妄想別館 弐号棟


催眠術リレー その4


数日後の話だ。
俺はその日はえらく眠かったのを覚えている。
眠い目をこすりつつ、教室に入り、席に座ったとたん、
「痛てぇ」
思わず声を上げた。
股間が、いやオチ〇チンがえらく痛むのだ。
どうしたんだろ。
身に覚えはないが、まさか変な病気が染ったとか。
1時間目は何とか我慢した。
休み時間になり、トイレで見てみようと急ぎ足で廊下に飛び出した。
そうしたらB組の理恵に呼び止められたのだ。
彼女は俺のガールフレンドだ。
トイレに急ぎたいが、理恵も真っ赤な顔をしている。
「どうしたんだよ」
「啓一、ちょっと来て。急ぐの」と言っている。
しかたがないな。俺は後をついて行った。

理恵は俺を人のいない廊下の角まで連れてきて、周りをキョロキョロしている。
「何?」
「何じゃないわよ。あんた大丈夫」
「だから何が」
彼女が差し出したメモを見て、俺は仰天した。
俺の字だ。間違いなく俺の字だ。そこには、
『俺は催眠術を掛けられている。まずこの洗濯ばさみをとってくれ』
「あ、あ、あ、これは・・・」
理恵は下を向いていたが、笑い出した。
「あんた本当に全然覚えてないの?まったく気持ち悪い物見ちゃったよ」
しかしそのわりには嬉しそうだ。
ハイになっているのがわかる。
「昨日、理由を聞かずに朝一番で来てくれなんて言うから来てみればさぁ・・・」
「は?そんなこと言ったの」
「言ったよぉ。それで朝一番で教室に入ったら、驚いたよ」
再び何かを思い出して笑っている。
「あんた、催眠術にかかったとか言って、教室で全裸になってたんだから。
いくら声かけてもゆすっても全然動かないし。
もし私が寝坊してたら、どうするつもりだったのよ」
俺は、その後の経過も恐る恐る聞いてみるしかなかった。
理恵は興奮して目が輝いているし、話し方も機関銃のようになっている。
「最初はびっくりしたけどさ、笑ったよ。あんたのオチ〇チンに洗濯ばさみで、このメモが挟んであったんだよ」
そうか、俺のオチ〇チンの痛みの原因はそれか。
「それからどうした」
理恵は真っ赤になって「言ってもいいの」
「いいけど・・・」
「本当にいいの」
「・・・・・」
それでも理恵は少しためらっていたが、
「催眠術を解くためにはしょうがなかったのよ。
噴くまでおチ〇チンをしごけって。あ、これあんたが自分で言ったんだからね。キャハハ
おもしろかったよ。どんどん太くなっていって、最後にピュピューと」
もうその先は聞きたくなかったが、理恵は続ける。
「まじめな顔してるくせに結構飛んだんだよ。
あ、心配しなくても後片付けもあたしがやっといたよ。
おかげで手に変な臭いがついちゃったけど。
まあでも、どうやら完全に催眠術はとけたらしいね。よかったよかった」
よくないよ。
俺は恥ずかしくて気を失いそうになった。

「その後、あんたあたしを無視して行っちゃったけど、最後に変な事言ってたね」
「なんて?」
「確か『バトンを渡したぞ』とかだったな」
理恵は首をかしげて、ニッコリしている。
先ほどの真っ赤っかはおさまったが、まだほんのりピンク色の顔をしている。
無邪気に笑う顔はとてもかわいい。
でもでも、そうか。祐子先生も言っていた『バトン』の意味がやっとわかった。
理恵はさらにうれしそうに腰に手を当てながら、
「啓一のすべてを見ちゃった」ウフフとやっている。
俺はやっと少し落ち着いて、フフと笑い返した。
理恵は『おや』という顔をして
「何よその顔は。あたしは見たんだからね。啓一のオチ〇チン。見〜ちゃった見〜ちゃった」
このこざかしくかわいい理恵も、数日後には、どこかの誰かさんに、おマ〇コをちぎれるくらいに引っ張られるんだろうな。

理恵に一方的にやっつけられていた俺は、少し溜飲(りゅういん)を下げたのである。

                                           催眠術リレー 完

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