
あーでも見られたくはないかなあ…
あ''ー…
うん。行こ。
さんざん悩んだ結果ゲーセンという場所に折れのろのろと着替え出す。
時間はまだあるし、と思いながら久々に着る服だ、なんにしようかなー。
地味に楽しみになった。
『(…こんなもんかねぇ)』
楽しそうとはいいながらも、本人にはセンスがない(と思っているだけで実際はわからない)ため、こちらも散々悩む結果になった。
もうテキトーに、とそこら辺にあった服を手に取り着替える。
『(はー…)いってきまーす』
いってらっしゃい、母の声を背中に駅まで歩き出した。
10時になるまで4、5分といったところか。
駅前のゲーセンの出入り口では、周りの注目を集めている集団がいた。
言うまでもなく、立海大テニス部の面々である。
「…遅いなぁ。まさか来ないなんてことはないと思うけど」
「そうせかすな精市。相模だって女子なんだ、支度するのにに時間はかかるだろう」
「ちゅーかまだ10時になっとらんぜよ」
「…気が早いな」
「だって早く来て欲しいじゃん?」
『(うっわ
近付きたくねぇ!! )』
それを遠くから見ていた尻尾は、こなきゃよかった…と激しく思っていた。
実は5分前に着いていたのだが、周り(女子)に注目されている所に行きかねていた。つーか行きたくなかった。
『(団体だからまだいいものの…あれが1人とか2、3人とかだったら確実にナンパの嵐だろうな…うわ怖い)』
というようなことを延々と思いながらタイミングを見計らっていたが、女子の目はなかなか外れない。
それどころか、先程より増えている。
『(やだよーあんなとこ行きたくないよー怖いー)』
帰りたい。
切に願うが、相手は立海大テニス部の部長幸村精市。
ここで逃げたらあとが怖い。本当に。いやマジで。
『(やべぇ10時まで残り1分切った!死ぬ!)』
うわあああああああどうしよォォォォォオ
「……………………………」
「仁王、どうかしたか?」
「いや、別になんも。柳、俺ちょっとそこの雑貨屋見てくるき」
「そろそろ10時になるぞ?」
「大丈夫じゃ。姉貴の誕プレ見るだけじゃから」
急に雑貨屋に行く、と言い出した仁王は真っ直ぐその逆の方向へ向かっていった。
「ねぇ柳、雑貨屋ってこっちじゃないの?それに仁王のお姉さんの誕生日って確か…」
「冬だったな。」
『(あーやばいもう死ぬこれ確定だ死ぬこと確定したくそうmai×2したかったぁぁぁぁぁ)』
「…お前さん、なにやっとるんじゃ」
『うわっ!?…あ、仁王先輩』
「うわっとは失礼じゃのう。後輩が遠くからコッチチラチラ見て溜息ついたのが見えたき、来てやったのに」
『えっあそこから見えるんですか?…有難うございます』
うわぁ恥ずかし。
「そろそろ行かんと幸村がご立腹ぜよ。」
『……………!!』
怖いこと言わんでくださいよ!
「あ、戻ってきたぜぃ」
「おや、隣りに誰かいらっしゃいますね…」
「あれ相模じゃないっスか?」
ほんとだ。
「すまんのー待たせて」
『…遅れてしまって申し訳ありません』
「遅刻ではないけどさ、まずなんで仁王ときたの?」
え、そっち?
『いや、あの…』
「こいつ先の店の陰からずっとこっち見てたぜよ。んで溜息をつくもんだから迎えにいってやっただけじゃ」
『…………………(とりあえず笑っとこう)』
「なに、じゃもう前からいたの?なんで出てこなかったの」
『…(ご自分の周りをよく見てください。今も視線痛いですあいたたたごめんなさい)』
「そう責めるな。大方近付き辛かったんだろう」
だからなぜわかる。正解だけど。
「そーなの?相模?」
『…………はい』
「気にしなくていいのに」
『(私と先輩たちじゃ刺さる視線の意味が違うんですよ)…はい』
いざ、ゲーセンへ。
(あの、仁王先輩)
(なんじゃ?)
(…ありがとうございました)
(プリッ(律儀な奴じゃき))
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