妄想別館 弐号棟


都市伝説 その4


4人はジロジロと琴音を見ている。
(琴音)「何ょ」
(優斗)「先生、お〇ぱい大きいね」
(琴音)「当たり前でしょ。大人だもの」
(壮太)「80くらいはあるの」
(琴音)「何をいやらしいな。も、もっとあるよ」
一瞬、躊躇(ちゅうちょ)しつつもサバを読む。
琴音は仁王立ちになって4人の前に立ちふさがるように立ち、不貞腐れるように言う。
(琴音)「あたしの裸を見たかったんでしょう。よく見るがいいわ」
4人は「うん」と、うなずく。
柚月がしきりと自分の胸と見比べている。
3人の男の子たちは琴音の股間を指さして何か言っているが、隠す気にもならない。

どうもぼんやりしてうまく頭が働かないな。
さっきからずっーとこうだ。
(琴音:この子たちの都市伝説は全部でたらめだと思ったんだけどなぁ)
いやそれでも納得がいかない。
(琴音:そもそもなんで私が生徒と一緒にお風呂に入らなくちゃならないんだろ)
(颯真)「琴音、変な事考えるのよしなよ」
見透かすような口調で颯真が言う。おまけに呼び捨てだ。
(琴音)「先生を呼び捨てってひどいじゃないの」
(颯真)「まあいいじゃない。琴音、もっと見せて」
琴音は、ムッとしつつも「まあ、あんたも呼び捨て!しょうがないな。ほらっ」
柚月がすかさず近寄ってきて、
(柚月)「ほらあたしと同じ。チ〇チンは無くて線になってるの」
柚月が自分のと比べながら、壮太たちに説明している。
(琴音)「はしたないことやめなさい。みっともないでしょ。女の子は男の子に大事な所は見せるもんじゃないのよ」
(柚月)「だってぇ。先生だって見せてるじゃない」
優斗は指先で琴音のおマ〇コを押す。
(琴音)「あ!何するのよ。いやらしいな」
(優斗)「先生のおマ〇コって、フカフカだね」
(柚月)「そうだよ。やわらかいでしょ。でも中はクチャクチャなの」と、柚月。
(琴音)「さっきからなんなの。下品な事言うのやめなさい。本当に怒るよ。クチャクチャって何よ」
柚月がウサギのぬいぐるみをいつの間にか持っている。
(柚月)「これ見ると琴音はもう怒らないんだよ」
(琴音)「怒るに決まってるでしょ」
(柚月)「あれ、怒ってる。あ、そっかネコのぬいぐるみじゃなかったんだっけ」
(琴音:ウサギのぬいぐるみなんていつの間に手にしたんだろ)
不思議な事、納得いかない事、が、次から次へと起こる。
しかし考える気もしない。面倒くさいし。
全部ひっくるめて、こういう都市伝説何だろうか。
いや、そう思っていた方が楽そうだ。

(柚月)「それじゃそろそろ行きましょうか」
突然、柚月が湯舟の外に飛び出した。
かわいいお尻がお湯で濡れている。
それに月の光が当たってテカテカに光っている。
琴音は「う、なかなかきれいなものだな」と、うっかり思ってしまった。
柚月はこっちを振り向いて「ほら早く早く」
(琴音)「何するの?ああそうか」
校庭に出て踊らなければならないようだ。
月がきれいに輝いている。盆おどりも佳境に入ったようだ。
(琴音)「なんか楽しそう。それじゃ、みんなで盆踊りに合わせて踊ろうか」
5人は琴音を先頭に校庭に出て行って踊り始めた。
(琴音)「今夜は夜が明けるまで踊りましょう」
(颯真)「うゎーい、先生といっしょだぁ」
ヨイヨイ♪、ア、ヨイヨイ♪
全裸の5人が校庭で輪になって踊っている。
(琴音)「あーなんか幸せな気分だなぁ」
気だるく、しかし気持ち良く、琴音は踊り続けたのだった。

夜が明けて、朝日が昇ってきた。
「ん?」琴音は気がつくと、金魚を飼っている池の中に座っていた。
「あたしは、あたしは一体何をしていたんだろう」
ギョッとして、池から飛び出ると・・・全裸であった。
「ギャアァァァーーー!」
お風呂に入ったのは覚えている。
気持ち良く踊っていたのも覚えている。
「なんで?一体なんで?」
更衣室に駆け込み、とりあえずジャージを着た。
もちろん下着は付けてない。ノーブラにノーパンである。
「これじゃまずいよう」
図工室のところに戻ってくると、あちこちに服や下着が散らばって落ちていた。
あわてて拾いながら再び同じセリフを繰り返す。
「あたしは裸で夜通し何をしていたんだろう」
幻覚を見ていたとしか言いようがない。

授業が始まる前に、壮太たち4人を教室の外に呼び出した。
4人とも下を向いて怯えている。
琴音は目を吊り上げて、問い詰める。
「いったいどんな都市伝説をやろうとしたの」
壮太たちは顔を見合わせていたが、やがてボソボソと話し出した。
しかし話を聞いているうちに、琴音は真っ青になった。
やがて4人に「もういいから教室に戻りなさい」
4人が教室に入ると、琴音は呆然と立ち尽くしてしまった。
彼らが話した内容とは・・・
「だって僕らが10時頃学校に集まったら、先生は裸になって1人で踊っていたじゃないか」
校庭の中ほどで、ただ笑って踊っているだけだったそうだ。
4人がいくら声を掛けたり、ゆすったりしてみても、まったく無反応で。
さらに不気味なのは、トラ、ウサギ、クマ、パンダのぬいぐるみと手を取り合ったり、話しかけたりしていたとのことである。
その様を見ているうちに、壮太たちは、だんだん怖くなって逃げかえったそうだ。
4人の子供たちは都市伝説らしい事は何もやっていなかったというわけ。
琴音は青くなったり赤くなったりしながら、
「それじゃあ私は、素っ裸で一晩中、ぬいぐるみと池の中に入ったり校庭で踊ったりしていたのか!」

学校のそばの森の中、年季の入ったタヌキとキツネが話をしている。
(タヌキ)「最近は都市伝説とかに押されて、ワシらの影が薄くなってしまったなぁ」
(キツネ)「時の流れじゃもの、しかたがないかな」
(タヌキ)「ま、昨日は久しぶりに人間を化かしてみたが、ああ、面白かった」

昔むかしはキツネ、タヌキ、ムジナなど、それらが関わった話がたくさんあり、都市伝説のようになっていったのだがねぇ。
ちなみに琴音先生のことは、都市伝説ではなく、変な伝説となって、子どもたちの間に長く伝えられたそうな。


                                              都市伝説 完

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