稲荷崎では何かしらの係や委員会に入らなければならない。
平等にジャンケン、といきたくても部活動等の関係でやはり不平等が生まれる。
特に全国区で活躍する部のレギュラーは、集まりがほぼないクラス係に選ばれる。
対して俺のような帰宅部は、集まりや放課後の仕事が入る委員会に選ばれる。


「世理は何に入るん?」

「あー、図書委員狙い。
文化祭実行委員は絶対なりたくない。
治はどーせあれだろ、提出物係。」

「まあそうなるんやろなぁ。」

「羨ましい限りデスネ。」

「でも世理が入るなら図書委員もええな。」

「はぁ?
やだよお前絶対部活でいないじゃん。」


俺に仕事押し付ける気だろ。
と言えば治はケラケラ笑ってばれたかと返答する。


「くそだな。」

「冗談や。
流石に大会前は無理やけど、それ以外やったら問題あらへんし。」


そうは言えど楽な係につけるならそちらに着くのは当たり前で、宮は提出物係に、俺は図書委員になった。











「…ーでは今年度の図書委員長は北くんになります。」


そして放課後、早速委員会の集まりが行われた。
委員長、副委員長、今月の昼休みと放課後の当番決めを行った。
委員長は3年生がつき、俺は取り敢えず昼休みの当番を勝ち取ることができた。


「(北ってどこかで聞いたような)」


思い出せないまま、早速決まった当番表の写真を撮り日付を確認する。
火曜日の昼休み、一緒に担当する相手の名前は北の文字。
気楽な相手だといいなと思いながら帰った。