妄想別館 弐号棟


チョウチンアンコウ その1


俺は壮太。某大学の4年生だ。
もうすグ夏休みに入り、学生でいられるのも、残り半年と数か月になった。
そこで大学生活の思い出にと、悪友仲間の省吾、慎之介と一緒に海に遊びに行くことにした。
もちろん男だけではつまらないので女の子も誘うつもりだ。
(壮太)「誰を誘う?」
(慎之介)「結衣たちはどうだろう」
ゼミ仲間で比較的仲の良い結衣と美月に声をかけてみた。
きれいでかわいいし、愛嬌もあるしな。
そして・・・
「海?行ってもいいよ」と、すんなり誘いに応じてくれた。

翌日のこと。
(結衣)「あのさ、優香も誘っていいかな。一緒に行きたいんだって」
(壮太)「え?あの優香が?」
少し、いやいや、大いに意外だ。
優香は同じ4年生だが別の学部である。
俺たちは顔を知っている程度だが、結衣や美月とは仲が良いようだ。
一緒に歩いているのをよく見かける。
雰囲気的には、清楚でおっとりした良家のお嬢様のような感じだな。
成績は学部でもトップときている。
もったいないことに、彼氏がいる話や浮いたうわさはないそうだ。
言い寄る男や誘いは結構あるようだが、片っ端から断わってしまうんだとか。
もっとも美月の話では、優香は狙っている男、意中の人が実は誰かいると言ってたっけ。
しかし誰かは教えてもらえなかったようだし、ま、俺たちには関係ない話だよな。
いやそんなことはどうでもよい。
俺たちにとっては、もっと重要なことがある。
結衣と美月も美人な方だと思うが、優香は学内では有名すぎる美人である。
スタイルも良く、スリムなのにメリハリのあるプロポーション。
そうそう学園祭の時の話だ。
彼女には『ミスキャンパスに出場しないか』という話があちらこちらから出ていたようだが、
「私はそういうのにまったく興味ありません。それに水着姿を大勢に見せるなんて恥ずかしくて」
と断ってしまったそうな。
周りの連中はそのたびにガッカリさせられていたとか。
その彼女が俺たちと海に行きたいって?本当かな。
しかも、誰も見ることのできなかった彼女の水着姿を拝めるのか。
ということで、もちろん大歓迎である。
省吾と慎之介に話をしたら、涎(よだれ)をたらさんばかりだ。
いやらしい顔つきになるのを必死に抑えながら、『ウオーッ!』と、ばかりに舞い上がっている。
いや俺も同じか。

数日後、海へ行く日の早朝になった。
集合場所の駅改札口には俺が一番最初に着いた。
車で行けば楽なものを『酒を飲みたい』という、わがままな奴がいるばかりに、電車で行くことになってしまったのだ。
でも大変な思いをしたこともいい思い出になるだろう。
これはまあ許容できる範囲内だ。
やがて一人二人と集まってきた。
(省吾)「酒たくさん持ってきたぞ。ちと重いな」
抱えるような大きいクーラーボックスを担いでいる。
(美月)「海に行く時の必需品だよね。かっこいいでしょ」
ミラーのサングラスをかけて、太陽の光をギラギラと反射させている。
(慎之介)「これ風通しが良くて動きやすいよな。でも柄が派手かな」
チンピラのような短パンをはいて現われた。
(結衣)「どうかわいいでしょ。少し大きいかな」
大きい庇のある帽子を被っている。確かにかわいい。しかし頭が半分埋まっているな。
そして優香は、
(優香)「ピチピチでなんかはずかしいな」
白いTシャツにピシッとフィットしたジーンズ姿であった。
大きな胸や腰のラインが強調されてかなりセクシーだ。
絶好の海日和だし、みんな浮足立つような舞い上がった気分になっている。
だが俺はと言えば・・・
うかつにも前々日に風邪をひいてしまった。
しかし、めげるものか!
せっかく3人の水着姿を拝めるというのだ。欠席などできない。
嫌いな病院にまで行って薬をもらい、気合で参加だ。
優香が間近に近寄ってきて「大丈夫?」と声をかけてくれる。
(壮太)「え、ああ大丈夫だよ」
近くで見るとやはり美人だ。
切れ長のまつげに潤んだ瞳で心配そうに見つめられると、
(う、美しい)
とたんに股間が騒ぎ出してきた。
彼女の水着姿が見れると思うと、絶対参加してよかったと思うぞ。

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