「裕也オーバーする時はちゃんと落下地点に回り込んで。
指の三角形がおでこの真上来るように。」

「うぃ〜!」


とりあえずウォーミングアップのトス回しから授業が始まった。
治は見たことないけど多分バレー部の子と組んでいる。

裕也は運動神経は良くないけど、言われたことはきちんと行うから基礎だけはうまい。
このまま終わればいいのに、なんてそうは問屋が下さなかった。
俺をバレーに強制的に入れたあの隣の野郎がチーム練とかぬかしてきた。
治くんが向かえにきた。


「おれ補欠になるから他メンバーでやってきて…。」

「何いうとんねん、お前レシーブ上手いやん。」

「…見てたの?」

「おん。経験者なん?」

「まあ一応。」

「どこ中?」

「東京の学校。だから言っても分からないと思う。」


治とクラスのところに戻れば、空いてチームと練習試合をするそうで。
もちろん俺はスターティングメンバーに選ばれた。
裕也はちゃっかり補欠に入っていた。ずるい。

球技祭のルールとして、まずその競技の部活に所属しているものは1名しか出られない。
一名って少なくない?って思ったけど、バレー部レギュラー2人いるだけで独断場と化すらしい。どんだけバレー部強いんだよ。
うちのクラスだと治ともう何人かバレー部がいるみたいだが、治が出てる限り彼らは出れない。
なので経験者が多いチームが強くなっていく。


「ポジションどこや?」

「基本はミドルブロッカー。
セッター以外ならどこでも。治は?」

「ウィングスパイカー。」

「ま?セッターっぽかった。」

「セッターはツムの方。」


ツム?誰だそれは。
顔に出てたようで、治に双子の片割れの方やボケって怒られた。


「ほら向こうにいるやろ。」

「げ。」


指差された方を見れば宮くんがいた。


「因みに宮くんの得意なのって何?」

「ジャンサーとジャンフロ。」

「えげつな。」