妄想別館 弐号棟


人を呪わば その1


『24 カプセルトイ』の続編と思って読んでください!

某高等学校のHRにて。
(担任)「そういうことなので、登下校の際は十分に注意してください。
それから、人のいない場所や怪しそうな場所にはくれぐれも近寄らないように」
ここ最近、女性の失踪が増えている。とにかく増えている。
しかも、ほとんどすべての失踪が、この学校の近辺で起きているのである。
だがなんと、このクラスの絵里香はその真相を知っているのだ。
(絵里香:あのホームセンターにある怪しいガチャポンだよ!)

経緯はこうだ。
先日のこと、絵里香は件(くだん)のホームセンターに買い物に訪れた。
「すこしくたびれたな」
彼女が休憩用の一区画に行き、椅子に座りジュースを飲んでいると、
清掃作業員の男が、ガチャポン販売機が置いてあるコーナーに入っていった
(ああ、あそこはガチャポンのコーナーなんだ)
しばらくすると、もう一人、今度は中学生くらいの女の子が。
このコーナーは通路の一番奥にあり、看板は非常に派手だが、通路側から室内はほとんど見えない。
ただし絵里香が座った椅子からは、小さな採光窓を通して室内の下の方が見通せる。
たくさん並んでいるガチャポン販売機、それから中学生と作業員の下半身がチラチラ動いているのが見えていた。
ここのガチャポンコーナーは品揃えが豊富だと、うわさでは聞いている。
「何か面白いアイテムがあるかも。あたしも見て行こうかな」
ここまでは何気ないありふれた光景だ。ところが・・・
「あ!」
突然、中学生の足がスッと縮むようにして消えた。いや正確には室内にいなくなった、ということだ。
「あれれ、女の子、どこにいっちゃたんだろ?」
コーナー内は販売機しか置かれておらず隠れられるところなどない。
今、中にいるのは、下半身が見えている男の清掃員のみ。
驚いているうちに男がしゃがみこんだ。
「何をやっているんだろ?」
床で何かゴソゴソやっていたが、すぐに立ち上がって1台の販売機をいじくりだした。
「・・・・・」
やがてコーナーから出てきて、向こうに行ってしまった。
もちろんその中学生はコーナーから出てこない。
絵里香はなおしばらく座っていたが、相当時間経ってから中に入ってみた。
やっぱり「誰もいないじゃない」
さっきの女の子は消えてしまった。
家に帰ってからもあの不思議な出来事が気になる。そして、
「よし、真相を暴いてやる」
その後も、足繁くホームセンターに行っているうちにいろいろとわかってきた。
ガチャポンコーナーにある『日本の女シリーズ コレクション』!
この上に貼ってある紙の名前に〇をつけると、ガチャポンの人形になってしまうらしいのだ。
「もしかしたら女性の失踪事件の犯人っていうのは、あの清掃作業員の男では!」
絵里香は確信したが、恐ろしいとか不思議だとかは思わなかった。
「へへん、面白い事を思いついたわ」
絵里香は、このことを、家族、学校、警察にも言うつもりはない。
さてどうしようというのか。

数日後、絵里香のクラスにて。
3年生女子のあこがれの的、慎之介君に、これまたマドンナ的存在の愛花が話しかけている。
どうやら愛花は慎之介を好きなようである。
そして、これを遠目に見ている絵里香も慎之介が好きである。
絵里香と愛花、別に仲が悪いわけではないが、お互いにあまり話すこともない。
しかしご両人はいわゆる恋敵である。
絵里香も、まあまあきれいだし、人気もそこそこあるが、愛花ほどではない。
勉強も愛子の方が少し上。スポーツも両人とも万能に近いが、愛花の方が少し上。
お家の資産と言えば、愛花の方がずっと上。
その他も、愛花の方が少しづつ上だ。
別に、愛花の方が上ランクだからといって、慎之介が愛花を好きになるわけでもない。
しかし、好きな男子のライバルとしての愛花の存在、これはかなり脅威である。
負けられないわ!なんとかして愛花を蹴落とさなくては!
そこで「これなら完全犯罪よ」

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