いつからか始めていたバレー。
それは毎日楽しくて、ずっとやりたい、こんな毎日がずっと続けていくんだと幼心に思っていた。
当然それが当たり前のように思っていた。

そんなこと、あるわけがないのに。







「はよーっす!」


軽快な挨拶と共に、肩に加わる衝撃。
同じクラスの友人は朝から元気だった。


「おはよ。」

「今日から俺らも2年やんな〜!
俺ら同じクラスかな!?」

「多分…いや、無理じゃん??」

「そこはそうだとええなとか言うところやろ!
無理とか冷たいわ!!」

「いや、だって何クラスあると思ってんだよ。」


そう、俺たちは高校2年生になった。
こいつとまた1年同じように過ごせたら、とも思うがうちはマンモス校である。
クラスは12組あるため、多分それは叶わない。


「さっこーーーい!」

「ひゃ〜!
バレー部は新学期の始まりも練習かいな…。
流石強豪校ってやつ?」

「…そうだな。」


バッシュが床を滑る音。
ボールが腕に、地面に叩きつけられる音。
張り上げる声。


「(嫌だな。)」


仲間とがむしゃらにつなぐ姿を見るのが。
それを羨ましい、と思わなくなった自分も。