妄想別館 弐号棟


浜辺のサーフショップ その1


夏真っ盛り!
ここは『某海岸』あるいは『ナントカ海岸』と呼ばれている海水浴場!
月並な言い方ではあるが、まぶしい太陽に青い空と青い海!
沖の波は高く、波乗りを楽しんでいる若者たち!
な〜んてね・・・

さてここに、大学生の友達グループが遊びにやって来た。
男3人(颯真(そうま)、慎吾(しんご)、明人(あきと))に、女2人(舞花(まいか)、琴音(ことね))だ。
5人は海の家で着替え終えると、さっそく浜辺に出てきた。
男たちは結構かっこいいが、女性たちもかなりいい感じ。
もちろん2人ともビキニスタイルである。
ボディコンの舞花がオレンジ色。
少しスマートだが胸はそこそこある琴音は青いのを着ている。
3人の男たちは、うれしくてうれしくて、もう・・・

さて、いい場所を確保しようと思ったのだが、見渡す限り人、人、人!
(明人)「う、イモ洗い。すごいなこれは」
(琴音)「もう少し人のいないところがいいね」
向こうの方に大岩が見える。
(慎吾)「あそこまで行けば人が少なそうだな」  
行ってみるか!
少し歩いたが、思った通りガラガラであった。
これはいいや。早速、泳いで遊んで、また泳いで遊んで。

女の子2人は早々と海から出て、パラソルの所に戻ってきたのだが、
さっきから気になっているものがある。
岩の陰に『レンタル サーフショップ』と書かれている店が出ていた。
トタン屋根や葦簀(よしず)で囲っただけの掘っ立て小屋。
どうみても海の家の形態ではあるが、店の前にはサーフボードがずらりと並んで立っている。
(舞花)「なぁにあれ。波乗りもできるのかしら?」
(琴音)「看板からすると、どうもそうらしいね」
「ちょっと見てみようか」と、いうことで中をのぞいてみる。
日よけの暖簾(のれん)をくぐるとお客は誰もいなかった。
奥の方で親父が暇そうに新聞を読んでいる。
2人は「しまった、入るんじゃなかった」と一瞬思った。
掘っ立て小屋の中は、砂の上に簀子(すのこ)を敷いて簡単な台がいくつか置いてあるだけだった。
しかし、サーフウェア、デッキパッドなどはもちろん、サングラス、サーフワックスその他、サーフィンに関する物品類は一応全部そろっているようだ。
なかでも・・・相当な数のサーフボードが店の中に所狭しと立てかけられている。
琴音が何気なく、手近にあったボードを取ってみると「え?」となった。
『ボードの模様も色とりどりだった』といいたいところだが・・・
(琴音)「なにこれ?!」
ボードには絵が描かれていた。いや、絵ではなくて写真が貼りつけられている。
それも全部水着の女性だ。ピシッと気を付けの姿勢をしている。
親父が出てきて「どうですか。面白い絵柄でしょう」と言っている。
(琴音)「そ、そうですね・・・」
引っ込みがつかないので、とりあえず、ボードをなぜてごまかそすとする。
(親父)「サーフィンをやるならお安くしときますよ」
サーフィンといったって、そんなに簡単にできるものではないだろう。
舞花たちは「いえちょっと面白そうだったから寄ってみただけで・・・」
そう言って外に出てきた。
親父は「またいつでもどうぞ」と後ろの方で叫んでいる。
何とも極(き)まりが悪い。

(舞花)「あのサーフボードなんだったんだろ?」
ボードに絵を描くのはお洒落かもしれないが、全部水着の女性だなんて。
(琴音)「なんか気色が悪いね」
変なものを見てしまったわ、という感じの2人である。
慎吾たちも海からあがって、パラソルの陰で休んでいた。
(慎吾)「おいどうしたよ。変な顔をして?」
(舞花)「実は、これこれしかじか、なのよ」
へえ、颯真も明人も興味を示して、
(颯真)「ちょっと見てこようぜ」
(琴音)「ちょっとやめときなよ。趣味悪かったよ」
女性の写真を下敷きにしてサーフィン!
(颯真)「いいじゃないか。買わされるわけでもなかろうし」
店の方に行ってしまった。
(舞花)「何だよ。男ってしょうがないなぁ」
しかたがない。
舞花と琴音は、「お茶でも飲んでようか」「そうしよう」と、待つことにした。




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